- Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
- / ISBN・EAN: 9784763005281
作品紹介・あらすじ
やさしかった父さんが事故で突然に死んでしまった。母さんの心は閉ざされたまま…その日から父さんの代わりに牧場の仕事に奮闘し始めた、ココア色の肌をした少女・メイビー。農場を狙う男たちのいやがらせ、学校でのひどいいじめ、悲しみと怒りでいっぱいになったときあらわれたのは、麦わらでできた女の子・ストローガール。二人はその日から親友になった。ストローガールの唯一の願いは、メイビーがもう一度しあわせになることだけ。いつかはさよならがやってきても…。英国スコットランドの農場の、良質のミルクのような心温まる物語。
感想・レビュー・書評
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思いがけず面白かった。
自分のことでいっぱいいっぱいになっちゃうお母さんとか、イマイチわかってない先生とか、周囲の人がとてもいい。
中でも敵役がとても良かった。
ストローガールも、ありがちな優しくてかわいいお人形じゃない。
野性的で、なおかつそれを隠す優しさ(狡猾さ?)も持っている。
メイビーも、戦いという意味では周囲に助けられっぱなしだけど、いっぱいいっぱいになりながらも、がんばっていて好感が持てる。
くわしい感想⇒http://melancholidea.seesaa.net/article/13050983.html詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
YAの御伽噺
彼女がそう呼ばれるのかと思ってたら
そのままの子だった
最後がなんとももったいない -
しばらく前に読了。表紙に惹かれたジャケ読み本。
設定はけっこう面白くて、テンポもけっこう良かった、のだけれど、そのテンポの軽さが浅慮を生んだ気がしなくもない。ややご都合主義的なストローガールの力はそれとしても、「森の戦士」の末路を「気高さ」として描くのは、全体主義の容認な気がして、わたしにはかなり軽はずみに思えた(訳のノリによってそれが増幅されている感じもちょっとする)。あえてパターンに則っているにしては真面目さがありすぎる。冒頭で「メイビー」が強調されて、その曖昧さをどう扱うのかなぁとちょっと期待して読んでいったのだけど、読み終わって、けっきょく喪失するための冒頭だったのか、という気がして残念。それはそれで、中盤にもっとそこへむけての展開を描き入れてほしかったな。
装丁は好きなのだけどなぁ。 -
大好きだった父親の農場を、一人で守ろうとする娘と不思議な親友の話。
父親の農場・楽しかった思い出を守るために、それまでの駄目な自分から大人へと成長していく様に感動です。
失ってから大切さに初めて気づく。
後悔から学び、成長する。
大きな愛に包まれた感動作です。 -
父親を事故で亡くし、その為に母親は心を閉ざし、父親が大切にしていた農場も立ち退かなければいけない状況に陥ってしまった少女・メイビーの前に麦わらでできた女の子・ストローガールが現れるお話。あったかくて勇気づけられる作品。