- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784776207160
感想・レビュー・書評
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【感想】
うーん
久しぶりのクソ駄作。
政治家や官僚が、いかに浮世離れした存在であるかがよくわかった。
こういう意味のない柔らかな交渉ばっかりしてるから、世に「忖度」というくだらないフレーズが生まれたんだろう。
勿論、参考になった箇所はいくつかあった。
が、思わず眉をひそめてしまうような箇所や、とにかく蛇足が多すぎて、、、
こんなにも読んでいて苦痛な一冊は久しぶりだ。
政治家は例外があるにしても、官僚というのは本当にトップクラスのキャリアを持った人間が就く職種のはずである。
勿論、スペックは普通のサラリーマンよりひと回りもふた回りも高いはずだ。
なのに何故、不祥事が相次いだり、バカなコメントを残すなど、こうも愚かになってしまうのか?(皆が皆そうではないが。)
そんな、官僚の愚かさが垣間見えるくらいレベルの低い一冊でした。
タイトルが名前負けしすぎているね。
【引用】
実際、仕事のできる人間は、上司が誰であろうと、相手に応じて説明の仕方を変えることにより、平然と成果を出す。
p20
・批判しない
・人の話に誠実な関心を寄せて聞く
・その人が好む話題を出す
・笑顔を忘れない
・わずかなことでも褒める、御礼を言う
p42
そもそも交渉事に発展しないように、事前に対立の芽をつぶしてしまうのが上策。
相手がぐうの音も出ないくらいに論理明快で胸のすく言葉を発するのが「良い交渉」ではない。
それでうまくいくケースは少なく、禍根が残ったり決別する可能性も十分にある。
p84
YES、NOという二者択一はひとまず保留にしておいて、議員の真意をよく推し量る必要がある。
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著者は京都大学を卒業して内閣府に入った秀才で、2011年より陸前高田市の副市長、2021年より掛川市長を務める政治家だ。本書は2012年の発刊。陸前高田市の副市長のときに書かれたものだが、市長ではなく副市長という肩書でこういった本を出版するのは珍しいのではないだろうか。露骨にいえば、どういう経緯で、またどういう目的で発刊されたのか分からない。
本書に「官僚は大きく分ければ政治家、自省庁、他省庁の三方に対して交渉を行う」とあり、官僚の特殊な交渉術から学ぶものがあるとは思っていなかったが、官僚の世界を垣間見ることはできた。
しかし、内部調整しかない官僚とは悲惨なものだと思った。政治家に説明し、ときにはその政治家も利用して財務省と交渉する。そこには最重要の顧客であるはずの国民はおらず、それは現場(顧客と接するところ)がないことを意味する。そして、現場を失った人の言葉は力を失う。その証拠に、本書は一体誰のために書かれたものかわからなかった。 -
仕事はすべて交渉事である。
仕事の中で、最も難しく、かつ最も面白い部分が、人との関わりである。
そのとおりだとは思う。思うけど、もっとスピードが必要ですよね。 -
交渉無しで上手くいくように関係を構築しておく
信頼を得ておき、世間話のように了承を得る
具体的なストーリーで説明する
相手を日頃から観察し、タイプに応じて説明の仕方を変える
完璧を目指さず、落とし所を探る
第三者を巻き込む
交渉が決裂したら困るのはどちらかを意識しておく
上司
立場に配慮し、聞きたいことから話す
論破しない。小さく譲歩しておく。
上司が仕事をしなくていいようにする。
部下
今一番の課題はなにかを尋ねる
ちょっと教えて下さい。
メールでの交渉は避ける
スピーチは型。サンドイッ式。
御礼、趣旨、御礼。
意思決定は論理的に、説明は情で。 -
相手に合わせて交渉の仕方を変える。
ダメな上司、ダメな部下への接し方。
