現代ミリタリーのゲームチェンジャー 戦いのルールを変える兵器と戦術

著者 :
  • 潮書房光人新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784769816805

作品紹介・あらすじ

従来の軍事常識を一気に「時代遅れ」にし、戦闘の様相、さらには世界の軍事バランスすら一変させうる「ゲームチェンジャー」とは?現在研究中の最新テクノロジーからエポックまで詳細に分析、真の変革を生む技術の秘密を探る!

感想・レビュー・書評

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  • ミリタリー本の皮を被った組織論本。
    ルールに部分最適するのと違って、コンセプトを新たに打ち出し、味方を増やしてそれを採用させ、新たな技術(の組み合わせ)でそれを成し遂げるってのは大変だよね。でも大事だよね。前勤続行だけじゃ負けちゃうよね。(かといって、競争相手の劣化コピーだけでも負けちゃうね)と言うお話。

  • ゲームチェンジャーの思索のひとつとして

  • ゲームチェンジャーだなんだ騒ぐけど、そもそもそれって何なの?ってところから始まる。単に軍事に用いられるであろう最新の技術や兵器について紹介するのではなく、いかにゲームチェンジするのかを説いており、学ぶところ大である。
    新技術がなんでもゲームチェンジャーになるわけではなく、相手の得意なゲームではなく自分の得意なゲームのルールの上で相手を踊らせることができるかどうかが重要。なのでハードウェアではなくどういう戦いをするかというビジョン、CONOPSなどソフトウェア先行の考え方が求められる。
    また、ゲームチェンジャーの成功体験に固執して破滅してしまうこともあるので、成功にもニュートラルに自己を変革し続ける柔軟性が必要。
    そしてよそがやっているからと後追いをして劣化版を生み出す愚についても指摘している。例えばドローンをどこもやってる、うちもやらないとヤバい、ではなく、ドローンを使って何をするのかが検討されないといけない。
    上記のゲームチェンジャーに関する総論に加えて、今までに出てきたゲームチェンジャー等を紹介していて、これも面白い。例えば新たな戦闘空間を実現したものとして天文学と洋上航法、人工衛星や飛行機、潜水艦、サイバー、電磁波。
    戦略レベルで弾道ミサイル、核、鉄道、空母、洋上補給、無人化など。
    戦術レベルで戦車、舶用機関、対艦ミサイル、暗視装置、ステルス、保存食など。

  • 「戦うコンピュータ」をはじめとして、著者の本は本書を入れてこれまで4冊読んできたが、正直本書は知らない内容がなく、また特に目新しい知見もないため、いまいちかなと感じた。

    文章的には相変わらず読みやすいのであるが、これまでのどの技術や装備品がゲーム・チェンジャーであるかどうかの判断の話は、正直言ってもしょうがないというか、それを判断して何か有益な知見が得られるのかと感じざるを得なかった。

    ゲームチェンジャーの実現の必勝パターンはなく、著者も書いてあるとおり、CONOPSの検討と、それに基づく実現すべきものの明確化、そしてそれを実現できる技術、これら全てが組み合わさることが必要である。

    これが結論であるならば、わざわざ200ページ以上の文章を書く必要はなく、いくつかの事例を基に10数ページのコラムにまとめればよいと思われる。

    パターンは見いだせないにしても、折角色々な事例を調べたのであれば、ゲームチェンジャーを実現する参考にはならないにしても、こんな面白い逸話や議論がありましたという所を充実させれば、読み物としてもっと楽しめたと思われる。

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著者プロフィール

1999年春にマイクロソフト株式会社(当時)を退職して独立。当初はIT分野で、現在は航空・軍事・鉄道といった分野で著述活動を展開中。
『丸』『航空ファン』『JWings』『JShips』『新幹線EX』『軍事研究』『世界の艦船』などに寄稿しており、特にメカニズム解説や、センサー・指揮管制・情報通信などのシステム分野を得意とする。
著書に、本シリーズの『図解入門 最新 ミサイルがよ~くわかる本』のほか、『戦うコンピュータ(V)3』『現代ミリタリー・ロジスティクス入門』『現代ミリタリー・インテリジェンス入門』(いずれも潮書房光人社)などがある。
鉄道関連では『配線略図で広がる鉄の世界』(秀和システム)で、2010年3月に第35回交通図書賞一般部門・奨励賞を受賞。

「2019年 『図解入門 最新 空母がよ~くわかる本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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