さよならも言えないうちに

著者 :
  • サンマーク出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763139375

感想・レビュー・書評

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  • 『コーヒーが冷めないうちに』シリーズ4作目。
    時系列では『コーヒーが冷めないうちに』の翌年の話。

    一話
    考古学の研究に明け暮れて家庭を顧みなかった門倉紋ニは、事故で植物状態になってしまった妻三重子に感謝の気持ちを伝えるため過去に戻る。
    過去は変えられないが、記憶は残るという新たなルールが判明。
    後日三重子の意識がもどった描写あり。

    二話
    愛犬アポロの最期を看取ることが出来ず後悔していた疋田スナオは、夫である坴男から過去に戻ることを勧められた。
    過去のアポロや坴男に会い、坴夫から「看取れなかったんじゃない。スナオちゃんが寝るのを待っていた。寝たのを確認して、安心して眠った」と言ってもらって現代に戻った。
    現代は何も変わっていなかったが、スナオの中では後悔から感謝の感情へと変わっていた。

    三話
    石森ひかりは、彼洋二からのプロポーズを断った。「日持ちが変わるまで待つよ」と洋二は言ったが、半年後他に好きな人ができたからと別れを切り出し、数ヶ月後亡くなった。
    ひかりはプロポーズを断った日に戻り、プロポーズを受け入れた。

    四話
    雉本路子は、上京先にやってきた父親を酷い言葉で追い返してしまったが、その3日後父親は東日本大震災でなくなってしまった。
    過去に戻った路子は、いつも怒っていたと思っていた父親が実は自分のことを心配していてくれてたことを知る。
    自分だけ幸せになれないと結婚を断っていたが、路子の幸せが父親の楽しみだと言ってくれた父親の言葉を思い出し、結婚することを決意した。

    特に三、四話目が胸を打たれた。
    洋二が未来からやってきたひかりの約束を守り、ギリギリまで優しくしていたこと、時間がきても帰ろうとしないひかりに、過去のひかりが未来のひかりに嫉妬するからと言うシーンから、ひかりへの愛情がどれほどのものか伝わってきた。

    父親が路子が喜ぶからと路子の好物ばかりのお土産を、路子がはたき落とし、父親がついていない汚れをはたいて袋に戻し、路子に渡そうとしたが受け取ってもらえないシーンは胸を抉った。
    過去が変わって、最後に感謝の気持ちを伝えられて本当に良かった。4話読了後もしばらく涙が止まらなかった。

  • 涙なしには読めません。このシリーズはどの話しも暖かく泣けてしまう。
    さよならが言えないのは辛い。

  • あなたは幸せになっていいんです…
    過去は変えられなくても
    未来へ向かう心は変えられるー
    素敵なお話達でした。

  • このシリーズは泣けて泣けて

  • うーん、未来は変えられない。
    なるほど。
    うーん、うーん。
    会いたい人に会えるのはいいと思う。
    タイミングいいね。

  • 30分読了
    愛犬にさよならが言えなかった話、
    父を追い返してしまった娘の話

  • このシリーズを読むと、いつも日々後悔しないように生きていかないとなあと思わせられます。
    今作ではプロポーズの返事ができなかった女の話が一番泣きました。
    怒ったり、泣いたり、不満を抱いたり、でも最後には前向きになれるひかりさんの人間らしさと自分の未来が分かっていてそれでもひたすら優しい羊ニさんが素敵です。

  • 前作もとても好きでした。
    心が暖かくなるし、大切な人を大切にしようと思わせてくれる。

    私がこの喫茶店に行けるなら、誰に会いたいかな?やっぱり、大好きだったばあちゃんかな?

  • 『コーヒーが冷めないうちに』の翌年の話。
    2作目『この嘘がばれないうちに』の最後に出てきて、3作目『思い出が消えないうちに』でも正体が明かされなかった初老の紳士(幽霊)は本作には登場せず、謎のまま。
    過去に後悔があるから過去に戻るんだけど、過去で待っていた人の本心を知れて、本当に人を思う気持ちがどんなものか分かって、胸いっぱいになって、涙なしでは読めなかった。4つの話どれも泣けた。

    私も後悔している誰かが未来からやってきた時に、ちゃんと温かい対応が出来るように、日々自分の正直な気持ちを確かめながら、毎日周りの人のことをよく考えて、できるだけ正しいことをして過ごしたいと思った。

  • おおむね、話のエッセンスは
    シリーズ通して好きなのですが、
    やっぱり少し読みづらいというか
    説明口調?すぎるというか…
    いまいち文章?が好きになれず。

    感動はする話です。
    過去に戻るルールについて
    毎回説明が微妙に入るのも
    読者的に面倒なのもあるんですが、
    それはいいとして。
    過去が変わらない、の範囲が曖昧じゃない?って
    思うことがあります。
    ものを持ち帰れちゃうのはいいの?
    みたいなのもあって、そこが少しモヤッとしてしまう。

    設定とか流れ?とかは好きなんで
    シリーズ読むんですけどね。
    いつも少し複雑な気分になっちゃう…(笑)

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著者プロフィール

大阪府茨木市出身。1971年生まれ。小説家・脚本家・演出家。舞台『コーヒーが冷めないうちに』第10回杉並演劇祭大賞受賞。同作小説は、本屋大賞2017にノミネートされ、2018年に映画化。川口プロヂュース代表として、舞台、YouTubeで活躍中。47都道府県で舞台『コーヒーが冷めないうちに』を上演するのが目下の夢。趣味は筋トレ、サウナ、シーシャ。モットーは「自分らしく生きる」。

「2023年 『やさしさを忘れぬうちに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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