メールでは交渉しない。対面→電話→メール。 -
仕事は全て交渉事だ。この考えは大事だと思う。
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キャリア官僚という経歴を活かしたビジネス書を量産している著者による「交渉術」をテーマにした本。上司から決裁を得るプロセスや部下に仕事を頼むプロセスなども含めた広い意味での「交渉」を対象としている。
交渉術の本としては、そんなに目新しい内容はなく、やや表層的な内容が多い気はしたが、ところどころ、キャリア官僚ならではのテクニックの紹介もあり、参考にはなった。例えば、「忙しい相手には1枚の「ポンチ絵」で説明する」、「よくできている決裁書は、その内容が簡潔であり、決裁書を読み進めるにしたがって、「概要→詳細」へと自然とブレークダウンして理解できるもの」「指示の意図が不明確な上司、言葉で伝えるのがうまくない上司に対しては、こちらが何度か負けながら、そのニーズをさぐっていく方法が有効」「部下に話しかける際には、「ちょっと教えてください」と言ってみる」「政治や行政にアプローチする前に、意見をまとめて成熟させる」といった内容である。「こんな人とは交渉したくない!」として、「名前を間違える人」「アポなしの人」「提案のない人」「きちんと準備のできていない人」「人の話を聞かない人」「独りよがりな提案をされる人」を挙げているのも興味深かった。
本書は、キャリア官僚の仕事の実態を知るうえでも有益であり、確かにハードな仕事をしているというのはわかるが、議員とのやりとりなど、すごく不毛なことに時間をかけているなという感想をもってしまった。また、議員のことを「わがままな顧客」といったり、国会議員への質問取りのやりとりを生々しく書いたり、こんなに赤裸々に書いちゃっていいのかなとも思った。そして、「更問」といった官僚独自の用語を説明もなくさも当然かのように使用するなど、著者のキャリア官僚としての高慢な一面が随所に感じられたのがちょっと鼻についた。 -
交渉に関する本で、ほぼ中央省庁や地方自治体の職員目線で書かれているため、ジャンルとしては珍しいと感じた。
内容自体は目新しいものは少なく、政治家と官僚とのやりとり、地方自治体と中央省庁とのやりとりなど、行政関連のエピソードが目を引いた。
レバレッジメモ
・「聞く」には技術より忍耐力。
・「この交渉が決裂して困るのはどちらか」を考える。こちらならBATNAを用意し、あちらならゆっくり比較検討できる。
・国会議員に名前を覚えてもらため、こまめにお礼挨拶、コミュニケーションチャネルを作っておく。
・挨拶のテンプレートはサンドイッチ式挨拶=お礼→行事について→お礼
・何かしたいなら、1.簡潔具体的に、2.どうしてほしいか、3.「あなただからできるんです」 -
上司を論破してはいけない!
霞が関の「交渉術」と言うか「仕事術」。仕事で「人との関わり」を避けて通ることは出来ない。裏を返せば「人との関わり(交渉)」が上手くなると、仕事が怖くなくなり、楽しくなり、ストレスが減る。交渉の基本は相手の興味を探ること。その上で、霞が関流の交渉術は、①交渉しないことこそ最善の道。②あたかも世間話をするかのように話す。③ストーリーで説明する。④相手に合わせる。⑤1枚のポンチ絵を使う。⑥落し所を探る。⑦第三者を巻き込む。⑧決裂して困るのはどちらか?を常に考える。 -
民間でも使えるという触れ込みだが、筆者は民間で働いていたわけでもなく、「民間ならこういう場面『だろう』」でしかないため、実際に役に立つかどうかは疑問が残る。
が、公務員にとってはなかなかの金言があった。
特に、交渉を楽しめるようになれば仕事は楽しくなる、といのはまさにその通りで、「交渉を楽しむ」は今年のテーマになった。がんばろう。
もう1つ、スピーチの「型」をつける、というのも勉強になった。スピーチも苦手なので、交渉と同じく、今後のテーマである。
こういう、進んで自らの道を開ける人というのは尊敬する。