- Amazon.co.jp ・本 (55ページ)
- / ISBN・EAN: 9784773813142
作品紹介・あらすじ
多くの人に愛されたゴフスタインの名作、ついに復刊!
「会ったこともないあなたのためにこれを作ったのです。
どこかの誰かが、きっと気に入ってくれると信じて。」
両親が残した人形をつくる仕事を続けながら、ひとりで暮らす女の子ゴールディは、人形をつくるときいつも、森で拾った枝を使っています。それじゃないと「生きている」感じがしないからです。ただの人形、と友だちのオームスに笑われてもひとつひとつ心をこめて、ていねいに仕事をしています。そんなある日、お気に入りのお店で、ゴールディーはいままでに見たこともないほど美しいランプを見つけます。そして、すばらしい出会いをすることになるのです――
私が本の中で表現したいと思っていることは、自分が信じるすばらしい何かのために黙々と働く人の美しさと尊さです。そして、本はだれか人が書いたということを知って以来、私は本を書く人になりたいと思っていました。(ゴフスタイン)
すえもりブックスを主宰し、国際児童図書評議会(IBBY)の国際理事としても活躍した名編集者・末盛千枝子さん。「末盛千枝子ブックス」では、末盛さんが新しく企画・編集する絵本や著作を刊行するほか、末盛さんがかつて手がけた名作の復刊にも取り組んでいきます。「末盛千枝子ブックス」ホームページにて復刊リクエストを受け付けています。
www.jca.apc.org/gendai/contents/suemorichiekobooks/index.html
感想・レビュー・書評
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ゴフスタインの作品を読むと、シンプルなものだけが残る。ものづくりの原点に戻りたい時、いつもこの絵本を読んでいます。
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好きな場面は、ゴールディーがランプのある部屋を初めて「自分の居場所」だと感じるところ。
他人と違うものを好きでいることは、ときにしんどいけど、自分にとってかけがえのないものなら、絶対に手放してはいけない。 -
昔一度読んだことがあり、なんとか手に入れたかったのですが、絶版になっていたためかないませんでした。それが復刊!ありがたいことです。
絵本とは言うものの、文字数が多く、内容も大人向けかもしれません。それでも、世代を問わずたくさんの人にみて欲しい作品です。
芸術とはなんなのか。ある芸術に対し、その作品を作った人がいると言うこと。その人との心の価値観の共有…50ページほどの絵本ですが、深いメッセージが込められています。
本当に復刊してよかったです。 -
人形作りの仕事をする女の子ゴールディーのお話。ゴールディーが心をこめて作った「生きている」感じのする人形には誰もが魅了される。持ち手にとってはかけがえのない友だちになる。
志を同じくする芸術家との時を越えた邂逅。仕事の目的が明確になった瞬間の彼女のうれしそうな表情が印象的。彼女が手に入れたものは部屋の灯りと心の明かり。一緒にいなくとも、言葉を交わさなくとも、その人を想うその心が、ページの隙間からあざやかにあふれてくる。これから出会うあなた、まだ見ぬ友だちへとおくられる、丁寧にしたためられた手紙のような絵本。 -
仕事へのこだわり、製作している人形に対する愛情、手にする人たちへの思い。
自分がこれまで信じ進んだ道を再確認する姿を見て、こちらまで嬉しくなった。 -
「ねむたいひとたち」が気に入って、こちらの本も借りてみた。
こちらは大人が読んでも心に響く本だった。
価値観の違い。
自分が信じるものを信じ続けられたらいいけれど、他人に否定されるとグラついてしまう時もある。
もちろん色々なものから刺激を受けて価値観はどんどん変わっていくものだけど、できればポジティブに変化していきたい。 -
愛されるものを作る。それを誰がつくったかは受け手には正確には分からない。そのことの尊さ。陰ながら頑張っているからこそ伝わることがある。
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主人公:コールディー 若い女の子
舞台となる年代・地域:アメリカ、ちょっと昔?
主題:
対象年齢:10代〜
文章:絵本というより読み物
挿絵について:モノクロで丁寧な細い線の絵、穏やかな顔、丁寧に扱いたくなる
内容:人形を作って生計を立てるコールディー、慎ましやかに生活をしている。ある日美しい中国のランプを店で見かけ
特記:友人が勧めていた本、この本が好きな人は信頼できる、と思える。
魅力的な点:コールディーの心の揺れ、そしてその後の気持ちの変化が伝わる。絵も相まって美しいものに触れた心持ちになる本。祝福を感じる。