- Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
- / ISBN・EAN: 9784779115646
作品紹介・あらすじ
空前の大ヒットコミック『ドラゴンボール』(単行本の発行部数は日本国内で1億5200万部以上、全世界では3億5000万部を超える)。昨年からはデジタルリマスター再編集版としてテレビにも再登場し、いまだ衰えない人気を維持している。宮崎駿のアニメや『エヴァンゲリオン』などについてはサブカルに色気を見せる知識人の評論が数多く刊行されているが、なぜか『ドラゴンボール』は相手にされていない…。
しかし本当に『ドラゴンボール』は解説が不要の「見ればわかる」作品なのであろうか。ドラゴンボールの深層にある読者を中毒にしてしまう優れたマンガのテクニックと構造、そして孫悟空から人造人間などの登場するキャラクターを徹底的に解き明かす!!
感想・レビュー・書評
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「アタマ空っぽ」で読んでも面白いけれども、
そのアタマ空っぽの中に、「夢」だけでなく、「考察」も詰め込めます(笑)
「マンガ」が「学」になるのか?と疑問はありつつも、しっかりと見事に「学」として面白い考察が、「ドラゴンボール」を通じて分厚い本になっています。
内容は?
鳥山さんもこんなことを書かれると、どう言う反応を見せるか、です。
たとえば、「いきあたりばったり」「これからどうなってしまうんだ」という面白さから始まり、
キャラクターの群像を物語を通して考察したり。
また、『ドラゴンボールの資本論』といって、戦闘能力と資本主義社会の増大についても筆は及びます。
重い「テーマ」がなく、が単純に「わくわく」を増大させて楽しめる「ドラゴンボール」をこのような切り口から「楽しんで」みるのもいいかもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ドラゴンボール考察本でここまで大量かつ詳細に論じたものを私は知りません。
各キャラクターにも筆は及んでいますが、天下一武道会の司会者とかマイナーな連中もプロファイルして頂きたかった。 -
マンガといえば「鉄腕アトム」や「鉄人28号」をリアルタイムに読んでいたが、時期は1950年代後半だったように思える。
その後の「あしたのジョー」は1960年代だったろうか。マンガには、文字文化とはまた違った楽しみがある。
その時代時代の新しいマンガにはできるだけ目を通してはいたが、最近はよく理解できないマンガが増えてきたように思える。
これは、時代が進んだのか、それとも私の感性が摩滅したためなのか、どちらかなのだろう。
「ドラゴンボール」は、そのような旧人でもよく理解できる少年マンガらしいマンガであると思っていたが、本書は専門的にその内容をマジメに解析している。
なるほど、マンガの構造を分析すればこうなるのかと感心しつつも、読んでもあまり面白くはない。
やはりマンガは「分析」するものではなく、「読む」ものなのだと思った。 本書を読んでの成果は、また「ドラゴンボール」を全巻読みたくなったことだけかもしれない。