- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784779126734
作品紹介・あらすじ
前著『プロ野球の誕生』に続く野球史本!
昭和11年、9〜10月、秋季リーグ戦開催!それは長期間の争覇戦
であり、初のペナントレースといえるものであった。
一方、満州では日中間の緊張は極度に高まっていた。全面的な軍事衝突
を予見する新聞紙面が暗い影を落としていた。
秋季リーグは、主に東京の新球場(上井草・洲崎)が舞台。
東京巨人軍対大阪タイガース、巨人の沢村の大活躍で洲崎は、
大いに盛り上がった!その最中に、もうひとつのプロ専用球場設置の
話が着々と進んでいた……「後楽園スタジアム」だ。
本書は、当時の新聞紙面も多数提示し、時代背景も明らかにして、
野球史とともに日本近代の歴史を辿るものである。
感想・レビュー・書評
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前作より読みやすく、職業野球(プロ野球)創設年を当時の新聞をメインとし、振り返る作品であった。その時代の庶民の暮らしや世相の流れが他の野球本より詳細に書かれていると感じ、読み手をその時代に連れて行ってくれ、当時の時代と共に野球を学べる興味深い作品。
筆者があとがきで書いてある「過去の断片を追体験することによって生じる興奮を読者と共有する」という目的はある程度、達成したのではあるまいかと考える。ある程度と書いた理由は、新聞をメインとしているため、表面的な情報になってしまい、どうしても没入するような興奮は得られ難いように思う。
注釈も登場ページごとにあり、読みやすさが向上している。
また、伝統の一戦のきっかけとなった昭和11年暮に洲崎球場で行われたタイガース対巨人軍の優勝決定戦であるが、太田俊明著「沢村栄治 裏切られたエース」に巨人軍目線ではあるが詳しく記されているので、そちらも読まれたらより一層の興奮を味わえると考える。筆者の次回作を楽しみにしています。詳細をみるコメント0件をすべて表示