現代知識チートマニュアル (モーニングスターブックス)

著者 :
  • 新紀元社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784775314951

感想・レビュー・書評

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  • 異世界(特に中世などの過去)に転生したときに、持って行ったほうが良い現代知識を紹介している。「Dr. STONE」みたいな作品が代表的だ。

    本書は、異世界転生ライトノベルで現代知識チートものを書くときに、その現代知識の考証をサポートするという目的が掲げられている。最近は読者の目が肥えているので、下手な考証だと興をそがれてしまう恐れがあるのだ。そのために、辞書的に幅広い分野が紹介されている。また、科学分野にかぎらず政治学や経済学などの文系学問も含んでいる。それぞれの知識ごとに異世界での有用度がコメントされているのが特徴。内容は中学~高校までの知識をわかりやすく整理した感じである。大学レベルの知識をラノベに登場させても読者がついて行きづらいのだろう。でも、そういう知識でさえもをラノベのストーリーに載せてインストールしていくのも面白いと思う。

    よく似た本に『 宇宙戦艦ヤマト2199でわかる天文学』がある。こちらのほうがより専門的な内容を含む。

    学校で習う知識については、よく「社会に出たら使わない」と言われ、それと合わせて「学校の勉強より大切なものがある」とも言われる。しかし、学校で習うような知識は、本書で応用例を示しているように、異世界に転生したときに役に立つので、やっぱり真面目に習得しておいたほうがいいだろう。知識は「社会に出たら使わない」のではなく「知識を使わない事しかしていない」のだと思う。

    たとえ異世界に転生しなくても、現代社会の様々な仕組みや自然現象には学問的なバックグラウンドがある。それを知らなくても恩恵に浴することができるが、知っているといろいろなことが面白くなる。それに、疑似科学に騙されなくなるという効果もある。

  • 中世の世界観の異世界に転生・転移したときに現代知識を使ってチートするためのマニュアル
    帯の「そろそろ転送しそうな予感がしている人必読」が一番ウケた文章だな

    化学、物理学、農林水産業、医療、数学、政治、経済などについて、「俺つえー」するための詳細が書かれてある
    とはいうものの、色々なものの発展の歴史がわかってよい
    なんとなく知っていた事柄が「そういうことだったのか」と納得できるところもちらほら

    当時の技術力で再現できること、できないこと、何がネックになるのか等も書かれてあるので、それをカバーする設定を盛り込むのに役立つ


    「小説家になろう」の完結済み上位作品を大抵は読んでいるわけだけれども
    この知識はアレで使ってたなーとか、アレでやってたのは無理だったのかとか、なるほどこの手法でアプローチしてたのかとか、色々思い当たる

    創作のリアリティの裏付けにはいい資料だろうね
    この設定をどう利用して面白く伝えるかというのはまた別なんだけどね


    そう言えば、森博嗣がどっかで書いてたけど
    昔の時代に身一つで知識だけ持っていった場合、再現できるのは蒸気機関くらいまでと言ってたなぁ
    これを読むと、原理がわかっていて、当時の技術レベルを鑑みるとなるほどと思える



    現代人の知識や常識ってちゃんと理解しているならばかなりのレベルというのと同様に
    それを元に再現できるかと言われると、再現する過程の知識が足りなくてできないものがほとんどなのではなかろうか?
    例えば農業にしても、肥料は作れてもどんなどきに何をみてどうだったらどうすればいいのか、という判断基準がわからないと思う

    その他にも、どうやって同定するのか?というところ
    金属や化学合成するものとか、植物の種類とか
    現代っ子は切り身が海で泳いでいるとか揶揄されるように、「これは〇〇です」とわかっているものが前提なので、「どうやって見分けるか?」というのが一番のネックなのではなかろうか?

  • まぁまぁ。何ヶ所かで特定の作品に行きそうになるけど、回避してる。
    各知識は雑学レベルなので、この位で妥当かと。
    でも魚醤→ケチャップの流れが入ってないので、発酵調味料が、なんちゃってヨーロッパに無い事になってるが…
    計算機械も作れないかな?

  • 人類の進歩を追っていくような感じでとても興味深かった。石鹸すら作れなさそう。。

  • そもそも面白い内容ではないので、商品作物の栽培方法とか救急医療とか筆算での平方根計算とかの興味のない記事まで読み通すのは結構辛かった。異世界小説を書くつもりなら参考になるかも。

    最近Youtubeで「なろう系主人公はなぜ嫌われるか」の動画を見たが、たしかに一般人が異世界転生したとしても、コミュニケーションが取れない状況で、素手で何かをどうにかできる能力(格闘とか狩猟とか料理とか)がなければ即、奴隷にされるか面白半分に殺されて終了だろう。

    たしか「王家の紋章」で主人公が「古代文字を読める教育を受けている」「水のろ過方法を実践できる程度に覚えている」前提があり、なんとまあ都合のいい設定かと思ったが考えてみればそうでもしないと話は進まない。

    リアリティのある(少なくともリアリティを出そうとしている)設定を考えるのがいかに大変かがわかった。

  • 異世界に転生したときに現代科学の知識を利用してオレツエーできないかなと思って購入。

    結論だけど、無理そうかなと思った。
    現代科学技術はすげーわ。
    大学時代の生産技術の本とか読みなおそうかな。

  • 2017/08/04 初観測 チートと言うか、どんな技術がインパクト、波及効果が大きいのかというのを読んでみたい。実際にはどうかではなくて想像のであるのだろうが。もちろん、違う書き手が選べば違う結果になるだろう。

  • 空想科学読本とかシビライゼーションの攻略本みたいな趣がある。知識ごとに有用な転生先まで示してあるのが楽しい。

  • 科学知識だけでなく内政や農業にも手を出しているのがよい。身近なチート植物「竹」などが出てくるのも良い。ただ後半かなりダレ気味になるので、なろうを書く際の参考書としてはいいかもしれないが、雑学本として雑に消費するにはちょっと飽きてくる。

  • 今流行りの異世界トリップのお供に。現在社会の知識をどれだけ応用できるか、なかなか難しそうだと思った。創作で簡単に粉塵爆発とかやってるけど、やっぱりそんな簡単なものじゃないよね。でないとその辺でよく爆発してるはず。

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著者プロフィール

ソフトウェアエンジニアからゲームライターへ転じ、ゲーム作成に必要な様々な知識を元に、数多くの著作を持つ。主な著書に、『現代知識チートマニュアル』『ゲームシナリオのための戦闘・戦略事典』『図解 組織・結社』『魔導具事典』『幻想生物 西洋編』などがある。

「2019年 『シナリオのためのファンタジー事典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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