親が75歳になったら読む本 子どもは、親の介護を引き受けなければならないのか

著者 :
  • 本の泉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784780703344

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  • チェック項目13箇所。「親には、いつまでも元気で、幸せな老後を送ってほしい」、子どもは、心底、そう願っていると確信しています、一方でその思いの底に、「できれば、介護はパスしたい……」という思いが見え隠れすることも事実です。高齢者の4人に1人は、ある段階からは「要介護状態」になって、周囲のサポートの手を必要となってくるのが現実だからです。親が介護になるかならないかは「ロシアンルーレット」だ、といってもよいくらいだ、と私は思っています、だからといって、「そうなったとき、なんとか考えますよ」では、あまりに場当たり的にすぎます。「親が元気な間の話し合い」は親の老後問題を考えるうえで、もっとも重要なことだと考えています、できれば、親も話し合いに加わり、親の本音も聞いておくとさらによいと思います。日本では長いこと、介護は家庭内で家族が行なうものだとされてきました、家族構成が大きく変わり、介護保険制度も整備された現在も、その意識はまだ根強く残っているようです。同居家族がいる場合はさらに細やかな気づかいが必要です、つい、「同居しているのだから、介護を引き受けるのは当たり前」という態度をとりがちですが、同居と介護を引き受けることはまったく別問題だと考えるぐらいでちょうどよいはずです。「親よりも自分」ではなく、「親も、自分も」よりよい生き方を探る、これが、目指すべき介護のあり方ではないでしょうか。認定調査……家族の口添えがあればより正確を期すことができます、伝え忘れがあるといけないので、伝えるべき要点をメモしておくと万全でしょう、本人の前でいうと、プライドを傷つける懸念のあるようなこと(たとえば排泄の失敗など)は、メモにして添えるとよいと思います。変更申請……認定結果への不服が生じるのは、思ったより要介護度が軽いという場合がほとんど、友人・知人の話などとくらべて、「うちの親は、〇〇さんの親と同じくらいの状態なのに、要介護度が低い。おかしいじゃないか」といったことが多いようです、もちろん、同じようなレベルかどうかは、家族の受け止め方にもよりますし、認知症の場合などは症状の現れ方にもよるので、一概にはいえないものですが。ヘルパーへのおすそ分け……あげたほうが親切に世話をしてもらえるからということではなく、おたがい、事情がわかってくれば、こうした小さなやりとりは人間関係のうちと考えてよいのでは、と思っています。「今日ね、爪がきれいだってほめられた」などとよくいっていたもの、「すずめ、百まで踊り忘れず」、女はいくつになっても……という言葉を思い出したりしたものです。頭のいい人だった、しっかりものだった……というようなことと認知症の発症とは直接、関係はありません、重度の認知症になり、施設介護を受けている人のなかには、前歴を聞くと、大学教授とか弁護士など、いわゆる”頭脳労働者”も少なくないのです。カロリーのとりすぎ、肥満は脳の血管の動脈硬化を進める可能性があります。

  • 親に介護が必要になった場合、子が介護にあたることが人道的には正しいかもしれない。しかし、社会福祉制度、外部の介護サービスについて正しい知識を持ち、家族の状況に応じて合理的に判断することが求められる。
    自分の親だけでなく、社会全体として要介護の高齢者を多くかかえ、少数の若者が支えていくという日本の将来の構図への憂いも感じる。

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