まだなにかある(下)

  • 辰巳出版
3.35
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本棚登録 : 130
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784777815043

作品紹介・あらすじ

自分はなぜ「溺死」したのか…それを知る手がかりになりそうなのは、眠るたびに訪れる夢だけだった。世界が注目する作家が描く驚異の物語。読者を最後の最後まで翻弄しつづける、予測不能なボーダーレス・ノベル最新作!

感想・レビュー・書評

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  • ん-、結局なんだったんだ、この小説は。ぼくにはついていけませんでした。【2023年9月30日読了】

  • 冷たい海で溺死したセスは、気付けば幼少時に住んでいた家で目が覚める。しかし他には人は誰もおらず、家の中や町は何年も放置されていたように風化していた。これは夢なのか。それとも今までが夢だったのか。

    いきなり主人公の死から始まり、よくわからない世界で目覚める。世界設定もわからなければ、この物語が果たしてどんなジャンルのものかもわからず展開されていきます。
    眠りにつくと現れる過去の記憶。そこでは16歳の少年の様々な葛藤が出てきます。その部分だけでも、10代の心の揺れや脆さを描いたYA作品として成り立ちそうです。
    しかしそれは物語を構成する一部分に過ぎないのです。

    ファンタジーなのかミステリなのか死の世界を描いたものなのか、はたまた精神世界を描くことで青春の姿を描こうとしているのかと翻弄されながら読み進めていると、中盤でがらりと世界が変わるのです。今まで読んでいた世界がひっくり返るのですが、それで世界に光が射し全てが明らかになるわけではないのです。

    まだなにかある。そのタイトルが示すように、次から次へと驚愕と謎と闇が出てきます。もがいても抗っても、まだなにかあるのです。それは10代の心や日常を暗喩しているのかもしれません。抜け出せないかも知れない、飲み込まれるかもしれないなにか。
    それでもセスは進み考え決意します。そこには世界設定やジャンルを超えて、ひとりの少年の姿が描かれているのです。

  • はたしてセスが目覚めた世界は、どこなのか。どの世界が現実なのか。ひたひたと押し寄せる恐怖感がありながら、セスの真実も知りたいし救いもほしくて、どんどん読んでしまう。
    これは、SFなのか精神世界の話なのか。怖さと希望の残る読後感は、初めての感覚かもしれない。

    感想の書きにくい作品だった。

  • ホラー、サスペンス、ディストピアSF、青春もの……ジャンル分けが難しい不思議な話。色々なテイストが詰まっている分、人によっては冗長に感じる部分もあるかもしれない。自分の場合は、最後のアクション映画のような描写の連続に少し飽きてしまった。けれど、とくに前半は、ミステリアスな展開に引きこまれた。世界観は奇抜だけれど、ティーンエイジャーである主人公の痛みはリアルで胸に迫る。狭い世界と限られた登場人物の、独特の密度と緊迫感。ラストは、これで終わり?というあっけなさだけれど、色々その後を想像(期待)してしまうのも、タイトル通り作者の狙いなのだろう。作者の他の作品も読んでみたくなった。

  • 上巻でダレたのだが、下巻はそれよりは疾走感があった。

    しかし、彼らが陥った世界のロジックがあんまり馴染まず、何度か『え?どういうこと??』となってしまったのは、自分のこの物語への興味がさほどでなかったからだろうなぁと思う。
    正直、けっこう頑張って読み切ったレベル。

    それにしてもセスの秘密は、多感な時期にはきつかろう。
    日本のライトノベルでもこういう設定や展開ってあるのかな?
    外国書籍だからか、人種や境遇が多様で、それは興味深い。
    日本人しか出てこない本ばかりを読んでいたりするけど、世界はそうじゃないものね。

  • パトリック・ネスでこんなタイトル、怖すぎるわ…!
    海で溺れ死んだはずの少年が目覚めると、そこは昔住んでいた家。
    しかし家族も町の住人もおらず、町は荒廃している。
    次第に明らかになる世界の秘密…。
    容赦ない展開で、もうやめて…と言いたくなるのだけど、安易な甘さでは救われないような傷を持つ人に寄り添う作品なのだと思う。
    タイトルの意味が秀逸。
    ジャンルとしてはヤングアダルトで、表紙もそう思わせるものだが、広く読まれて欲しい小説だった。

  • (上巻の感想に関連して)もしカテゴライズするなら、ディストピア小説なのかなと思った。

    最初から最後まで予測のつかない展開で、次に何が起きるのかが気になり、ページをめくる手を止められなかった。

    ちょっと辛くて苦しく感じる部分もあったけれど、とても面白い作品だった。

    自分の内面をじっくりと静かに見つめている人じゃないとこういう作品は描けないんじゃなかろうか。

  • 下巻になると謎が解明されるような、されないようなもどかしさに。

    分かることもあるし分からないこともある。
    でもこれが生きていくってことなのかも。

  • なんなんですかー!?
    まさに「まだなにかある」ですよ!
    それぞれの辛い人生を生きてきた彼らの新しい人生が始まるのかもしれないけど、ここで終わりなんて……

  • 2015.07.27

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