ナラティヴ・メディエーション: 調停・仲裁・対立解決への新しいアプローチ
- 北大路書房 (2010年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784762827297
作品紹介・あらすじ
日常的な対人的葛藤から国際紛争まで,教育現場から医療領域まで,人々の内に在る欲求や動機を動かしがたい前提とする従来の調停理論を離れ,理解・敬意・共同を基盤としたオルタナティヴなストーリーを柔軟に紡ぎ直す新たな試み。社会構成主義の認識論に根ざし,調停者に強力な言語的ツールの数々を体系的に提供する。
感想・レビュー・書評
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これまでのセラピー、カウンセリング、コーチング、ファシリテーションなどなどの手法の背景には、自立した個がいて、それぞれの特性や心理、意思を踏まえつつ、その個に対して、何か働きかける、つまり「あなたは本当はどうしたいのですか?」というのが、基本的な問いがあると思う。
が、ナラティブ・アプローチによると主体が何か意見を持っていて、そこから何かが出てくるというより、社会的、文化的なディスコースによって、話すことが決まってくるというふうに考える。
つまり、世界は言語によって成り立っているという社会的構築主義がナラティブ・アプローチのベースですね。
この辺は、個人的には、フーコーやらデリダなどのポストモダーン思想は昔から読んできたので、「そうそう」感がある。
驚きは、どちらかというと批判理論という側面が強いフランスのポストモダーン思想の「ディスコース」とか、「脱構築」がこういう「役に立つ」ツールに落としこまれているところかな?
このアプローチだけで本当にうまくいくかはわからないが、かなりインパクトあるだろうな、というのは伝わってくる。
かなり興味が高まってきたな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ちょっと前から,この手の本を読み漁っています。
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宇宙とは変化である。一人生は私たちの思考が作りあげるものである。
癒しとは時間の問題である。しかし時にそれは機会の問題である。
問題解決アプローチの中心にあるのは、人間の欲求や利権意識が妨げられた場合にはその結果として何らかの対立が生じる。という考え方。
弱みに付け込む者が世間じゃ得をするのさ。
もし確信をもって、何かを始めたのなら、きと疑問を持って終わるに違いない。しかし疑ってかかって何かを始めたのなら、きっと確信をもて終わるだろう。
いいかい、ここでは力の限りは知らなきゃいかんのだよ。同じ場所に留まるためにはね。もし他のところへ行きたいのなら、その2倍の速さで走らなくてはならない。