- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784776207108
感想・レビュー・書評
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第4章「円高ドル安・ユーロ安! どうなる?日本経済」
の立ち読みだけでもおすすめ!
4章 目次(一部省略)
●1ドル=360円の為替レートは、こうして決まった
●スミソニアン会議で1ドル=308円になったのは、暗殺が怖かったから
●異常だったプラザ合意後10年館の円高
●「ドル安」・「ユーロ安」の長期化で警戒すべきこと
●現在の円高を阻止する有効な手がない理由とは
●覚悟を決め、円高メリットを生かす道を探ることが大事
●円を海外でつかって円高メリットを享受する方法
●強い円を握りしめて、中小企業も海外に集団進出している
●国内空洞化を心配する必要はない!
●韓国や台湾の海外ビジネスから、日本企業が学ぶべきこと
●円高は日本全体のバランスシートで考えなければならない
●いまや「攻めの円高戦略」が求められている
●「強い円は日本の国益である」と宣言しよう!
●國の借金1000兆円の日本が”ギリシア”になる可能性はあるか
●家計の資産が大きい日本は、まだ金持ち国である
●消費税引き上げは、もはや避けられない!?
●日本は、戦後もっとも重大な局面を迎えている
●日本はフランス型の高福祉社会を目指すべきである
エピローグ
●日本強みは「○○」「○○」「○○」にある
●成長が期待できる分野で、規制緩和や自由化が遅れている
●農業を成長産業にするために舵を切れ
●日本人だけが、日本の将来に悲観的になっている詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
通貨の仕組みがよくわかる。ユーロ危機の謎解きができる。
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2013/02/02
予想は外れるということですかね。
まぁどーとでもとれるようにしか書かれていませんが。 -
場合によっては1ドル71〜72円程度の円高もあり得る。さらに2〜3年のうちに1ドル60円台に突入する恐れもあるとの見通しを変えていない。
アメリカのオフィス用物件の建設ピークだった07年の貸し出しの大半は12年以降に満期を迎える。借り換えが必要な額は1兆8000億ドルに達し、予断を許さない。
全世界の貿易取引額は年間3000兆円で、1日あたり8.2兆円。株式市場の取引高を10位まで合計すると3800兆円。外国為替市場の取引額は1日平均350兆円で、貿易取引額の40倍以上。 -
端的で面白かった。
アメリカ、ヨーロッパ、中国、インドの経済が悪化することを示す指標が出てきた時は、警戒!
今の円高は、アメリカ、ユーロの危機によるものだから、日本側は手の打ちようがない。
円高メリットを生かすには、円を日本の国外に出して使うこと。
=円でドルを買うこと
アメリカ、2008年~失われた10年、
ヨーロッパ、統合解体
中国、インドの時代へ
通貨はあと30年、無極化 -
わかりやすい。結論ありきとも思えるが、論を追って理解できる。
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書いてある事は結構普通の事でした。ただ、日本人が日本に対して最も悲観的になっている、日本の強みである「環境・安全・健康」をもっといかすべきとのコメントには賛成です。ないものに目をむけても幸せになりませんからね。
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弱い日本の強い円/佐々木融 同様、外為市場の仕組みについて勉強になった。全く本の内容とは関係ないけども、『融』とか『資』とか名前についてる人…私の周りには居ないなぁと思った。
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「ミスター円」榊原英資氏が著者である。
この本は、東日本大震災の後、1ドル70円台の「円高」が継続している時期に上梓された。
読む前からなんとなく陳腐な内容だろうという予感がしていたが、「ミスター円」が今をどうみているのか興味があったので、さっと読んでみようと思って買った。
榊原氏は「世界同時恐慌」に突入するだろうと述べている。断定的書き方はしていないところが、いかにも役人らしい。読んだあとで「突入する」といっていたのかそうでないのか読者はすぐ忘れてしまう。
・ユーロとドルは没落しもとには戻らない
・世界の中心が欧米からアジアに移っている
・円高はしばらく続き日本も恐慌が懸念される
などが述べられている。
恐慌の話から脱線しそうなところを「通貨で読み解く」ということで、牽強付会気味にかなりの紙幅がさかれているのは為替の話だ。榊原氏の書くものだからそうなるだろう。
榊原氏は自分たちがやっていたときの為替介入に比べて、今の政府の介入は幼稚だと言っている。たぶんそうなのだろうが、そういうのはいかにも年寄りくさい語り口になってしまう。榊原氏の「俺たちのほうが賢かった」という論に賛成するかしないかは別にして、当時、当事者たちがどのように考えて行動していたかが書かれているのは面白い。
すでに80円台に戻ってきた為替を背景に読むと、この本はちょっと不幸だったと思う。が、そのせいだけでなく陳腐な感じを否めない。書いてある内容は欧米からアジアへの経済の中心の移動の歴史的な意義に触れているとはいえ、その話は榊原氏のオリジナルではないし、通貨や経済について述べていることはやはり過去何十年もの間常識的だった理論で一貫している。
何かもう「この人は過去の人のなんだなあ」という印象が強い。役人系の人はやはりこの激動の時代、年をとればこうなってしまうのだろう。この本が良い例だが、過去偉かった人たちが、今起こっていることを評論するような本を出版しても、読者の著者に対する評価は下がってしまうだけだろう。そういう変化の時代になっているのだと感じる。
前向きな提言として「円高のメリットを生かして行く発想を」という論旨で最終章を切り出している。しかしその後に「日本はヨーロッパ型でいくのかアメリカ型でいくのか」という話がつづき、「さらに日本の強みは『環境』『安全』『健康』にある」という語りが続くのである。もうこの人が時代をリードする人ではないことがはっきりするだけだ。
辛辣な書き方をしてしまったが、内容はしごくまともで、面白いことも書いてあり、安くて軽い新書判であるので読む価値はある。しかし私には、「たしかにそう」でもあるが、それ以上の「何かの役に立つ」感じのしない、ただただ陳腐な印象だけが残った。 -
「ミスター円」の異名をとる元財務官僚が、世界同時恐慌の可能性について論じる、という趣旨の本。著者の歴史観によると、これからの10年~20年は、世界経済の中心がアメリカから中国・インドに移るための過渡期であり、全世界的な恐慌も含めた大混乱が起こる可能性はかなり高いそうである。もはやアメリカの復権は望めず、大局的にはドル安の傾向には歯止めがかからない、とも述べており、1ドル60円台の時代を見据えて、「攻めの円高戦略」を描くことが重要だとしている。為替相場に関しては、1ドル50円とか60円とか言う識者が多い割に、最近は円安傾向で1ドル80円をうかがう展開になっているけど、やっぱり長期的には円高になるのかね?今春にも勃発するであろう消費税政局の行方次第では、国債の金利上昇とセットで円安が一気に進行する可能性もあるから、一寸先は闇か…。