「当たり前」をひっくり返す

著者 :
  • 現代書館
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768435694

作品紹介・あらすじ

精神病院をなくしたバザーリア(1924-1980:イタリア)、入所施設の論理を破壊しノーマライゼーション原理を唱えたニィリエ(1924-2006:スウェーデン)、教育の抑圧性を告発したフレイレ(1921-1997:ブラジル)。動乱の時代に社会に大きな影響を与えた3人を貫く「実践の楽観主義」の今日的意義。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。まさに自分はこうした認知の反転による、主体化に寄り添っていたいんだなと。広い意味で人は抑圧状態を強いられていて、その構造を紐解きながら、その人らしさ、その人たちらしさに依拠した生を支援したいのだと思う

    以下引用

    ポリフォニー的現実においては、語られている事柄は、新たな会話において意味を得る。語り合っている事柄についての新たな言葉が生まれるのである。語り合っている人たちは、自分の社会的意味や社会的アイデンティティをつくりだしているのである。それは、文脈が違えば異なったものになるのだ

    括弧にいれる=エポケー。判断中止。当たり前に常識的な判断を下している日常的な出来事のその判断を中止すること、当たり前や常識そのものを問いなおす力がある。

  • なんか読めない。なんだろう。またやってみよう。

  • OD(オープンダイアログ)の講習会などで飾らない人柄を拝見させていただいている著者であり、バザーリア、ODという言葉より購入、読了。まず表紙が内容を表していてよい。本書にて知的障害に関わったニイリエ、教育家のフレイレについて初めて知り、バザーリアとともに、この3人が同時代人であり、当時は非常識と思われていたが、今は「当たり前」となったことを、どの様に引っ繰り返してきたかをODの文脈で解き明かし、著者の言う「理性の悲観主義」から「実践の楽観主義」への転換、そしてそのためには、まず、自分自身が、自らの「内なる」抑圧者に支配されている現実、つまり「内面化された」二重性をいかに「意識化」できるかが問われていることを大きく認識し直された。私自身もまずは「実践の楽観主義」を始めようと勇気づけられた良い読書体験をさせていただきました。

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著者プロフィール

竹端寛(たけばた・ひろし):1975年京都市生まれ。兵庫県立大学環境人間学部准教授。専門は福祉社会学、社会福祉学。主著は『「当たり前」をひっくり返す―バザーリア・ニィリエ・フレイレが奏でた「革命」』、『権利擁護が支援を変えるーセルフアドボカシーから虐待防止まで』(共に現代書館)、『枠組み外しの旅ー「個性化」が変える福祉社会』(青灯社)、『家族は他人、じゃあどうする?』(現代書館)など。


「2023年 『ケアしケアされ、生きていく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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