作品紹介・あらすじ
笑われる老人になろう。年輪の余裕、知識、経験を愛とユーモアで包んで。
感想・レビュー・書評
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体力もなく、経済力もなく、若い人の世話にならなくては行きにくい老人としては、笑いを通じて家族のため、社会のために貢献することぐらいしかできない
本当に深刻な場合は、真実を冗談であると言う形で、偽りの笑でごまかす結果になるであろうか
笑は感性豊かな人に宿る
日本では違いの発見、要するに矛盾の発見から、反感、侮蔑と言う差別的な感情になりやすい
85歳からを終期高齢者、95歳以上を末期高齢者と呼んだら良い、と思っている
おかしさを発見するには、第一に知識が必要である
笑は高等な精神作用である
私は、ペーパーテストは学習内容を十分に身に付けていない人間を切り捨てるのには有効だが、問題を発見し、物事を総合し、想像し、創造していく能力のテストをするには向かないと思っている
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政治家は概して「自分が」「自分が」で、教養、品格が感じられません。もっとも謙虚ではできない業種だとは思います。森喜朗氏はまさに教養も品格もない人間(老人)だと思います。失礼しました。三浦朱門氏(1926~2017)は目線は低く上品でした。「老年の品格」、2010.12発行。文化の違いが生む偏見と差別は多いですが、文化の違いを受容する知性・教養は素晴らしいですね。
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この時代の人のおおらかさと、戦争を知っている忍耐力
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若い人が読んだら、説教じみているかもしれない。
しかし、妻の曽野綾子氏も、一人娘なので、傲慢なところもあり、2人で喧嘩をしたら、大変であろうと思う。
旧友たちの顔ぶれも凄い。
遠藤周作、阿川弘之、吉行淳之介、安岡章太郎、、、の面々である
「ジム・クロウ」という言葉が、出てきたが、差別用語の「クロンボ」という意であると、、、、
先日ノーベル賞を受賞で、話題なった歌手の歌で「風に吹かれて」が、有名だが、その中の歌詞に「いつmanになれるのだろう」という言葉が、出てくる。
若い時は、いつ賢い大人になれるのだろうか?という意味かと思って聞いていたが、、、、
その当時、黒人をboyと呼んでいたからだと、分かって、差別用語から抜け出せる、人種差別を批判する歌詞であったことに気が付いた。
今現在でも「土人」と言って差別したと、、、それとも、若い時の私のようにmanの意味を知らなかった若者かもしれない。
この作者のように、沢山の友人たちや、知識人、そして、本や、新聞などの読み漁っているから、わかり易く、この「老年の品格」を描いたのであろう。
私も、もっと本を読んで、知識を広げたいと、思った。
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妻の曾野綾子氏が「老いの才覚」大ベストセラーとなった。妻に便乗(?)して、夫なりの「老いの才覚」を明かしているのが、本書である。老年になると「説教くさく」なったり、「昔は~だった」や「近頃の若者は・・・」といった言葉を飛び出したくなる。しかし苦労話などを「笑い」に変えて、自分も相手も「笑う」こと、本書はその重要性について説いている。
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私には、難しく説教臭く感じたのは、世代の違いか。優秀な頭脳を振る活用させて、時代を深く読みながら生きてきた著者。深く読めるから凄いなって感心。
著者プロフィール
三浦 朱門(みうらしゅもん)
1936年東京生まれ。教職に就くとともに作家活動に入る。1985年4月から翌年8月まで
文化庁長官を務める。99年には産経正論大賞を受賞。同年、文化功労者となり、日本文藝家協会理事長、日本芸術院院長を歴任する。著者に「箱庭」(講談社文芸文庫)、「夫婦口論」(曽野綾子共著・扶桑社)、「不老の精神―魂は衰えない」(青萌堂)、「朱に交われば・・・私の青春交遊録」(マガジンハウス)、「日本の活路―気鋭対論」(渡辺利夫共著・海竜社)など多数。2017年2月没。
「2020年 『新装版 老年の品格』 で使われていた紹介文から引用しています。」
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