- Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
- / ISBN・EAN: 9784776201601
感想・レビュー・書評
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年末年始は新選組を楽しもうと思って一気読み。役者もドラマも分かっていても楽しめる。何より、参考文献も引きながら、史実により忠実に再現しようとしている小説である事や隊士一人一人の目線での描きは秀逸。満足感ある読書。
思想がない時勢が読めていないという不満と、口先だけで腹が座っていない覚悟がなく宗氏替えでフラフラする連中への不満が錯綜する。近藤や土方に対しては前者であり、結局、新選組が何を目指したのかは定まらない。時代がそうだったのだが、薩長に翻弄されながら、いや、幕府の意向にも振り回されながら志士としての人生が詰んでいく。行くも地獄引くも地獄の状況下、何に大義を見出すか、人間関係に悩まされながら死に場所を求める。
命が軽かったのではなく、それ以上に重いものがあった時代。また、慣習に盲目的に従い、前例主義では生きられない黒船迫る幕末。自分の頭で考え、自分の命を賭けての行動において、どうしようもなく、短絡的で義侠心もないような人物と、大義を貫く人間の違いがよくわかる。やっぱり、新選組は良い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分の周囲では好評で興味津々に購入だけはしていたものの、その分厚さによる若干の怯み(笑)と、他書にかまけてずっと先延ばしになっていました。やっと読めた・・・。早く読んどけばよかった(笑)。
始めの2Pほどで「面白い」「読みやすい」と感じました。10Pほどづつの細かい短編になっていて、しかも各短編ごとに主観(主人公)が変わるという一見読みにくそうな作り。にもかかわらず文章が非常に上手な上にちゃんと時系列になっているので混乱も盛り下がりもしません。ひとつの長編を色んな人物の視点になりながら読んでいく感じ。主観が変われば同じ人物や状況に対しての見方・考え方も都度変わるので、その度に読者側にも見える景色が変わるんです。一冊の内に世の理が見えるようでした。
個人的に土方さんと永倉さん贔屓なので、この二人のかっこよさは否が応でも悶絶もの(笑)。そして意外に良かったのがツンな斎藤さん。全体的に周囲を冷たく見ている一匹狼な人物として描かれていますが、時が進むにつれほんの少し人間らしい部分や新選組に対する思いが垣間見える瞬間があり、その度にきゅんきゅんさせられました(笑)。史実に関してもよく調べられているようで、そういう意味ではコアな新選組ファンも、また読みやすさでは一般の方々にもどちらにもオススメしたい小説です。これは『地虫鳴く』も俄然読みたくなりました! -
様々な人物の視点から描かれる、新撰組の始まりから終りまで。
群像劇を最大限に活かしたつくり。
私のイメージに反しないキャラクター。
まあ、順当という感じだった。
沖田の切なさ、土方のあがきと格好良さ。
時代に取り残され、滅び行くからこその輝き。
久しぶりの新撰組モノ。やっぱり好きなんだなあ。 -
数多くの新撰組の漫画、小説を読んだが一番素晴らしく隊員の個性や良さが書かれていた。土方さんの最後かっこよすぎる。最近注目の作家さんの木内さん、これからもよい作品をお願いします。
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木内さんこの時代のこのメンバーに乗り移って心読んでてそれを書いたと違うか、と思うぐらい心情がそれぞれ違っていて非常に楽しかった。
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恥ずかしながら新選組に関しては何も知らなかったけど、すごくおもしろくて一気に読めた。
文章もさらさらしてて、読みやすくてすき。
土方さんと斎藤さんがかっこいい。
最後の「記憶」は泣けた。