課長1年目の教科書

著者 :
  • かんき出版
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761271473

感想・レビュー・書評

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  • 課長以上は、仕事のできる人ではなく、課長以上に求められている仕事のできる人(マネジメントのできる人等)がという言葉が印象に残った。
    役職に応じて求められる役割が異なり、目指す役職があるのであれば、求められる資質を満たすことができることを見せる必要がある。

    上記のような意識をもっていなく、今担当している業務を十分にこなすことで評価を得られると考えていた。
    本書を読み意識が変わった。

  • 自分自身の経験を増やす為の行動として、
    1予算に上限を定める
    2いち早く商品、サービスを試す
    3また始めてみる
    4仕事とは別の何かをやり遂げる
    5 人に何かを与える


    このうち、1.2は意識しているが3以降ができていない。
    3、4はまた始めてみたい。

    リーダーシップを支える力として
    怒る力
    認める力
    楽しむ力
    魅せる力

    楽しむ力、魅せる力を身につけて部下の意識、行動を変えたい

  • 最初に断っておきますが、私が課長になったわけではありませんので念のため。
    なぜこの本を読んだかというと、自分のスキルアップに活かすため。
    マネジャーになるため、役員になるために何が必要なのかを述べた本です。

    あとがきで次のように言っているところが心に残りました。
    今いる組織の中だけで上を目指すことだけが出世ではなくなる。
    社内政治を勝ち抜いて出世するのではなく、互いに協力し、変化に向き合う生き方を選んでほしい。
    そうして実現する出世のほうがより大きく新しい価値を生み出す時代になっている。

    課長の仕事は、人を動かすこと
    絞り込んだ専門性を通して発見した新たな気づき、発展した興味などをそのままにせず、「新しい方法」や「最近の知識」を仕入れ、「環境変化」や「他社の動向」に敏感になり、真面目に勉強すること。

    ◆人事に「管理職の適性あり」と印象付けられる5つの行動評価
    1.リーダーシップ:率先して組織を率いることができているか
    2.顧客満足:顧客満足度を高めるための行動ができているか
    3.組織専門力向上:結果の成否を問わず、組織の業績を自己の問題としているか
    4.事務管理:部下に適切な指示を出し、業務を遂行できているか
    5.人材育成:部下の行動特性に合わせた指導を行えているか

    ◆課長に求められる4つの力
    「魅せる」(ゴールへの共感を生む)
    「認める」(正しい方向性を示す)
    「楽しむ」(行動を生み出す)
    「怒る」(間違った方向性を正す)

    仕事のできる課長が部長になるという時代ではありません。
    今の人事制度の潮流は、部長の仕事をできる人が出世するという流れになっています。

  • 課長より上は、仕事のできる人が出世するのではなく、マネジメントできる人が出世するというのは納得。
    一口に課長といっても会社によって求められる役割は大きく違うと思うが、ざっくりと会社の分類別にどういった姿勢が必要か明示されており、興味深かった。

