- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784766784367
感想・レビュー・書評
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生涯プロレスラーであり、希代のエンターテイナーであり、
かつ詩人であり、哲学者でもあるアントニオ猪木の最新著作。
ワタシは熱狂的な猪木信者というわけではないけれども、猪木
さんの試合に涙し、東京ドームや国技館、武道館などで「ダーッ!」
と一緒にコブシを挙げたことは何度もある。
こういう輩にとっては、下手な自己啓発本を数冊読むより、この
『花が咲こうと咲くまいと生きていることが花なんだ』を一冊読む
方が数倍の効果があるのはマチガイない。
なんだかもう、言葉に力があって、理屈抜きに元気が出てくる。
そんな一冊。
今回新しく追加された言葉のほかに、これまでに猪木さんが
いろいろなところで口にしてきた言葉、さらには「風車の理論」も
カバーされていて、締めはおなじみの「道」。
猪木さんのこれまでの名言の集大成と言っていい内容。
その中でも、特によかった言葉:
『心の貧乏人になってはいけない』
他人の成功や幸せ、頑張りを一緒に祝ったり、応援したりする気が
ない。こういう人を、心の貧乏人と呼ぶ。
そんな人間にはなりたくない。共に祝福し合い、応援し合い、そんな
豊かな心を持っていたい。
『「し」という漢字は71個、同じ「し」ならば「志」を選べ』
自殺未遂を起こした弟子、安田忠夫に送った詩からの抜粋。
『道はどんなに険しくとも 笑いながら歩いていこうぜ』
笑顔を見せれば、それは「施し」になる。笑顔で挨拶するだけで、
いい気持ちになる。これこそが笑顔の施し。
プラス思考には、まず笑顔だ。笑顔が自分を助けてくれる。
『「裏切られた」なんて口にするな』
この言葉だけは口にしてはいけない。裏切るような奴を信じて
しまった自分の不明を、わざわざ人に知らせるようでみっともない。
あまりにひどい仕打ちをされると、そいつの悪口の一つでもいって
やろうと思うかもしれない。でも、やられたらやり返すじゃ、戦争と同じ。
『海のなかで満足している魚には、陸に上がることを決めた魚の気持ちは
わかるはずがない』
陸地に住む生物の祖先は海の生物だという。陸という異世界に最初に
飛び込んだ魚の勇気に感嘆する。その魚は、おそらく「元気があった」
「夢があった」「常識からハミ出ていた」すごい奴だ。
人間界でも、こういう奴が社会を動かしていく。常識をわかっていながら
常識を破ろうとする奴がもっと出てくれば、この国ももっと元気になるんじゃ
ないか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人生においていいことはいい、悪いことは悪いと自分の経験を踏まえて語っている1冊。時折、猪木氏らしい部分が垣間見えて突っ込みをいれたくなることもありますが、それが重たさを和らいでくれます。
人生や将来について悩んだ時、力強くかつ優しく心に語りかけてくれます。 中学生向け <グチぞー> -
『元気ですかーっ!
元気があれば何でもできる』
アントニオ猪木がいつも言う言葉だ。
子供の頃、猪木のことは好きでなかった。
今も少し引いてしまうところがある。
しかしこの言葉、大人になって真実だと思っている。
この本には人生にとって教訓となるようなことが多く語られている。
ただ、少し格好良すぎて受け入れられない人もいるかもしれない。
そんなことはわかっているけど、それができないんだよ、みたいな。
例えば、次の言葉、最高だと思う。
「君が笑えば世界が笑う」(22頁)
その他、あまり聞かない話として、「首をいつも柔軟に保て」というのが興味深かった(205頁参照)。