マッチ箱日記

  • ビーエル出版
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感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784776406051

感想・レビュー・書評

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  • 人は「文字」を使わなくても素晴らしい思い出を残していく事ができる、というのを実感させてくれます。絵の雰囲気も色合いもお話にマッチしていていいです。楽しい思い出ばかりでなくても、その人の生きた証を雄弁に物語ってくれる日記です。(パイン)

  •  ひいおじいさんが、マッチ箱の日記のことをひ孫に語りかける。イタリアから移民としてアメリカへ。読み書きができなかったひいおじいさんは、文字で書き残す日記の変わりにマッチ箱に思い出を残していた。

  • ひいおじいさんが女の子に部屋の中にあるもの、どれでもお話をしてあげよう、さて女の子は何を選ぶかな、と。
    女の子が選んだのは箱。
    その中にはたくさんのマッチ箱が入っていた。
    昔、ひいおじいさんが文字が書けなくて読めなかったころ、その日のことが分かるようなものをマッチ箱に入れて日記にしていたのだった。
    その日の食事も満足に食べられないくらい貧しい生活をしていたとき、お腹が空いたときに口に入れていた生まれ故郷でたくさん取れたオリーブの種。
    お父さんがアメリカへ出稼ぎに行ったときのお父さんの写真。
    家族みんなでアメリカに移住したとき、船の床に落ちてたコイン。
    アメリカで仕事を求めて家族一緒になって転々としていたとき、いつどこにいたか分かるように新聞の日付と地名を切り取ったもの。
    学校へ行かせてもらい勉強したときのペン先。
    印刷所で働いたときの活版…。
    そうして、ひいおじいさんは本屋を開き、更には骨董屋を開いた。
    文字を読め、書けるようになってからは、マッチ箱の日記ではなく、他のことを日記代わりにした。
    前に読んだ本を読むとその本を前に読んだときのことを思い出せる。
    本が記録の代わりになるのだ。
    骨董品もそれぞれの前の持ち主の思い出がある。
    それはそれぞれの記憶なのだ、それを預かっているのだ、とひいおじいさんは言う。
    女の子は文字が書けるようになったら自分も日記をつけたくなる。
    そのときになったら日記を書けるように材料、そのときを思い出せるもの、を今から集めておくようにひいおじいさんは言うのだった。

    マッチ箱に現物を保存して日記代わりにする。
    思い出とするのではなく、日記とするというのが素敵。
    今ではマッチ箱はなかなか手に入らないし、危険という見方もあるけれど、いいな。

    ただ、本を読めば読んだときのことを思い出せるというのはちょっと信じられない。
    教科書の教材のようにじっくり時間を掛けて読んだものなら分かるけれども…。

  • 人の思い出は、大切なものですね・・・

  • イタリア移民の少年が、マッチ箱につめた思い出。
    かなり素敵な本。高学年の読み聞かせにもよさそう。

  • 移民の歴史。『種をまく人』とともにすすめたい。

  • ちょっと『アライバル』に似ている。
    『アライバル』はホロコーストや戦争から逃れてアメリカにやってきた人々をイメージさせるが、具体的には描かない。
    これは、はっきりとイタリア移民の歴史について書かれている。
    当時読み書きができなかった少年が、日記の代わりに、どこにでも捨てられていたマッチ箱に思い出の品物を入れていき、老いてからその思い出を曾孫に語るというスタイルが良い。
    ネオリアリズモの映画に貧しいイタリア庶民の生活が描かれていたし、「ゴッドファーザー」でもアメリカに行く前のシシリアでの生活が描かれていたが、まさにああいう人たちが、この本に描かれた人たちなんだな、と思った。
    当時のアメリカ人から見たら、言葉だけでなく見た目も服装もかなり違う上、単純な肉体労働しか仕事がなかったから、差別の対象になったこともしっかりと描かれている。
    曾孫はアメリカ人としてなに不自由なく生きているが、マッチ箱日記によって、自分のベースにこういう人びとの苦労があったことを心に刻むだろう。

    P・フライシュマンは『ウェズレーの国』が良かったが、これもいい作品。
    絵が緻密でリアルで美しく、文章と同等以上の仕事をしている。

  • 素敵な話ですが、、、ちょっと大人向けですね

  • 絵の色合い、おじいさんの表情がよかった。マッチ箱自体が、今では見なくなったので、そこにも郷愁を感じた。

  • マッチ箱にいろんなものを閉まっていくという題材がおもしろい。文章も好き。絵でかなり大人っぽい印象の本になってる。

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