- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784773086034
作品紹介・あらすじ
両親を亡くし、叔父達に虐げられていた優樹は家出し、同じように傷つき疲れ果てていた秀隆と出会う。その夜、互いの傷を癒すように寄り添い眠った。連れ戻され、叔父の取引先の老人の慰み者になるしかなくなった時、二人は再会する。従姉の婚約者として現れた秀隆は、投げやりになる優樹を慰め憤ってくれた。どうせ奪われるのなら…と、優樹は初めてを彼に捧げた。老人に嬲られる日々、秀隆との逢瀬を心の支えにしていた優樹。だが、その行動や言動に変化が現れ、次第に秀隆が分からなくなり-。
感想・レビュー・書評
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かわいらしく繊細な絵柄の小椋さんが、私にはこの作品には向いてないような気がしたのですが。
凌辱される主人公が痛々しく、だけど助ける彼は強そうに感じられなかった。…いや、みんな悪人に見えなかったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昔に読んだ『雪の断章(佐々木 丸美)』がBL版になったらこんな感じかと…なんとなくそう思いながら読んだ。
こっちは一応のハッピーエンドでしたけどね、すったもんだのあげく、ようやくお互いの思いが通い合った・・・ってところで終わっちゃったのでちょっと物足りなかったのよ。
でもきっとこの後は幸せなんだよね。うん。ならいいさ。 -
愛と復讐の物語。
両親が亡くなり、叔父の家に世話になっている優樹。しかし叔父の家での生活は厳しかった。家政婦のように扱われ、邪魔者扱い。しかし世話になっているのだからと精一杯我慢してがんばっていたが、叔父の会社の取引先についに優樹の身体を差し出すように要求され、我慢できずに逃げ出す。行く当てもお金もない優樹が公園で出会ったのはたった今、不本意にも愛していない女を抱いたという秀隆だった。お互いのつらさを埋めるため、一晩だけでいいから一緒にいて欲しいという秀隆と行く当てのない優樹は一緒に過ごす。これっきり縁のない人だと思っていたが、後日叔父の家に連れ戻された優樹の前に従姉の智美の婚約者として秀隆が現れて・・・・。
優樹が散々ひどい目に遭ってますが、ギリギリ最後の一線だけはちゃんと守られてるのがいかにもファンタジーだね!という感じではありますが、さすがにかわいそうな感じです。
そして、どんな苦しいときも秀隆のことを想って乗り越えていくんだけど、最後に秀隆にも裏切られてボロボロになって・・・というお話。
みんなに利用されるばっかりで自分を一番に愛してくれる人なんかいない・・・とどん底に落ちる結構ヘビーな話かな? -
話自体はありきたりの復讐もの。でも好きな設定はいくらでもウェルカム。いじめの描写がタイムリーなこともあって、あぁきっと無責任な親はこんななんだろうな、とBLから学びました。
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あとがきで「きっと騙されてくれる人が続出」と書かれていて同感しました…でも最近の小椋ムクセンセはかなりの痛みにも対応してる気がします。なのでイラストも結構合っていると思いました。
虐待の限りを尽くされ、悲惨な毎日を送っている高校生の優樹。かわいそうな身の上です。事故で両親を亡くし、叔父家族からこんなことがあっていいものかと思うほど理不尽なイジメを受けています。ベタに悲惨です。
王道昼ドラ風でもあり、性的な虐待もあるのでそれ以上でもあり。
耐えられず家出した優樹に手を差し伸べてくれたのは、秀隆という行きずりの男。親切という形の優しさだったのですが、それでも優樹は精神的に救われます。
そして後日、優樹は秀隆と衝撃的な再会を果たすことになるのです。
何から何まで痛い話です。ツッコミどころもいろいろあるのですが、とにかく優樹の置かれてる状況が悲惨。鬼畜な叔父の家族は許せません。
人身御供は酷かった。最後まではいかなくても、あれこれされて結局SM陵辱。
最後は優樹の身が危機一髪というところで、秀隆がタイミングよく救い出すのですが、あれも間に合わなかったら大変だよと突っ込みたくなること幾度かありました。銀行員を使った画策もハラハラさせられました。
優樹が悲惨な生活から逃れたものの、今度は秀隆の気持ちが信じられなくなってしまい、自分が汚れていると思い込んでいたのには泣けました。切なすぎです。
秀隆も報復することで溜飲を下げることはできただろうけど、今度は大切な者の信頼を裏切ることになって、新たな苦悩や葛藤が生まれてしまったのがとてもやりきれませんでした。
ただ、懲らしめ方の点で言えば智美が至上最低女だったので、もっと別の有効な方法がなかったかと、それ位じゃまだまだ生温い気がしました。
秀隆と優樹の気持ちが最後通じ合う場面に安堵です。救われる気分。
辛い話ではあるのに、なんか甘苦しいというか、胸にきゅーんとくるものがあるというか、意外にエロじゃなくて、心理的な部分での萌えが大量でした。嗜虐性を煽られましたね。
それに、隠れて愛し合うとか、利用されていたと懐疑的になる受の気持ちとか、気付いたら本気になってしまう攻、とかに弱いので。
エロ的には、陵辱がダメな方には不向きな描写もかなりありますが、秀隆と優樹の濡れ場は扇情的で、甘くて切なくて印象的です。 -
いとうさんの作品?と思う程小椋ムク先生の柔らかい挿絵と相俟って品のいいお話でした。
親を失って親戚に身を寄せいたぶられていた優樹。
五年も絶えてきたのに後一年で高校卒業という時に叔父から会社の為に取引先相手にお前の身体を差し出せと迫られて。
家を飛び出し所持金も数千円で路地で膝を抱えていた優樹に優しく声をかけてくれたのが弁護士の秀隆だった。
一晩の宿を提供してくれ当座にと数万のお金を置いていってくれた優しい秀隆に出会えた事で逃亡生活を送っていた優樹でしたがあえなく叔父に捕まり、年老いた好色の爺の慰み者になる日々。
年を取っていた為に最後までは出来なかったのが不幸中の幸い。
それも時間の問題でした。
そんなある日従兄妹の婚約者として叔父の家へ挨拶に来た男、彼があの秀隆だったのです。
心の支えにしてきた彼が智美の婚約者だと知りショックを受けた優樹が部屋へ引き取ろうとすると後を追ってきた秀隆に抱きしめられて。。。
俗物の叔父夫婦、我が儘で見栄っ張りの智美、そして曰くありげな弁護士秀隆。
劣悪な環境にも負けないでいる優樹の健気さに涙です☆
決して爽やかな内容ではありませんでしたが、小椋さんの描かれる優樹と秀隆が素敵でした♡