ブスの本懐

著者 :
  • 太田出版
3.25
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本棚登録 : 593
感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778315474

感想・レビュー・書評

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  • このハゲーーー!!!
    薄毛業界がざわついたのも記憶に新しいところ、図書館で1年近く予約待ちした本書。


    YDB(やればできるブス)

    身持ちの悪そうな手を出しやすいブス

    みんな違ってみんなブス

    美人は3日で飽きるがブスは3日で慣れる」はブスが考えた言葉


    ブスという非常に毒性の強い言葉の暴力を逆手にとってブスを全方位から解剖しようという書。
    ありとあらゆる角度からブスの生態をバッサリ鮮やかな切り口で描写する。

    しかしブス(と称される本人)と、世の中のブスに対する認識のズレを鋭く指摘した社会学的見解も面白いのだ。

    「男性に向けられるブサイクと女性に向けられるブスは似て非なるもの。」

    「自分の容姿を自己評価する女はみんなブス」

    確かに男性に対しては言わない言葉である”ブス”
    男性に対する”ハゲ”もそうだが努力でどうにもならない部分に対して他人が揶揄するのはよくない、とは昨今のコンプライアンス界隈の流れだが、ここで言うブスの根本的な定義とは「努力すればある程度なんとかなりそうなのにその努力は一切合切放棄した」女性に対しての感がある。

    自虐も行き過ぎると見てる方は苦しくなるが、本書は真っ当なことを豊かな表現で(時に吹き出すので電車内は危険)連ねていてその文章、言葉選びには非常に素晴らしいセンスを感じる。男性には決して書けない(書かない)部分である事は間違いない。

  • カレー沢薫

  • 一見罵りの表現に見えるが、“逆転の発想”が秀逸である。
    言葉の言い回しがうまく、さくらももこが好きな人にはお勧めしたい。

  • 途中まで頑張って読もうとしたが、無理だったのであとはパラパラと流し読みしてやめた。読む意味ないし読む時間もったいない。

  • 著者が、読んでも何も残らないと書いているので、そこに言及するのは野暮ってものだろう。

  • ブスについて面白いおかしく書いてある。
    男には理解できない、女性の馴れ合いについても書いてあるため、「そういうことか」と気づかされることもある。
    が、それを知って大変だなと思いつつ、ウザさが増すのも事実である。

  • 言葉のチョイスにキレがあり、とてもテンポよく楽しんで読めた。著者が作中で何度か書いているように、内容があるかないかでいうと、まあ特にはないのだが、読んでいて「確かに」「そうなんだよな」「そういわれてみれば」という共感や気づきがあった。思ってはいても体裁もあって言えないようなことをはっきり言語化してくれ、すっきりする。最も語感が気に入った単語は「エレクトリカルブス」だった。意味は特にない。あくまで語感の問題である。

  • 本書を初めて見たとき、至る所にブスと書かれていて、なんて酷い本なんだろうと思ってしまった。ページをめくっても一言目から飛び出す「ブス」の文字。今まで生きてきてこんなにもブスの文字を見たのは、後にも先にも本書だけだろう。しかし、慣れとは怖いもので、本書を読み終えるころにはブスの文字を見てもなんとも思わず、むしろ「ブス」という言葉の背景が真っ白となってしまい、「ブスとはなんだろう?」という作者の意図した思惑にまんまとハマってしまった。なんとも恐ろしい一冊である。
    中身に関してはあまり書くことがない。なにせ読んでいるときは作者の容赦のないブス表現に抱腹絶倒の嵐であったが、いざ本を閉じてしまうとさっきまで読んでいたはずの内容が、スーっとどこかへ飛んで行ってしまうのである。内容を記憶できない本と書くと何だか神秘的に聞こえるが、辿り着いた先に待っているのがブスなのだからきっと誰も報われない。むしろ秘密を守る門番と間違えられそうな勢いである。
    何だかブスブスと書き過ぎたような気もするが、かくいう私もブサイクであるため大目に見ていただきたい。

  • 914.6

  •  タイトルからして大御所すぎる。
     自称ブスである(顔を確認してないが、おそらくブスに違いない)著者が、ブスについて語るのだが、容赦がなく、さらに音が心地よく、こんなにブスという単語を聞いて心が躍ることはなかった。読んでいて楽しい日本語である。
     そして、ブスについて語られすぎて、もう、ブスとは何なのかさっぱりわからなかった。意味がわからなくなる。この意味がないのに面白いっていうのは実はものすごいんじゃなかろうか。
     たぶん神。しかし世の中に居るすべてのブスの神である。
     己にも刺さるが書著者にも刺さるというあたり、ブスはやはり業が深い。

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著者プロフィール

時は2009年。モーニング(講談社)主催の漫画新人賞「MANGAOPEN」に本名・無題で応募し落選した作品が、カレー沢薫『クレムリン』(ともに本人命名 講談社)に変容を遂げ、月刊モーニング・ツー(講談社)でほぼ即連載となり、漫画家デビューを果たす。ほどなくコラム『負ける技術』(講談社)も連載となり、コラムニストとしてもデビューを果たす。以来、雑誌やウェブに連載超多数、本数未詳の大車輪で体力を使い果たす。最長不倒連載作品は開始以来すでに10年を超えた東京都写真美術館広報誌別冊「ニァイズ」。なお、本作『ひとりでしにたい』はコミックDAYS(講談社)にて、隔週日曜正午の更新時刻に「いいね!」数が爆増しTwitterのタイムラインが歓喜で満ちる好評連載中。第24回(2020年度)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。なので図書館とか一家に一冊とかそんな感じで置いていいお墨付きもありますよ。安心してお読みください!

「2023年 『ひとりでしにたい(6)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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