- Amazon.co.jp ・マンガ (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778031169
作品紹介・あらすじ
96~98 年、週刊漫画アクション(双葉社)連載の未完長編を約10年振りに初単行本化。ゲイの作家カップルとその娘ヒナの、日本からヨーロッパにおよぶ逃避行。「疑似家族」三人の「旅」を通して、家族同士の距離感を独特の切り口で描いた意欲作。巻末には、現在最も注目される映画監督4人(タナダユキ・堀禎一・松尾スズキ・山下敦弘)の寄稿を収録。
感想・レビュー・書評
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長らくご無沙汰していた山田の内藤先生の作品を読んでしまうと、いろんなことがフラッシュバックしてしまって、この儚さ加減の描き方が好きなんだ、そもそも「儚さ」に僕はずっと魅惑されてきているんだ、なんてことに気付いたり。どん詰まりを颯爽と、ワケ知る由もない具合に、さらっと生きていきたいもんだ。エロスは重要なファクター。山田の内藤先生は本当に全然誰も辿り着いていないような境地にいるよなぁ、と。どこまでも深淵。(10/7/9)
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巻末、映画監督4人がそれぞれのラストシーンを書く、
という企画があったんだけど、
なんだ!お前ら!おしゃれか!コラボか!と。
おしゃれ気分の時はやまだないとを読めばよいのね、と学んだ。 -
孤独で残酷で狂おしくて愛しい。大好き!
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ぜんぜん想像できん家族生活。内容は、暗い。じとじとしている。読んでいて終わらないでいてほしーなと思ったら、終わったけど、終わらなかった。
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ヒナは、「私が前に進んでいるのは、誰かが私を背中から押しているからだろうか、それともこっちへおいでと手を引っ張っているからだろうか」と独り考えている。
勿論それは成長の話。
怠惰な長い流れのようでいるくせに、まるで完全に近いような幸福の煌きの瞬間の日々。それは点のようだから、止まっていたい止まっていたい、そこに止まっていたい、どうして止まっていられないんだろうという決して得られない望み。
読んだあと、そういう感覚のことを、ずっと考えている。
それでも、私は毎日、「ちょっと先」を楽しみにしているな、と思い、そうか、そういうのが生きていく力なのかと思う。
今度あそこに行きたい、今度あれを読みたい、今度あれを食べたい、今度あの人に会おう、そういうちょっとずつの先が、私を前に、前に。
もう私は無条件に、無邪気に「前」を夢見ることなど出来ない筈で、だってそうやって前に行けば行くほど、私は老いていくし、誰かや私の別離や死は近付くばかりだし、時折、流れていく河の中に突き刺さっている朽ちた木にしがみつくような気持ちで「ここに止まっていたいな」と思うのだけども、すぐまた「ここよりちょっと先」のことを楽しみにしてしまう。
前に。前に。
前に行くしかないから、せっかくなら楽しく、先へ、先へ。 -
血のつながらない家族のお話。なんか切ない。サグラダファミリア素敵・・
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本棚に入れ忘れてた。
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秘密を共有する三人は家族であり共犯者であり逃亡者でもある。出会いと別れを重ねる日々。孤独で残酷で狂おしくて愛しい旅。
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ラストが4人の作家に託されている。でも、それってどうなの?つまり、物語の結末が4種類用意されているわけだけれど、どれも、イマイチ。しかも、文章で書かれているので、物語のブツ切れ感は否めない。物語はここで終わるよ。そこから先は、こんな風に考えられるよ。という例として4種類が挙げられているというふうに取った方がいいのかなと思った。私はどう考えようか。
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なんて正しい終わらせ(ない)方。
ガウディの教会の、いまのように。
偽りであることはなんて本当なんだろう、
真実はなんて嘘なんだろう、
というように
それは家族、または生活。