初夏の春巻 食堂のおばちゃん(13) (ハルキ文庫 や 11-15)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758445375

作品紹介・あらすじ

本日の日替わりは鶏じゃがと豚の生姜焼き、焼き魚はホッケの干物、煮魚はサバの味噌煮。ワンコインは親子丼──
姑の一子と嫁の二三にお手伝いの皐で営む佃の「はじめ食堂」は、ほっとする美味しい料理と温かな気配りで、今日もお客の笑顔で一杯だ。
そんな中、一子の孫で出版社に勤めている要に難問題が持ち上がったり、二三が迷い犬を保護したり……。
お陰様でシリーズ累計五十万部突破! ますます絶好調の大人気シリーズ最新刊。
どの巻からでもお楽しみいただけます。

感想・レビュー・書評

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  • これまで借りていたのでコンスタントに読めていたが、買って手元に置いてしまうと途端に読む順番が後回しになる(苦笑)

    安定のはじめ食堂。近頃の社会問題「値上げ」にも言及、というと大げさだが、値上げしなければやっていけないのに悩むはじめ食堂のみなさんの優しいこと、優しいこと。さっちゃんも馴染めてるようで一安心。

    他の巻は図書館で借りていたけれど、料理のポイントとかあるし手元に置いておきたいかな・・どうしよう、迷う。

  • 食堂のおばちゃんシリーズ13冊目。
    姑の一子と嫁の二三が切り盛りする、はじめ食堂。
    万里と入れ替わるように入った皐が頼もしい即戦力となり、
    今日も食堂は、美味しい料理と常連さんの語らいで賑やか。
    第一話 未練のカキ鍋・・・要の勤める出版社での窮地を救った
      のは、皐の助け舟。その思わぬ縁により、塩見が来店。
      カキの土手鍋の未練を語る。
    第二話 発酵レストラン・・・塩見の連日の訪問に興味津々の
      はじめ食堂の面々。一方、旅行先で老舗酒造での親子の
      わだかまりを知った康平と瑠美は、はじめ食堂に彼らを招く。
    第三話 スペアリブと犬・・・二三についてきた迷い犬。ほどなく
      飼い主が見つかったが、その裏には疑惑が。気づいた皐。
      彼女に助言する一子。そして飼い主と犬との愛が解決に。
    第四話 めでタイ正月・・・タイと言っても地域で異なる食。
      「風鈴」のダンサー・タイ人のシリボーンに郷土料理との
      再会をと、動く万里。そして、まさかの結末が!
    第五話 初夏の春巻・・・塩見のタイ人女性との電撃的結婚。
      新婚の二人に初夏の日本の味覚を味わって欲しい。
      初夏の春巻の味わいで、語られる馴れ初めの話。
      そう、幸運は訪れる。奇跡は起こる。
    <巻末>食堂のおばちゃんのワンポイントアドバイス・・・レシピ。

    優しい心遣いが味付けになる大衆食堂での、人情話短編集。
    時は、2021年からの食品や調味料の値上げ続きの頃。
    イカの不漁での高騰も含め、はじめ食堂でも値上げをするかで、
    頭を悩ませますが、常連客などのアドバイスで乗り越えます。
    苦労を重ねてきた皐の言葉も良いし、アイデアが豊富です。
    また、魚が食べられなかった万里が、修業の中で考え、
    ついに一口食べられた様子には、つい拍手。
    人間的にも落ち着いてきて、確実な成長が感じられました。
    ただ、時折出てくる老いの話題。老眼や食の内容の変化など、
    一子と二三の今後が気になってしまう。

  • 食堂のおばちゃん13、安定した面白さでした。旬のものを美味しく頂く大切さをいつも教えてくれます。常連客の顔ぶれにも変化がありまだまだ先が読みたいです。

  • 安定の食堂シリーズ。
    料理もお酒もとっても美味しそうです。

    後、登場人物がみんな前向き&魅力的で、楽しく読めるシリーズです。

  • はじめ食堂に迷い犬!
    その犬の登場の仕方に、えつ!あのマジックが⁈
    最近読んでいるシリーズ本「迷犬マジック」を思い出してしまった(笑)

  • 姑の一子と嫁の二三が営む「はじめ食堂」のシリーズも、13作目。
    しかし、四季折々おいしいものは尽きない。
    皐(さつき)もすっかり食堂の店員が板につき、一子の孫娘みたいな感じだ。
    常連さんたちもお元気で、三原と野田に経営のアドバイスをもらったり、康平と瑠美には酒と料理のアドバイスをもらったり。
    そんな中、二三の娘の要(かなめ)や、料理修行中の万里(ばんり)に思わぬピンチが訪れたりするが、そこへ皐がポツポツともらす一言一言が、苦労した人だなあという感じで、二人とは同い年ながらも老成感がある。

    第一話 未練のカキ鍋
     物価の高騰の荒波にもまれ、はじめ食堂も値上げを検討せざるを得ない状況に。
    値上げも仕方のないことだが、お店の誠意が感じられるかどうかでお客の受け止め方も違ってくる。

    第二話 発酵レストラン
     康平と瑠美は北関東の蔵元を巡る

    第三話 スペアリブと犬
     人間と身近な動物が人柄を判断できるのは、実感あり

    第四話 めでタイ正月
     世界にはいろんな食文化がある。自分だったら食べないというものでも、顔に出してはいけない。自分の国の料理が嫌がられたら悲しいもの、という万里。ずいぶん人間ができてきたと嬉しい。
    料理に限らず。いろいろな文化を尊重したい。

    第五話 初夏の春巻
     本当に「めでタイ」のは、最後のこのお話である。

  • はじめ食堂の娘・要と、元社員の万里にそれぞれ春が来るかと思いましたが、本人達は全くその気がなくて別のお相手と一緒になったのは残念でした。

    フリーターだった万里が、苦手な魚を克服しようとする姿に成長を感じました。

    迷い犬の弥生も、はじめ食堂のマスコットとなりそうでしたが、まさかそんな裏があったとは。破談になって何よりでした。

  • 安定の面白さ。
    さっちゃんが、だんだん一子さんの人物洞察力似てきたな。
    万里君モテるなー。
    同い年の要ちゃん、今いくつなんだろう。まさかの結婚?と思ったけど、最後は何も変わらずいつものはじめ食堂。

    ワンちゃん(りん子)可愛いな。
    こんな可愛いワンちゃんを。。
    飼い主さん、ぜひ幸せになってほしい。

  • 安定の食堂のおばちゃんシリーズ。まだまだ続いて欲しい。

  • 食堂のおばちゃん13, いろいろなメニューが出て作って見たいとは思うけどなかなか、来るお客の中、色々と思いを持ってくるが、一子の対応が年の功なのか、本当にいつも冷静な対応で感激こんなお店が近くにあったらいいな、中々こういうお店は少ない有ればきっと通い続けると思う。

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著者プロフィール

1958年、東京都江戸川区生まれ。早稲田大学文学部卒業。松竹シナリオ研究所で学び、脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年、『邪剣始末』で作家デビュー。2013年、『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞。その他の著書に「婚活食堂」「食堂のおばちゃん」「ゆうれい居酒屋」シリーズや、『風待心中』『ゆうれい居酒屋』『恋形見』『いつでも母と』、共著に『猿と猿回し』などがある。

「2023年 『婚活食堂9』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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