アウシュヴィッツ博物館案内

著者 :
  • 凱風社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784773629071

作品紹介・あらすじ

世界遺産のアウシュヴィッツ強制収容所(ポーランド国立アウシュヴィッツ・ミュージアム)を、同博物館唯一の日本人公式ガイドが紹介。巨大な殺人システムはいかにして生まれ、どのように運営されたのか。人類の「負」の遺産を丸ごと1冊にまとめました。

感想・レビュー・書評

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  • ☆○○○の訃報・火葬後の両親の姿・生涯最大の苦しみ・今まで何だったのか?生きる意味を考える事

    中西さん1966年神戸市生まれ
    国際青少年交流の家のスタッフ「ナカタニ君、どうして日本人がアウシュビッツに関心があるの?アジアにも戦争の歴史はあるのに」

    有刺鉄線に絡む格好で記念撮影するアジア系の若者 周囲から軽蔑の眼差しを浴びているのに気づかず、そうした無神経な態度で見学する姿と、当時のナチス親衛隊員のあっさりと割りきった行動は、自分とは直接関係ない人々への接し方という点で、僕にはダブって映る。

    オシフェエンチム 人口5万の小さな街 すぐ横のキリスト教会では結婚式(ユダヤ人犠牲者遺族、訪問者は驚く) 地元民のスーパー建設計画 町を貫くソワ川
    ポーランド南部 スロバキアとの国境 タトラ山脈

    ジプシー、 11Cイスラム系諸民族のインド侵入→インド北東部のロマ、移動しヨーロッパへ ジプシー、ツィガン、ツィゴイナー(よそ者、放浪者の意)

    アウシュビッツ第2収容所ビルケナウの特命労働隊 ガス室と焼却炉

    独ソ不可侵条約 ソ連もポーランド人将校4,000人殺害・カチンの森事件、シベリア連行
    1939年9月1日ナチスのポーランド侵攻
    1940年6月14日アウシュビッツへポーランドの政治犯が最初に収容
    1942年1月ユダヤ人計画の最終解決(絶滅計画) ビルケナウに4カ所(第2から第5クレマトリウム建設)

    戦後のポーランド 1998年 戦時中の市民虐殺、社会主義時代の国家犯罪を解明する国民記憶院 被害者であるポーランド人の犯罪を調査☆50年間の調査を行う・ソ連が存在した時代は調査できなかったからか?日本とは状況が異なる

    アウシュビッツ20ヘクタール ビルケナウ140ヘクタール 草刈りが大変 歴史を伝える場所であるが犠牲者のお墓でもある

  • 「負」の世界遺産「アウシュヴィッツ強制収容所」を完全ガイド。同博物館所蔵の貴重な記録写真65点をはじめ、多数の写真・図版・展示室見取図を駆使して、巨大な大量殺人施設の全体像を収載。ひとり旅のためのガイド付き。

    淡々と語られる,重い内容でした。

  • アウシュビッツ-ビルケナウ博物館(オシフィエンチム)に行く前に読んだ一冊。現地のツアーは英語で参加したけど本著で予習したおかげで十分すぎるほどよくわかった。虐殺の歴史は人類の歴史。理性と知恵を持つヒトが心を失うとここまでいけるのかと思った。元からこの手の歴史に詳しいわけではないので、何より驚いたのはユダヤ民が迫害された理由が少数移動民族でなんとなく受け入れられなかったことや政略的に悪者にされただけ(断種政策)ということ。フィクションの物語だとしても筋が通ってないだろと思ってしまった。自分の歳まだ若いので当時の感覚や気持ちを大して汲み取れないのが我ながら残念だけど忘れていい歴史じゃあないと感じた。

  • ナチスに関する本は何冊か読んだけれど、そういえばアウシュビッツ博物館に関する本は読んだことがなかった。この間テレビで日本人唯一の公式ガイドさんが出ていたけれど、きっとこの著者だったんだろうな。
    知らなかった事実がたくさん書かれていて、本当に恐ろしいことが正当化?されて行われていたんだと、読みながら怖くなった。でも、二度と起こさないために知っておかなければならないことでもあるなと思う。

  • 自分がここに行くので、紹介されて読んだ本。中谷さんにガイドを頼めれば一番いいとは思ったのですが、ご都合がつかないとのこと。その代替資料としては、博物館のガイドとして十分な内容をもっている(検証は、実際行ってみてからの評価になりますが)

  • 日本人唯一の公式ガイドをされている中谷さん著。
    今度現地に行くことになったので予習を兼ねて。

  • 8月にアウシュビッツ(本来の街の名前は オシフィエンチム。ナチスがこの地に収容所を建てた時、ドイツ語名としてつけた名がアウシュビッツ)・ビルケナウ強制収容所を訪れた時にガイドをお願いした中谷氏によって書かれた同博物館のガイド。
    前半は中谷氏がこの地でガイドをするに至る半生と、氏の生活や取材から感じた歴史観などが語られ、後半は写真も豊富に揃えて、アウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所の展示内容を当時の歴史的背景なども含めながら解説している。
    帰国した今この本を読んで、8月2日に訪れた収容所て見たものが蘇ってくる。それほどまでにこのガイドは丁寧に、そして、中谷氏の実際のガイドを聞いているかのように書かれている。
    出来れば、中程の写真集の部分だけでもカラー写真にして欲しかった。その点だけが惜しまれる。

  • 1991年にポーランドに移住し、国立アウシュヴィッツ・ミュージアムの公式通訳の資格を取得し、唯一の外国人公式ガイドとして活躍する著者の書いたアウシュヴィッツの入門書。


    どのような人々がナチス・ドイツによって収容され、どのくらいの人々が灰と化したのか、
    送られてきた収容者はまずどのような扱いをうけるのか、
    運よく死の選別から逃れた収容者がどのように1日を過ごしたのか、

    などアウシュヴィッツの基本的なことについてよくわかる。
    現地の空気に触れ、生存者や犠牲者の家族からの証言も盛り込まれていてよい。

    このような本は意外とすくないっぽいので貴重だと思います。
    写真がもう少し大きいとよかったです。

  • 著者は、アウシュビッツ博物館の公式ガイドの中谷剛さんです。

  • 難しい本だ。
    内容がわからないとかの難しさではなく
    考えさせられるんだけどその考えがうまく表現できない難しさ。

    テレビドラマの「白い巨塔」でこの博物館背景に撮影されているのを見たのが一番記憶に新しいかな。
    ふとこの本のタイトルを見かけたときその光景がまず浮かんだ。
    ここは博物館であり、墓地でもあり、厳粛にという著者の言葉が
    心に残りました。
    遠くなければ行って見たいんだけど日本人の訪問者はやっぱり
    少ないようです。(アジア全般)
    だからこそ貴重な写真がたくさん載っているので
    この本だけでもいいので読んでみては・・・

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