慈悲と正直の公共哲学:日本における自生的秩序の形成

著者 :
  • 慶應義塾大学出版会
5.00
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 6
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766421743

作品紹介・あらすじ

現世に生きる、神ならぬ人びとへのまなざし

徳川家康から福澤諭吉へ。日本の公共哲学、その淵源と持続を歴史に読む

▼本書は、戦国時代の混乱を武力を以て終わらせた徳川家康の統治思想が、日本の公共哲学の原型であるという意表を突く主張から始まる。そして、家康に淵源し、以後250年に及ぶ平和と安定を支えた公共哲学を、鈴木正三、『葉隠』、太宰春台、海保青陵、そして福澤諭吉の思想に探ってゆくのである。
西欧のヒューマニズムが基づく軍事と土地所有ではなく、軍事と商業。すなわち、武士と商人の相互性と、両者のバランス感覚としてのヒューマニズム、そしてそれが育んだ自生的秩序が日本の公共性の核心にあることを、「慈悲」と「正直」を鍵語に解き明かす。現代の公共哲学に歴史からの再考を迫る、知的冒険の書である。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 日本の伝統的な考え方の中に西洋と比肩しうる公共性の萌芽を見出す貴重な研究。こういった研究はもっと取り上げられてよい。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

桂木隆夫(かつらぎ・たかお)
1951年生まれ。法哲学および公共哲学専攻。学習院大学教授。日本法哲学会理事。主な著書に、『自由と懐疑、ヒューム法哲学の構造とその生成』(木鐸社)、『市場経済の哲学』(創文社)、『自由とはなんだろう』(朝日新聞社)、『ことばと共生』(三元社)などがある。

「2021年 『リスク、不確実性、利潤』 で使われていた紹介文から引用しています。」

桂木隆夫の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×