- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784763181244
感想・レビュー・書評
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既に考え方が広まっているからだろうか、意外と新しい情報は少なかった。以下、重要だと思った点のみメモ。
・0-3歳まではパターン認識の時期。「これは」と思った情報・刺激をどんどん与えるべき。躾もパターンの一種。
・赤ちゃんは大人の会話を聞いている。他人の批判をしないこと、悪口を言わないこと、子供の欠点を他人に語らないこと、嘘を言わないこと、不安や恐怖を与える話を避けること。
・自分の意志が芽生えた2-3歳程度の子供に対しては、一応意志通りにさせ、いけないことだけをぴしっと抑えるのがよい。
・子どもの興味をわざと焦らして増大させることも時には大切。 -
二歳以下は、そのこの基本となるため重要。パターンを覚える。厳しくする。それがあって、3歳以上に繋がる。渇望も必要なため与えすぎない。
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2011.11.10
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子育ての先輩に頂いた本。井深さんの幼児教育書は大好きなので、すぐに読み終わってしまった(3時間で読了)
予想していた通りの素晴らしい内容であり、前著である「幼稚園では遅すぎる」を補完する感じもあり読んで良かったと思う一冊であった。
最近、幼児教育書を読んでいて一番感じることは、「教育には正解がない。ならばケーススタディを貯めて、咄嗟の判断を迫られたときの精度を上げておくこと、またはその場では判断を保留した場合でも、その後により早い判断をしてあげられるための準備をしておくこと」である。例えば、「子供が火に興味を持ってしまった。何度注意してもマッチやライターで遊んでしまう・・・」というケースで考えてみると、「井深さんの本ではあんなふうに書いていた」、「美智子皇后陛下のあんなエピソードがあったな」、「そういえば、子供が育つ魔法の言葉でもこんな例があがっていたな」、「ヴァイオリニストでスズキ・メソードの鈴木鎮一先生だったらどうするだろうか」という具合に思い出し、その中でその状況に適していると思われるものを、ほんの少しずつ試していくといったイメージである。
また、本書の中で印象に残った項目をいくつかあげると、スイスの雑誌からの引用で「言葉の意味がまだわかるまいと高を括るな。幼児の驚くべき記憶力は、いつかそれを理解できるまでしまい込んでいる」→言葉がわからない時期だからといって、悪口や夫婦喧嘩などはご法度である。「子供は非常に高い見抜く力を持っているため、教育者として繕った親の姿よりも、いつもの後ろ姿を信用する」→子供は親の常日頃の行動を驚くほど見ているよ。「ハイハイをよくした子供は言語能力の発達が著しい」→「這えば立て立てば歩めの親心」で片付けられない、その段階に応じた大切な事がある。ハイハイは後頭葉を発達させる効果が高い。「子供がやったことには良い悪いの評価よりも、喜びの言葉を与える」→お世辞を見抜く力を持っている子供には嘘の良い評価よりも、「よく頑張ってね」と行動自体を一緒に喜ぶことの方が重要。
また、胎教から始まって、新生児、乳幼児、幼児・・・といった成長段階の中で「このタイミングが最も重要!」ということはなく、その段階に応じた大事な教育があるということを改めて強く感じたとともに、教育というのは構えて「こうしなさい」とするものではなく、「日本語を話す親のもとで育った子供が自然と日本語を覚えたことを教育したと自慢する親はいないでしょう」という井深さんの言葉が、幼児教育のあり方の本質をついていると思う。是非、一読をオススメしたい良書。