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- Amazon.co.jp ・本 (558ページ)
- / ISBN・EAN: 9784760115174
感想・レビュー・書評
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ブルガリアのユダヤ人は裕福ではなかった。彼らは主として労働者だった。したがって、ユダヤ人財産の強制収用と同時にユダヤ人労働の搾取があったとしても不思議ではない。はじめのうちユダヤ人はブルガリア人と一緒に、陸軍が後援する正規の労働奉仕で働いていた 。
ユダヤ人問題においてもルーマニアの態度は日和見的なところもあり、またそれ以上のところもあった。ルーマニアにおいては個人的な利益の追求があまりに熱心に行われたため、多くのユダヤ人にとって迫害からの解放を金で買うことが可能になった 。実際のところ贈収賄の仕組みがよく整っていたため、それは国家の利益に転化された。すなわちルーマニア政府はユダヤ人が強制労働や旅行制限といったユダヤ人弾圧の免除を買うことを認めたのだ。
ハンガリーのユダヤ人が他のほとんどの国のユダヤ人と違うところは、たんに中産階級であるというのではなく、大部分は唯一の中産階級であり、ハンガリーにおける全ての専門職と商業の活動の主力であったことである。1930年代において、開業医の半分以上がユダヤ人、弁護士の半分以上がユダヤ人、貿易業者の3分の1がユダヤ人、そしてジャーナリストの3分の1近くがユダヤ人だった。ユダヤ人は通常の経済生活において真に欠くべからざる存在だった。それゆえハンガリー側は財産の強制収用の問題に慎重に取り組んだ 。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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