- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784767810447
作品紹介・あらすじ
なぜ、宇宙は存在しているのでしょうか?なぜ、私たちは存在しているのでしょうか?私たちはいったい何者なのでしょうか?私たちと宇宙を支配する究極の理論とは何なのでしょうか?3000年以上にもわたり人類が探求してきたグランドデザイン-宇宙の偉大な設計図-を最新のアプローチにより提示。世界的ベストセラー『ホーキング、宇宙を語る』『ホーキング、未来を語る』に続く、9年ぶりの最新理論。
感想・レビュー・書評
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ホーキング博士が、古来から科学の法則や宇宙モデルを構築してきた科学者達と、その内容について説明した本。内容はかなり難しく、前提知識がないと全く分からないと思われる。(私もほぼ分からなかった)
地球を球体と考え、その長さを測定したエラトステネス、2000年以上前に太陽中心説(地動説)を唱えていたアリスタルコス、その他アルキメデスやピタゴラスなど、古代ギリシャの時代から驚くべき精度で観測や計算がなされていたことに大変驚いた。
また、ガリレオやニュートン、アインシュタインにしても、驚くべき思考能力と想像力をもってしてモデルを組み立てていたことが分かる。1000年以上も自明とされてきた理論を覆すことは、常人にできることではない。情報の限られた昔であればなおさらである。
彼らは、従来の常識を疑い、疑問を持ち、探求し続け、新たにモデル化することをやり遂げた。ガリレオにしても、異端尋問で有罪を言い渡されても主張を変えなかった。純粋に科学に向き合ったその姿勢には敬服する。また、
宇宙に関して言えば、アインシュタインの理論でビッグバン以降の宇宙の変遷は説明できるが、ビッグバンが何故起こったかという「特異点」までは説明ができないということだった。宇宙は当初極小かつ高温、高密度の点だったようだが、何故そのような点が出現したのか、その理由についてはまだ謎が多いようである。 -
『宇宙で面白いのは、「物理」がシンプルであるのに対して、「化学」が複雑であること。』
相対性理論を含めた古典物理学、量子力学を平易に解説した上で、万物に適用しうる普遍法則は存在するのか?という命題に体当たりしている。M理論を支持する技術的な根拠だけでなく、自身の哲学観も交えて語っているため、非常に読みやすく、「神は”なぜ”宇宙をつくったのか?」という大衆的な終局地にも違和感なく不時着している。あとがきで「偉大な設計図」に触れて本と宇宙を対比させている点もまさに慧眼であり、そこらの宗教チックな宇宙本との歴然たる格差を実感せずにはいられない。 -
ほとんど物理学の本です。
「ライフゲーム」「M理論」は読んでも理解不能。
何も無いところから宇宙が出来たということは印象的でした。
印象に残った文章
⒈ 現在の観測データによると、ビックバンはおよそ137億年前に起こった
⒉ M理論はアインシュタインが夢見ていた統一理論です。
⒊ 物理法則も空間の次元も異なる宇宙は無数にあり、私たちの住む宇宙はその1つに過ぎないこと、さらにその宇宙においても現在に至る歴史は、確定的な1つではなく無数に存在しているのだと説く。 -
一般読者向けに、宇宙についてわかりやすく説明してくれている本。最初のうちはわかりやすかったのだが、、本質的な部分にさしかかるとかなり難解に。。。哲学です。宇宙って、ビッグバンがあって、宇宙が膨張して星ができて我々が生まれて、、、なんていう確定的な歴史があるような単純な話でもないみたいね。いま我々がここでそのように認識していることから宇宙の歴史がそのようになるみたいな。全く理解できてませんが。間違ってたらごめんなさい。
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ホーキング博士の書物の中でもかなり読みやすい内容だと思った。個人的にはライフゲームの紹介について、知らなかった取り組みだったので非常に面白かった。
本文でも謝辞でも見せるように、非常にユーモアがあって世界中で愛されるホーキング博士の魅力がたっぷり詰まった作品だった -
わかり易い。
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難しい本だがなんとか読み終わった
宇宙の法則はエム理論と言う法則で説明できる
神が宇宙を作ったとか言ったことではなく法則で結論づけられる
また宇宙は無数に存在しており、今ある宇宙を見れるのは人間が観測しているから宇宙を見ることができる
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初ホーキング。
最初の2、3章は、文系頭にも案外すんなり入ってくる分かりやすさで、量子論に話が及んでも理屈は分からないまでもイメージはなんとなくできたのですが、ファインマンやアインシュタインが出てきたあたりで怪しくなってきて、M理論やひも理論などと言われるともうちんぷんかんぷん。
後半は、ほぼ字面を追っているだけになって、結局のところ書いてあることの1割くらいしか理解できなかったな…という感じ。
まあでも、ホーキング博士の云わんとしていることも、何となーくですがぼんやりとは伝わってくるんですよね。
特に、「<a href="http://images.google.com/webhp?hl=ja#hl=ja&source=hp&biw=1227&bih=855&q=%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB%E4%BE%9D%E5%AD%98%E5%AE%9F%E5%9C%A8%E8%AB%96&aq=f&aqi=g1&aql=&oq=&fp=e6d2dace7c77433">モデル依存実在論</a>」って考え方は面白いな、と思いました。
あるモデルが観測結果をよく説明するのであれば、そのモデルの真偽は問題にはならない、という考え方。
いったい「実在」とは何であるのか、根本を揺さぶられます。
なんと哲学的。
宇宙論においても「トップダウン的アプローチ」が是とされます。
宇宙の起源に明確な初期条件を定義せず、現在から過去に向かって宇宙の歴史を辿っていくアプローチ方法。
「どうあったか」よりも「どう説明できるか」を重要視する、真に「科学的」な態度ですね。
それにしても、宇宙の起源においては空間と時間の区別もない、なんて言われちゃうと、ただただすげえなと思うしかありません。
一時だけ震災のことも原発のことも忘れてしまいます。