WORKSIGHT 2011-2021: Way of Work, Spaces for Work
- 学芸出版社 (2021年7月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784761509200
作品紹介・あらすじ
2010年代、世界のオフィス空間をグローバル企業からベンチャーまで33事例で振返る。企業文化の表現として、またはスマート化やコーワーキングが誘発するイノベーションスペース、或いは働き手自身が働き方を決めるウェルビーイングの価値観、都心に拘束されないパンデミック後の変化まで。未来のスタンダードを予見させる大著。
感想・レビュー・書評
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コクヨのオフィス研究誌の合本。美麗な写真と解説で、この10年のワークプレイスの新しい取り組みを総覧する。
本書の責任ではないが、総じて、この10年、ワークプレイスには、それほど新しい方向性が提出されたわけではないように思う。シリコンバレーのスタートアップたちが、今やGAFAだのFAANGだのMANGAだのと呼ばれるようになって、巨大なヘッドクオーターを作り、一段落したという感じがした。
最後のチャプター Precinct とされ、都市論になっているところが面白い。ABWも、オフィスの中の話ではなく、都市全体の話だとされている。
小さなエピソードだが、Slackのオフィスでは「会社が食事を無料で提供するトレンドに背を向け、週に一回朝食と昼食を提供するのみ」で、同社CEOによれば「彼らにはそれなりの賃金を払っている。経済をサポートするために外でランチを」と促しているという(p.74)
人里離れた場所に閉鎖的な基地を作るのでないなら、地域社会との関係は本質的な問題だ。オフィスの都市計画、オフィスアーバニズムはこれからも重要な主題になるだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
"オフィス"ではなく"ワークプレイス"、さらに言えば働き方、生活の仕方についての本。
空間だけでなくそれぞれの事例が成り立つ仕組みや理念を詳しく書いており、この背景があるからこそこの空間ができている、という流れが見える。単なるオフィスの設計の参考として読んではいけない。