  • ・データ等も使用しており、信憑性のある論理を展開している。しかし全て実践することは難しいので、出来ることから少しずつ取り組んでみたい。もっと本当に1年目に読みたかった本だった。。。
    ・昇給が止まるのは45歳~50歳の間。それ以上は、昇格しない限り下降線。
    ・課長の最大の敵はあきらめ感。
    ・上が評価する課長とは、出来る課長ではなく、アイツは人を動かすのがうまい、組織として結果を出している人。
    ・課長になって最初にやってはいけないことは、部下を連れて飲みに行くこと。仲良し課長になってしまうと組織の秩序が保てず、課長の権威もなくなってしまう。
    ・課長になって最初に外に誘うべきは部下でなく、上司である。オフィシャルではない場で上司の考え方やモノの見方を観察することができるから。
    ・他の課長に差をつけるポイントは以下の3点。
    ①過全体の人に役割を与えてあらゆる仕事に関与させて課として評価を出す。
    ②上司とのコミュニケーションを密に対面で行う。できるだけメールは使わない。
    ③部下に指示した内容の途中確認を徹底して行い、早い段階で軌道修正する。ただし、作業指示にならないように注意する。
    ・人事評価は過去を評価したもの。一方で昇格の基準は会社の未来をその人に託せることなので、過去の人事評価とは別物。
    ・課長以上の面談では、主語は私ではなく、私たちで話すこと。
    ・課長からさらに上のポジションに出世する人が大きく成長するタイミングは、部下を従業員だと理解できる時。
    ・部下と一体感を持って仕事を進めていて駄目。
    ・従業員とは会社のお金(=自分のお金)で雇っている認識で大切に使えるようになる。会社と自分を一体視すること。
    ・ロイヤリティ型(NTT)の人事の特徴は、経営層と従業員とが一体となり会社を成長させようとする点。古い体質の会社で出世するためには、リーダーシップや専門性より忠誠心が大事。
    ・NTTはそこから環境適応型に移行している所。
    ・環境適応型では、部署の統廃合に合わせて派遣社員や契約社員、中途採用も増えている。人事評価の基準が改定され、定年年齢の延長などにより社員を長く活用としようという傾向がある。
    ・専門性は武器になるが、30代後半から40代以降はそれまでの経験と周囲の人間関係が大きな財産になる。
    ・人間関係を作っていくためには、雑談力が必要。初対面の人に自分をどれだけ印象付けられるかが大事。
    ・人との繋がりには、強い絆(家族、親友、仲の良い同僚等)と弱い絆(数回しか会ったことがない知り合い)がある。
    ・転職では8割以上が弱い絆のコネを利用している。
    ・強い絆の人は、似た価値観を持つもの同士で新密度は高くなるが、新しい経験があまり得られない安定した仲良し集団。
    ・見分を広め、経験値を殖やすには、弱い絆の人を多く持つことが必要。
    ・新しい場所、新しい出会いに前向きになること。
    ・会社の行事には前向きな気持ちで参加すること。それによって、社内でのコミュニケーションが促進される。
    ・会社の行事に参加するのは確かに面倒だが、積極的に参加する人は、既に会社の中にある程度のネットワークを持っている。
    ・知り合いがいない会合に出席するのは誰でも躊躇するが、水漬からつながりを作っていくことが結果的には自分を押し上げてくれる弱い絆になる。
    ・仕事の成果だけ評価されても部長以上になるためには周囲の評判も重要。
    ・新しいつながりを殖やすには、弱い絆の人と知り合いになり、できればその人がコミュニケーション上手であれば、その先の知り合いと結びつけてくれて、つながりが広がっていく。
    ・一方で強い絆に対しては、その人たちを大事にし力を尽くすことが必要。それが信頼関係を強めて、自分の価値も高めてくれる。
    ・体力は17歳がピーク、流動性知能(暗記や集中力)は20代前半がピーク。
    ・年齢と共に伸びるのは、結晶性知能。知識や知恵、経験値、判断力など、経験と共に蓄積される知能でマネジメント能力もその一つ。60代ごろにピークとなる。
    ・そのためには、常に新しい経験を殖やし続ける必要がある。
    ・課長に昇進した40歳前後から10年の重要性と、その間に昇進しなければ出世ルートから外れた現実を受け止めること(後5年では厳しいけど、ギリギリ間に合うかも!!)
    ・出世から外れても(当然外れなくても)、自分の専門性を絞り込み、常に勉強を続けること。
    ・課長まではパーツとして優秀であることが求められるが、課長からはそれを捨てて、意思決定力とユニットを素早く動かせるリーダーになること。部下を育て、モチベーションを高め、職務に意味を与える存在になること。
    ・部下のモチベーションを高めるリーダー的人間的な力が与える影響は大きい。ただし、やり方は人それぞれだが、大切なのは、自分のできるやり方で引っ張っていく力を見せること。
    ・過去の成功体験を思い出し、前向きな思考になり、周囲に自信を感じさせる行動をとるようにする。
    ・新しい部署で初期に形成されたリーダーとしてのポジションは、その後も維持される。付け焼刃でもリーダーらしいマインドセットで周囲に頼れそうだという第一印象を与えれば、その印象は長期間保たれる。さらに、自分も周囲から頼れそうだと頼られるうちに頼れる人へと変わっていく。
    ・リーダーシップには、指示命令型=怒る力、支援型=認める力、参加型=楽しむ力、達成指向型=魅せる力のタイプがある。
    ・優秀な課長は4つのうち2つを身につけ、使いこなすことで成果を出している。
    ・誰でも一つは既に身につけている(自分は認める力=支援型かな)。
    ・後一つはそれぞれの特徴をつかみ、自分にとって必要なもう一つの力を身につける必要がある。
    ・課長になって最初に身につけるべき力は怒る力。チーム全体を引き締め、正しい方向性を示し、再スタートを切る活力を与える。チーム全員に発揮する必要はなく、誰か一人が間違った方向に向かったとき、または見逃せないルール違反を犯したひとにだけ怒り、指示命令型のリーダーシップを発揮する。
    ・怒れない課長は伸びない。
    ・怒れない時は、感情をぶつけるのではなく、マネジメントするために叱ると言い聞かせる。そして、仕事上破ってはいけないルールや認めてはいけない自分なりの譲れない軸がどこにあるかを日々意識して行動する。タイミングを逃さずに叱ることが大事。
    ・叱るときは不満や感情の爆発、自分と異なる意見や立場への排斥の感情を持ってはダメ。正しい怒りには譲れない軸があり、そこに正義がある(まずは譲れない軸を作る必要がある)。
    ・認める力は、チームに属する一人ひとりに重要な扱いを受けているという気持ちを与える力。
    ・やり方を教えるのではなく、出来ている部分を見つけて認めていくことが大事。そして一人ひとりの力を伸ばしてチーム全体の力を伸ばしていく。
    ・楽しむ力は、仕事の必要性、重要性、意義、楽しさを伝えることで、部下のもちべーそんを引き出す力。
    ・会社から課せられた目標だけでなく、部下の気持ちを盛り上げる付加価値を付けた目標を設定する。そして、自分から率先して手本となる行動をする。
    ・魅せる力はゴールへの共感を生む。リーダーとして仕事に取り組む姿勢をしっかりと見せることで、ゴールへ向かう道筋を魅力的に見せ、部下たちの意識と行動を集約させること。
    ・このタイプも率先して自ら行動する人。そして、社内でこの分野ならあの人と言われるように行動し、周囲から認められることで高まる力。
    ・課長として心がけるポイントは、会社がどのような成果を生み出したいのか、どんな成長を遂げたいのか、どんな未来を目指いしているのか、を理解し行動すること。
    ・そのためには、上司の視点に立って考えること。それもできるだけ上の目線を意識すること。
    ・上司を顧客だと捉えて、課長の役割を徹底しながら、好き嫌いを超えて良好な人間関係を築くこと。
    ・ロイヤリティ型では、上司に隠し事をせず、上司のやり方に合わせて確実に情報を入れること。
    ・環境適応型では、上司が恐れていることを知り、上司が自分に求めている役割や目標を確認すること。
    ・経験を増やすために5つの行動が必要。
    ①月収の5~10%を自己投資に使う。いつも読まない本を購入したり、イベントに参加したりと、自分の行動範囲外に出ること。
    ②アーリーアダプターになること(新しい製品やサービスを試してみる)。
    ③昔興味のあったことをやってみること。
    ④仕事とは別のことをやり遂げること。仕事とは異なる人間関係を子駆逐して、ともに何かをやり遂げていく経験を積む。自治会やスポーツクラブ等に参加してみる。
    ⑤人に何かを与えること。

