- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774515182
感想・レビュー・書評
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本を読むことの大切さ・素晴らしさを改めて実感させられた。
物語では浩平の過去と結びつく素敵な人間関係に涙した。書斎のすすめでは読書の意義や役割に共感できた。
特に、「書斎」は「心のお風呂」というフレーズに心が響いた。
大好きな本に囲まれて、長い人生をともに過ごしたいと思える本に沢山出会いたいと思わせてくれる一冊だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読み終わって、まだ胸がドキドキしています。
本好きの父に反抗し、ずっと本を遠ざけてきた浩平。
父の死をきっかけに、閉ざされた書斎の鍵を探して歩みだす――。
本には人生を変える力がある。
読書好きな人たちは皆、賛同するんじゃないでしょうか。
楽しいとき、辛いとき、迷ったとき、いつも本がそばにありました。
本がなかったらきっと、こんなに辛いのは私だけだ!と悲観的になっていただろうし、こんな生き方もあるのか!と視野を広めることもできなかった。
本書では改めて本の持つパワーを知らしめてくれます。そして、本には世界を変える力があると本気で信じる熱意に溢れていて、ドキドキせずにはいられません。
ところで本書には「書斎」が登場します。
書斎とは、心のお風呂。
雑念にまみれた心をリセットし、清めてくれる。
何も書斎じゃなくても、心の洗面台でも心のシャワールームでもいい。本の冊数が少なくても、心静かに自分と向き合える場所の意義を説いています。
私も手元に残している本はどれもこれも私に勇気をくれたり、力づけてくれる本ばかり。専用の部屋とまではいかなくても、お気に入りの本棚がやっぱり欲しい・・・という気持ちがふつふつと湧いてきます。
いろいろと心に残る箇所は多いのですが、語彙を増やすことは思考を巡らせる上でも五感で感じる情報を適切に脳で処理するにも欠かせないということにはとても同意しました。
「ウケる」「むかつく」だけで会話できちゃうような世界ってさみしい。そして、語彙が豊かな小説を読むたびに、著者の目を通した世界はなんて豊かに彩られているんだろうと感動します。感性を磨くためにも読書は有用。
しばらく読書スランプが続いていましたが、今はすっかり抜け出せました。限りある人生、なるべくたくさんの心を震わせる本と出会っていきたいものですね。
そして、"自分が幸せになることでしか救えない人がいる"というフレーズにもはっとさせられました。
手帳にもメモしておこう。
読書好きにはもちろん、本ってなにそれおいしいの?という人にもおすすめな1冊です。 -
初めて読むタイプの小説だった。
2055年が物語の舞台となっていて、デジタルコンテンツの普及により、紙の本を読む人がかなり珍しくなっているという設定。
主人公の前田浩平は父を病気で亡くす。紙で本を読み、自分の書斎を持っていた父は、書斎の鍵を『しかるべき人』に預けたという遺言を息子に残す。
まず目次を見てビックリ。一瞬理解出来なかった。
私自身も、図書館から借りて紙の本で読んでいたので、パラパラと本をめくっていると、「あーそういうことか…。」と。
主人公が自分の弱い部分と必死で向き合うところや、父が息子を想う気持ちなど、登場人物のキャラクターには共感出来たのだが、自己啓発的な要素が強く、すんなりと物語に没入出来なかった部分もあった。
もちろん、作者の仰っていることには粗方賛成だなと感じたし、新しく気付かされる内容も多かった。
文字のフォントや紙質などの細部まで、とてもこだわって1冊の本を作り上げているというのがよく分かり、本と本を読む人へのリスペクトをめちゃくちゃ感じた。 -
現代の人はどのくらい本を読んでいるだろうか?この「書斎の鍵」では、本を読む意味や大切さを教えてくれた。それも紙の本を読む意味である。心のケアをするために本があり、心を強くするためにも本がある。読む人と読まない人の人生はどちらが幸せかと聞かれてて、自信を持って前者だと答えられる理由付けをしてくれる本であった。
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人から勧められて読んだ本でした。
ストーリの中から受け取れるものも多かったが、『あとがき』が1番心に響き泣いてしまった。
読んでからしばらく経ってからの感想なので、正確には思い出せませんが、この作者は本を読むことで人生が本当に変わってそれを誰かに伝えることで幸せになって欲しいという想いから書かれたような気がしました。
この本を読んでから、わたしも、自分の書斎が欲しくなった。この本を読んでから半年程経ちますが、あれから年間1冊も読まなかった自分は16冊本を読みました。積む本もどんどん増えて、人生が豊かに、悩むときには相談相手に、手を取って一緒に冒険に出てくれる、そんな友達ができたような気持ちで過ごしています。
この本に感謝しています。
あとから自己啓発本だと知りました。
自己啓発本では味わえない気持ちをいただけた本だと思います。 -
定期的に読みたい本
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真っ黒の表紙の中央に、ゴールドの"鍵"、その下に白文字で『書斎の鍵 喜多川 泰』。
帯には、『自分が幸せになることでしか、救えない人生がある。』と、これまたインパクトのある大きな白文字が。 印象に残る本です。
簡単にまとめると、"読書のすすめ・書斎のすすめ"となるのでしょうが、それは、人生の幸不幸や生きがいにまで影響を及ぼす力を持っていると語っています。
『成功したから書斎を作ったのではなく、書斎が必要なほどたくさんの素晴らしい本と出会ったからこそ成功した』
『人生を決めるのは「才能」ではなく「習慣」』
『読書習慣で人生は劇的に変わる』
『本で出会った主人公が「生きる勇気」をくれる』
『知っている言葉が多いほど思考も深くなる』
等々
このブクログに、わたしなりの感想を綴ってきました。率直な感想なので、善し悪しを問うべきではないでしょう。
が、この本を読んで、わたし自身の力量の無さに、はっとさせられました。もっともっと知識を深め、心での読書をしたいと感じました。また、謙虚な気持ちで、本・著者と向き合いたいとも。
そんな前向きな気持ちにさせてくれた『書斎の鍵』は、わたしにとって文句なしの良書でした。