食べ物はこうして血となり肉となる ~ちょっと意外な体の中の食物動態~ (知りたい!サイエンス 62)
- 技術評論社 (2009年7月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774139265
作品紹介・あらすじ
野菜を食べると体によい。牛肉を食べると力が出る。食べ物を食べるだけで健康に影響を及ぼし気分にまで作用する。なんの変哲もない食べ物になぜそんなことができるのか?そんな不思議に迫るべく食べ物の体内動態をちょっと覗いてみよう。
感想・レビュー・書評
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まぁ
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CONTENTS:はじめに、第1章 食品のなかの天使と悪魔を「分子」で理解する、第2章 海の恵みは身体に何をしているのか? 第3章 動物性食品は身体に何をしているのか? 第4章 山の恵みは身体に何をしているのか? 第5章 嗜好品と発酵食品は身体に何をしているのか? 第6章 食品中の向精神作用性物質は身体に何をしているのか? 謝辞及び参考文献、索引
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世のなかには様々な食事療法があります。少し調べただけでもいっぱい出てきます。ダイエットも含めると、さらにいっぱいになります。しかしその多くの中から自分に合うものを探すのは困難です。自分に合ってると思って始めた食事療法が、結果として体調を崩す元になってしまったなんて話も良く耳にします。
私は鍼灸師としてそれらを比較して、実際にいくつかは自分でも試してみてその是非を確認し、中でも良かったものは患者さんにもお薦めしたりしています。しかしそれでもまだまだ分からないことだらけで、どれがいいのか研究の途上です。
そもそも食事は単体で摂ることのほうが少なく、複数の食材を、複数のメニューで摂ります。これらのものが身体の中でどのように影響し合って、ものによっては化学反応をしながら身体に吸収されていくわけですが、それら複雑な動きをすべて把握することは、想像するだけで困難であろうことは予想がつきます。それらの動きを把握するために、本書は「食品動態」というものを提案しています。これは、各栄養素が身体の中でどのような変化を受けながら身体に吸収されたり、その先でどのような影響を与えるかという動きを追っていくもの。本書はその観点からまとめられているので、食べたものがどうやって処理されていくのかを知ることができます。
図や表には化学式が出てきますが、生化学などが得意な人にとっては重宝すると思います。そういったことを知らない人にとっても、何かの参考にはなります。科学的な動きが起きているのだと言うことを感覚として理解できるので、いいかもしれません。また、科学論文が多数引用されていますので、よくありがちな著者の感覚だけで書いている食事療法本とは一線を引いており、その根拠をしっかりと知ることができます。
「食品動態」という概念がうまく表現されたかどうかは別として、食品がどのように身体の中で処理されていくのか、根本的なことを理解できる好著です。鍼灸師はとかく自分の感覚で、ある面では自分の趣味で自分の心棒する食事療法を薦めたりしますが(やたらと玄米を食べろと言ってみたり)、患者さんの身体を扱う職業の人間として、こういった科学的な知見を先ずはちゃんと知っておく必要があると思います。そういった意味でも、ボディワーカーにも読んでほしいし、一般の方にとっては、変な食事療法に引っかからないための一助になると思います。
『東洋医学・鍼灸を学ぼう!』内の書評はこちら
http://hariq-study.genpoudou.com/food/books_food16.html
本ブログ『本でもって』の書評はこちらから
http://genpou.jugem.jp/?eid=49 -
一つ一つ考えながらものを口にしていくことが本当に難しいものだということがよくわかる。
これが体に良いといっても他方からは良くないといわれたら何を口にすればよいのか悩んでしまう。しかし、無意識に口にしているものでも体にとってなんらかの意味があるものだと分かるだけでもおおいに考える余地が出てくる。
楽しく、おいしく食べられることに感謝!! -
請求記号・498.5/Na 資料ID・100054693
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