- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784779121005
作品紹介・あらすじ
ベラスケスは「画家の中の画家」と呼ばれ、スペイン王家の人たちは、
彼によって現代に生き生きと蘇っている。
また、「真実を描く画家」とも言われ、描かれた人物の内面に宿る思いや、
本人も気づかない個性までを、描き出すスペインを代表する画家だ。
本書は、画家としての歩みだけでなく、宮廷人としての「出世」の階段を昇り、王宮配室長になるまでの姿を追いながら、
単なる「宮廷画家」とは異なる相貌(歴史画・神話画・宗教画)にも
光を当てる楽しい読み物である。
236 頁(口絵4 頁、図版多数)!
感想・レビュー・書評
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私に美術への興味をもたせ、パスポートを作るきっかけを作ってくれた、ベラスケス。
西川和子さんの本は『スペイン宮廷画物語』『スペインフェリペ二世の生涯』につづいて三冊目。
彼女はとても面白くわかりやすく解説してくださるリケジョです。
現在スペイン史著述家。前は公務員との掛け持ちだったと思うけど。
ベラスケスについて初めて知ったことがたくさんあったし、絵についても今まで以上に興味を持ちました。
プラド美術館に行く前に、ぜひ読んでほしい本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ディエゴ・ベラスケスといえば、代表作『ラス・メニーナス』は世界三大絵画(※)の一つに数えられており、様々な美術書で西洋絵画の象徴であるかのように表紙を飾ることも多い。にも関わらず、日本でベラスケスの一般的知名度は低いように思われる。
ベラスケスに関する書籍の少ないこと!
そんな嘆きの中で見つけた本書、これは買うしかあるまい。
本書は、彼を取り巻く人物の紹介も取り入れながら、ベラスケスの生涯を辿る。宮廷画家としていかにその地位を登りつめたのか。結局、国王フェリペ四世のお気に入りだったから、というのが全てのようだ。とても順風満帆な人生に思える。
やはり、ベラスケス自身の言葉が残っていないせいか、彼の人となりを理解するまでには至らなかった。
様々な物議を醸す『ラス・メニーナス』だが、筆者なりの推論が書かれていて、それは「多忙を極めたベラスケスがやや省エネ(手抜き)で描いた。画布に何が描かれているかとかは実はあまり考えてない」というもの。あくまで、美術の専門家ではない筆者の独自の考えだが、絵の部屋が画家の勝手知ったるアトリエであるというのは初めて知った情報だ。しかしこれはともかく、全体的に筆者の勝手な想像とか「かもしれない」が多くて読み物としてはノイズであった。
ベラスケスの特徴は、神話画や宗教画であっても一見すると風俗画のように描くところ。また、劇的な場面そのものではなく、それを想起させる一歩手前の瞬間を描く。謎かけのような構図が面白いのだが、こんなひねくれた描き方をするとは、一体どんな人物だったのだろうと増々興味を惹かれる。
※世界三大絵画
・『ラス・メニーナス』ディエゴ・ベラスケス
・『モナリザ』レオナルド・ダ・ヴィンチ
・『夜警』レンブラント・ファン・レイン
・『オルガス伯の埋葬』エル・グレコ
いくつかの説があり、この4つのうち3つが選ばれるのだが、どの説でも『ラス・メニーナス』は必ず入る。 -
[図書館]
読了:2015/12/24
仕事帰りの新幹線でささっと読了。
ベラスケスの絵が(白黒だが)たくさん載っているのはいいけど、相変わらず語彙が貧弱だし、絵に対する考察も中野京子さんと比べたらいけないんだろうけど浅いなぁと感じる。
ベラスケスが「鏡の間」のために描いた4枚の神話画のうち、現存しない「アポロとマルシュアス」、「ヴィーナスとアドニス」、「キューピッドとプシュケ」見たかったなぁ。