- Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778314378
感想・レビュー・書評
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最近、友人が読んでたりで目にすることが多かったけど10年前に出版された本なのか。とても面白かった。ここ数年で人生は楽しむものだっていうような考えが分かるようになってきたけど、今読めてよかったな。通読して、私の日常がとても贅沢で幸福なものだと改めて気付かされ、じんわり涙してしまった。
分かりやすい語り口で、これまでの哲学者の議論受けて筆者が考察していく様を追体験できるようで、わくわくしながら読んでいた。自分だと素通りしてしまうような矛盾点にツッコミがどんどん入れられていて感動してしまった。笑
退屈は苦痛だと言うけれど、やはりそのような人間的な悩みを抱けることはとても贅沢なことだと思う。どんな状況でも苦悩はあるだろうけど、自分なりに精一杯立ち向かいたい。受け取ること味わうこと贅沢すること、すごくありきたりだけど自分を満たしていくことが上手にできるようになりたいなと思った。
「環世界」に関する話題はなんとなく自分で考えていたことがあったので、ぼんやりイメージしていたものをはっきり言語化してもらって眺め直すことができたのも面白かった。私が見ている世界とあなたが見ている世界が同じだなんて、思えなかったんだよなあ
最後の「傷と運命」では「<責任>の生成」で触れられていたような議論がでてきて嬉しくなった。 -
暇つぶしかどうかってのは、心動かすものに出会おうとする姿勢があるかどうかだろ、って思いながら読み進めていった。意外と同じ考えでちょっと嬉しい。記号や観念の受け取りである消費と、浪費の違いはハッとさせられる人も多いのでは。「広告は消費によって『個性的』になることを求める」っていうボードリヤールのパンチライン。個性的になりたい!と思って人と違うことをしようとする自分そのものやん!たしかに際限ないと思ってたけど!もともと個性があるんだから自分の色付けとして何かと向き合うのをやめてみる!心動かすものを受け取る気持ちだけ持って生きていくよ、うん。
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最後まで通読し、増補新版である付録の『傷と運命』でボロボロと泣いてしまいました。読んでよかった。
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退屈ということに人生で初めて向き合ったかもしれない。
特に印象的だったのは映画「ファイトクラブ」を題材にしたくだり。浪費と消費の部分だっただろうか。あらためて映画を見直し、タイラーダーデンの考えに魅了された。
第二形式で退屈を埋めようとするけれど、浪費ではなく消費しているから、満足は得られることはなく、延々と消費を繰り返してはまた退屈に陥ってしまう。
楽しみ、思考し、満足することがそこから逃れる一歩だということを強く実感した。
といいながら、今もスマホに続々と流れ込んでくる消費を促す広告やダイレクトメールに目を通し、消費へ消費へと意識を持っていかれてしまう自分がいる。
読む前と違うのは、スマホを見ながら「ああ、自分はまた消費しようとしている。これは違うぞ」と思うことができるようになってきたことか。
少しずつ、消費の世界から浪費の世界へ、楽しみと満足の世界へと移行できるようになれたらいい。
ファイトクラブを観るたびに、本著のことは思い出すだろう。実に名著である。 -
ハイデガー、ルソー、ドゥルーズ、ヘーゲル(コジェーヴ)、ボードリヤール、ユクスキュルなど、多くの哲学者や思想家の思考をまとめ上げて暇・退屈を論じた著作。
さまざまな思想を軽快な語り口で批判しつつ、それらを乗り越えた暇と退屈の倫理学を提示する叙述の明快さは哲学書とは思えないほどに本作品を読みやすくしている。
自分が退屈さをあまり感じることが無くなってからかなりの時間がたった気がするが、それは自分がある種の「楽しみ方の訓練」を日々の生活の中で意識して行い始めたからかもしれないと感じた。
哲学入門としても非常に良著だと思う -
再読。
初めて読んだ時よりも理解できて、面白く読めた。これからも何度も読み返したい本。
パンだけでなくバラももとめよう。素敵な言葉。まだ自分の中では、分かったつもりになっている感じがします。