リーン生産方式が、世界の自動車産業をこう変える。―最強の日本車メーカーを欧米が追い越す日 (リュウセレクション)
- 経済界 (1990年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
- / ISBN・EAN: 9784766780734
作品紹介・あらすじ
マサチューセッツ工科大学(M.I.T)の特別プロジェクトが、5年間500万ドルを費した自動車業界の衝撃的未来レポート。
感想・レビュー・書評
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図書館
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リーン生産方式が大量生産と対比されつつ解説される。さらに、大量生産の前の職人に由る少量生産の説明もあり興味深い。トヨタに対する批判として下請けいじめだとか非人間的な職場だとかいう話もあるが、大量生産方式と比較してどちらがよいかと考えるべきなのかもしれない。
大量生産への移項の鍵:部品の完全な互換性と取付作業の簡単さ、作業の標準化
大量生産の問題点:誰にでもでき、将来性も面白みもない大漁生sん工場での仕事にたいする不満
労働組合強化→労働力が固定費に(景気の波に合わせてレイオフすることができなくなる)→従業員への投資
一個流し生産による問題解決への意欲づけ
トヨタでは新車の開発計画が持ち上がると、直接顧客にあたった
リーン生産の工場のラインの末端には、手直しエリアが全くない。手直しが必要な物ができないから。
完成車の値段を決めてから利益が出るように工夫する
リーンな企業は購入者を生産過程に不可欠な要素とみなしている -
80年代以前の「日本異質論」に対するアンチテーゼとして、日本自動車産業成功の要因を「リーンな生産システム」に求めた良書。
昨今の現代・VWの快進撃は一体どのような意味を持つのか考える上で、参考になるかもしれません。
果たして日本メーカーは、「リーンでない=ファットな体質になった」のか、そもそも「リーンな生産方式は環境に適合しなくなった(あくまでリーン生産方式はひとつのモデル・理念形に過ぎませんが)」のか。そのあたりも冷静に考える必要がありそうです。