心を操る寄生生物 : 感情から文化・社会まで

  • インターシフト
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772695558

感想・レビュー・書評

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  • 私は40代で宗教が集団と感情を形成していることに気づき、50代では宗教といっても情報とアルゴリズムに還元できる事実に思い至った。だが、よもや寄生生物が宗教に関与しているとは夢にも思わなかった。文明論的には気候を重視する見方が常識となっているが(『情報社会のテロと祭祀 その悪の解析』倉前盛通、『新・悪の論理』倉前盛通)、その気候に適応しているのは動植物であり、動植物の生を支える細菌だ。
    https://sessendo.blogspot.com/2019/12/blog-post_38.html

  • 寄生生物がどのようにして人を含む動物の行動を操るのかを知ることができた。

    心と行動はどのように異なるのか、といったややこしい問題にはあまり触れていないのだが、タイトルと異なり「行動を操る」といった方が適切か。

    どちらにせよ、寄生生物は宿主の行動をコントロールして「自由」を奪う。これは宿主からして「自由が奪われている」と感じない場合が多い。

    人が持つ「偏見」は寄生生物への防衛手段であったり、それら防衛が現代の道徳や社会などに及ぼす影響などを知ることができた。
    「偏見」は生得的に誰もが持つ防衛手段であり、これまで身を守る手段として役立ってきたのは事実であり、その「偏見」がもたらす嫌悪感を捨てることは難しい、ということなのであれば、「自分は偏見がない」と主張することは一見「理性的」ではあっても、生得的な防衛手段を持たないことになるわけではなく、自己理解に欠けていることを宣言していることになる。その意味で「理性的ではない」ことになるのか。

    嫌われ昆虫「Gさん(仮名)」は自分も嫌いだ。でも寄生バチに背中に乗られて脳をやられてゾンビ化、ハチに操られたまま死にゆく一連の流れは読んでいて憐れみを感じた。

    なぜ嫌われ昆虫「G」に同情するかというと、我々ヒトにも気がつかないだけで「寄生生物による行動の操作」は確実に行われていて、その集合体が「現代の社会」に他ならないからだ。

    https://twitter.com/prigt23/status/1038763277520592898

  • レビュー省略

  • トキソプラズマが交通事故に遭いやすくしてるとか、法学論争まで発展しかねない問題になっているとか、まだまだ人間が解明できていないことが身近にあるという内容に、読みながら引き込まれました。
    読みながら人に受け売り話をしています。
    久しぶりのおすすめ本でした。

  • 寄生生物が昆虫や動物だけでなく、ヒトの心や行動にまで影響を与えているという説を詳細に解説した本。かなりショッキングな内容。特に猫の糞から人間に感染するトキソプラズマは人の恐怖心を低下させ、その結果のひとつして交通事故に会いやすくなる傾向があり、しかも一説には、世界人口の30%がトキソプラズマを脳に住まわせているとの事。コワッ!!

著者プロフィール

サイエンスライター。多くのメディアに科学記事を執筆し、数々の賞を受賞。
年間の最も優れた科学記事を掲載するアンソロジー
『ベスト・アメリカン・サイエンス・ライティング』にも選ばれている。

「2017年 『心を操る寄生生物』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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