- Amazon.co.jp ・本 (126ページ)
- / ISBN・EAN: 9784772613958
作品紹介・あらすじ
2018年ノルウェー文化省児童書賞 最優秀賞
2019年ボローニャ・ラガッツィ賞 優秀賞(ノンフィクションの部)
『THE GUARDIAN』の「The best children’s books of 2018 for all ages」企画にも選ばれ、
日本を含む22カ国で翻訳される注目の1冊
ノルウェー発! 民主主義を求め闘った女性たちの歴史を描いたコミック作品
19世紀、女性と男性とでは人生を送る条件がまったく違っていました。
女性は投票もできず、自分でお金を稼ぐこともできませんでした。自分の体を管理することはできませんでした。女性の体の決定権は父親にあり、結婚してからは夫がそれを引き継ぐのです──
解題:牟田和恵(大阪大学 ジェンダー論)
伊藤詩織さん(ジャーナリスト)推薦!
──この本で出会う女性たちと、彼女たちの言葉を、私は忘れることがないでしょう。
ミレニアル世代の私は、“自由”な環境で育ってきた。
自分が性暴力被害を経験するまでは、この社会に鎖が存在することにも、
その鎖に傷つけられてきたことにも、気づかなかった。気づきたくなかったのかもしれない。
鎖から放たれようと行動するのは容易なことではない。
けれど「言葉ではなく行動を」
あなたが動けば必ず波が生まれ、それはいずれ未来を動かす大波にもなる。
一人一人にそのパワーがある。
そうこの本は教えてくれる。──
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
女性の権利の歴史がよくまとまっていると思う。中学校で全員が読む本にならないかなと思う。やはり北欧は進んでいるんだな。とても羨ましい。こういう歴史だったら興味を持って学べたと思う。歴史ってどうも面白いと思えなかったんだけど、ほぼ男の自慢話って感じの歴史がクソつまらんのは当たり前だと思う。アンクル・トムの小屋って女性が書いてたんだなあ。それなのに女性参政権がなかったとか愚弄しすぎだろ。あとこういう本の絵を描けるチャンスに恵まれるにはやっぱいい芸大出てるのがいいんだろうねえ…
-
女性がじぶんらしく生きるために闘ってきた歴史を漫画で表現している。
そもそも、なぜ女性が政治に口を出してはいけない社会になったのかが疑問。
女性のなかから生まれ出て、おおくは乳を飲ませてもらい、さまざまな危険から守られてきた幼少期を、
男性はいつ軽視するようになるんだろう。
戦争で男性が駆り出されたのをキッカケに女性の働きぶりが認められたのは皮肉な結果。
『サフラジェット』は初めて知った活動で、現代に生きるわたしからしたら
"いくらなんでもそりゃやりすぎでしょ!"
でも、そこまでしないとダメなくらい追い詰められていたんだとおもうと苦しい。
ぼーっと生きてきて、わたしには制度を変えるという発想がない。
性差別、人種差別、宗教、人工妊娠中絶など、問題視して最初に行動を起こした皆さんに敬意を表する。
文字どおり命がけで戦った彼女たちの想い、平和的に繋げていこう(*´-`) -
女性が人間として自分の人生を生きること。
そんな当たり前のことを勝ち取るための闘いの歴史。
命をかけて、ときに暴力的にひたすらに求めた自由。
それはまだ道半ばだけれど。
行動あるのみ。まずは先人が血みどろで獲得した参政権を無駄にしないこと。
イラストも多く手に取りやすい。
映画『ハリエット』は観た。『未来を花束にして』も観たい。 -
図書館にて。
VERYで紹介されていたので借りてみた。
女性が、命を懸けて戦って権利を得てきたことに感銘を受けると共に、ぞっとした。
今も変わってないところがたくさんある。
女として生きるとは。考えさせられた。 -
日本での刊行は珍しいノルウェーのマンガである。
19世紀後半から現在まで、過去150年にわたる世界の歴史の中から、参政権をはじめとした人権を勝ち取るために闘ってきた女性たちの姿を描いている。
ただし、内容は欧米中心(一部は中東のイスラム国家が舞台)で、残念ながら、日本などアジアにおける女性たちの闘いは描かれていない。
アメリカにおける(女性たちにとっての)奴隷解放運動から説き起こされ、マララ・ユスフザイさんのノーベル平和賞受賞(2014年)までが取り上げられている。
また、同性愛差別に抗する闘いにも一章が割かれている。
英国における女性参政権を求めた「サフラジェット」の運動にも、大きくページを割いている。
サフラジェットについては、2015年の映画『未来を花束にして』(よい映画だった)にも印象的に描かれていた。あの映画でメリル・ストリープが演じたエメリン・パンクハーストも、本書の重要な登場人物の一人となる。
本作は、2018年ノルウェー文化省児童書ノンフィクション部門最優秀賞、2019年ボローニャ・ラガッツィ賞優秀賞(ノンフィクションの部)を受賞している。
フェミニズム史を大づかみに理解するための入門書として、とてもよくできている。
おもな対象読者は10代の少女だろうが、大人が読んでも、また男性が読んでも勉強になる。私も、本書で初めて知ったことが少なくない。
ただ、マンガとして面白いかといえば、ちょっと微妙。
コマ割りもされているし、セリフはスピーチ・バルーン(吹き出し)の中に描かれているから、マンガには違いない。だが、日本のマンガを読み慣れた目から見ると、動きに乏しくてかったるい。
マンガというより、「イラストをマンガ的に構成した作品」という印象なのだ(イラストとしての質は高いのだが)。
逆に言えば、動きの表現に関して、日本のマンガは世界に冠たる独自の進化を遂げているということだろう。 -
フェミニズムの歴史がすごくわかりやすい。
「言葉でなく行動を」
過激なやり方がいいとは思わないけど、とりあえず「未来を花束にして」を観てみよう。 -
いちばん簡単にわかる女性解放運動の歴史って感じだった。
参政権の歴史、避妊の歴史、などなど
この本で気になった人物とか運動をさらに深めていけばいいって感じ。 -
めちゃくちゃ面白く勉強になりました!
これノルウェーの児童書賞など世界での子供向けの本として出版されてる本。申し訳ないけど、日本ではまず大人が読んだほうが良さそうです。
世界の女性が自分の権利に気付き、行動してきた歴史が絵本として書かれてます。
今の日本は100年前のヨーロッパレベルです。
「行動しない人間は自分が鎖につながれていることにすら気づかない Those who do not move, do not notice their chains.」
ローザ・ルクセンブルク -
「言葉ではなく行動を」
彼女たちは過激だったのかもしれないけど、彼女たちが行動してくれたおかげで、今の私たちの生活がある。怒りが社会を変えた。今でも、女性(やマイノリティーたちも)が男性と平等とはまだまだ言えないと思う。現在の女性ももっと怒っていいのでは、と勇気付けてくれる本でした。