  • 視点としては「どうしたら課長から先に出世していけるか」が書かれた本だが、中身は課長という立場でどう立ち振る舞うべきか、ポイントが整理されたており、出世するしない関係なく、課長になるのであれば理解しておくべき内容。
    課長というのは、今後の出世選抜をしていく上でスタートラインに立ったと考えるべきで、課長というポジションを「2度目の採用試験」として捉える発想は面白い。

  • <読んだ日>
    20160409

    <内容・感想>
    課長職の社内における立ち位置についてまとめた本。

    <行き先>
    Amazon

  • 課長1年目の教科書 2016/2/18
    著:平康慶浩

    著者は、人事コンサルタント。アクセンチュア、日本総合研究所を経て、2012年よりセレクションアンドバリエーション㈱代表取締役に就任。大企業から中小企業まで150社以上の人事評価制度改革に携わる。

    あなたがすでに課長になっているのであれば、経営層を目指してほしい。課長というポジションこそが会社という組織の中で、経営層を目指すための入口だからである。それはまさに、会社人生で二度目の採用試験に他ならない。まさに課長からこそ出世のための本番が始まるのである。

    課長からはじめるキャリア戦略とは、複雑にからみあったこの社会の中で、人とうまくつながりながら、わかりやすい成果を生み出していくための、具体的な方法論に他らない。

    そんな課長の教科書としての位置づけから本書は以下の6章にわたり記されている。
    ①課長というキャリアステップの意味
    ②課長からの出生はこう変わる
    ③課長からのキャリア戦略
    ④課長の心構えと部下へのリーダーシップ
    ⑤上司を攻略するための4つの視点
    ⑥経験を増やすための行動

    私は課長ではない。
    しかし、発売ほやほやの本書を手に取った。
    社長の・・・。部長の・・。40代までに・・・。
    等という自分はまだ達していない階層の本が好きである。
    入社1年目の・・。20代までに・・。
    等という自分が通り過ぎてしまっている階層の本も好きである。
    前者からはこれからの自分の武器の品揃えの参考にするため、
    後者からはその武器は自分に備わっているのかを確認するためである。

    そして本書のように課長1年目の・・・。とかいう類の本も好きである。
    出世等というキーワードだけを見れば、マイナスのイメージに取られかねず、こっそりひっそりと読むべきものかもしれないが、私は出世だけのために読むのではなく、その職位に見合ったスキルが少なくとも書いてあるという点から自分のスキルアップや能力アップの参考にしたいという気持ちが非常に強くあり読む機会が多い。

    そして課長という立場から上を見た、もちろん下も見ているもののそんな視点で書かれている本は少ない。そして本書はその数少ない本であるもそれ以上に非常に参考になることが多く書かれている。

    4つのリーダーシップのとらえ方や会社のスタイルを3つに捉えている点。単独でみればそれほど真新しい観点ではないものの、それが見事にミックスされており、今の自分の状況とあるべき姿、そしてそのために何が必要かまでが違った立場の人でも応用しながら考えることができる機会を与えてくれているように感じる。

    体系的に網羅されているわけではないものの、本質や知りたいことが上手くピックアップされており、今読みたいと思って手に取った自分にはドンピシャの内容と中身であった。

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著者プロフィール

セレクションアンドバリエーション代表取締役
1969年生まれ。大阪市立大学経済学部卒業。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。アクセンチュア株式会社、アーサーアンダーセン、日本総合研究所を経て独立。企業の人事マネジメント、組織体制の改革を手がける。     

「2020年 『給与クライシス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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