- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784766210224
感想・レビュー・書評
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前述の「最長片道切符の旅・取材ノート」のまえがきに実娘の灯子さんが文章を寄せていた。其処で物書きをされているという事なので、図書館の蔵書を調べてみたら、在庫があったので読んでみる事にした。晩年の宮脇さんはアルコール依存症に罹っていて、休筆宣言をされていたのは知っていたが事実上の、絶筆状態だった様だ。それでも灯子さんが、出版しようとした本の原稿に赤入れされるなど、結果的には世には出なかった本だが、名編集者の力は読んでとれた。
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何か舞台裏を見てしまったような感じが・・・
宮脇俊三の解説書とでもいう位置付けかなぁ -
紀行作家で知られる宮脇さんの一人娘の父回想記。娘の灯子さんは父と違い料理作家志願だが、まだ芽が出ないようだ。この本も最初は引きつけるものが弱いと感じた。しかし、全体としては宮脇さんの私生活をよく描いている。やはり、娘の方が父を描きやすいのだろうか。宮脇さんも灯子さんに対しては甘甘。しかし、文章に関しては厳しい。灯子さんはこの父にもう少し生きて文章の添削をしてほしかっただろう。宮脇さんはもと中央公論の名編集長と言われた人だけあって、人脈が広いが、あの北杜夫の隣に住んでいたというのは驚き。また、私生活ではあの世代の特徴でもあるが、まったく家事をしなかったようで、北杜夫の別荘で暮らした時も、奥さんが新聞を片づけてといった言葉に激怒して、ガラスに腕をつっこんで大けがをするしまつ。そして、最後はアル中状態だったそうだ。文章を書くのはそれだけストレスがたまったということだろうか。