特命全権大使米欧回覧実記 3 普及版 ヨーロッパ大陸編 上―現代語訳 1871-1873 (3)

  • 慶應義塾大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766414882

作品紹介・あらすじ

壮麗な都パリ。小国ながら個性的な国づくりで独立を保つベルギー、オランダ。そして普仏戦争に勝利し新興の気あふれるベルリンの街、日本が進むべき道を模索する。

感想・レビュー・書評

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  • とりわけ感銘したのが、この中のドイツ編。英仏でも大歓迎を受けたわけだが、ドイツでの待遇は破格だったようで、当時のウィルヘルム二世への数度にわたる謁見・会食、帝国議会開会式への出席、宰相ビスマルクとの会見など、まさに国家元首なみの扱いだった様子。そのなかでビスマルクが弱小国プロイセンからドイツ帝国を築き上げるためにいかに血の出るような努力をしてきたか、その鍵は国への誇りと自主独立の強い精神だというスピーチに全員が熱く感動したというくだり。ドイツ人の質実剛健な姿を色々見てきた中でのこのスピーチに日本の未来をダブらせたのに違いないと思えるからだ。その後日本は、法律、政治体制、軍隊方式などドイツがモデルとなっていったわけだから、そのときの感動がとりもなおさず現代の日本に繋がっていることを思えば、読んでいて戦慄を覚えるほど。感動的な場面と云えそうだ。

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著者プロフィール

1839年(天保10)、肥前国、佐賀藩士の家に生まれる。藩校弘道館、昌平坂学問書に学んだ後、明治新政府に出仕。岩倉使節団に記録編纂係りとして随行し『特命全権大使 米欧回覧実記』5冊を編纂。後、歴史学者として帝國大学等で教鞭をとり、近代的実証史学、古文書学の領域を確立した。1931年(昭和6)没。

「2018年 『現代語縮訳 特命全権大使 米欧回覧実記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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