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この作品からのみんなの引用
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ガキどもめ、とヘルは思った。誰がいい目にあうものか。どこに理想があるものか。世の中はこんなものだ。生きづらい。人間が全宇宙から嫌われているかのようだ。そこをまた、しつこく生きていくからいいんだ。
― 56ページ -
「描いたものだけが勝負ですよ」(略)「どんな苦労をしたとか時間がなかったとか他人がああ言ったからとか言い訳なんて通用しない。読み手は作品だけを見るのだから。だから、常に、作品にいちばんよかれと思う方法を選ばなきゃ。チャンスを嗅ぎ分けなけりゃ」
― 123ページ -
私たちはいま、マンガに取り憑かれたように、このやぼで、ちゃちで、人々が一笑に付し、軽蔑の目を向けるこのポンチ絵に、狂っているけど、それは本当に仕方のないことだ。私たちの遠い記憶が呼ぶのだから。二次元の世界から来た私たちにとって、この白い紙の平面は、まさにその故郷にあたるのだから。
その私たちに名称をつけるのだとしたら、まさに私たちは“マンガ原人”であるのです。
― 138ページ
みんなの感想・レビュー・書評
萩尾望都さんの宇宙はどこまで広がっているのだろう・・・と考えるとおそろしいです。
どれだけクールな文体でも、にじみでる情熱のせつなさに涙がでます。
萩尾望都の小説。
小説でも独特の世界観は変わらないのがすごい。「美しいの神の伝え」は創世記をここまで美しく幻想的に描くことができるのはさすが。
他の短編もクスリと笑えるものが多く、面白かった。
初めてモー様の小説を読みましたが、漫画と同じくいいです。
「美しの神の伝え」がやっぱりよかった。胸キュンだ。
まさかまさか、萩尾望都さんが小説を出していたとは知らなかった!
SF短編集である。奇想的な物語が、読者を楽しませてくれる。
中でも、中編作品である『美しの神の伝え』は、凄い。
年代記とも呼べる力作である。
漫画界の巨匠の書くSFと不思議な話。
言ってもやはり漫画家だし…と思った私が至りませんでした。
流石漫画であれだけの物語を描く巨匠です。小説を書いてもめちゃくちゃ上手いです。
上手いだけじゃなくて、『私の世界』がぎゅっと詰まった満足感とでもいいますか。
萩尾望都が好きな人ならやはりこれは好きでしょう。
短編は読みやすく浮遊感があり、長編は圧倒的なイメージで魅せる。流石です。
こんなのは書けないけど、漫画を読む時のあの異世界にイっちゃうその感じが私も共有できているのが嬉しいです。
萩尾望都の世界は文章になっても頑丈でした。
『「考えない、ということは、たくさん失ってしまうことだ」』(P.191)
SFって、本のジャンルの中で一番時代の波に流されそうなのに、不思議に色褪せないものが多いよなあ…。(私が有名なのしか読まないからかな?)
萩尾望都が小説を書いていたと言うことで、ちょっと興味本位で読んで見ましたが、うーん、この頃の萩尾望都は間違いなく天才だ。よくもこう設定を考え、物語を編み上げていくものだ。変に説明調ではなく、洗練されている。『愛』というのがずっと彼女のテーマだったと思うんだけど、こうして文章の形にしてもそれはやっぱり同じなんだね。どうしてこんなにいろんな形でそれを問えるのだろう。
ああ、彼女の絵がまぶたに浮かぶようだけれど、きっと本当に描かれたとしたらもっとずっと素敵で、滲み通るようなものになるんだろうな。
一番好きなのは、表題の『音楽の在りて』。なんか、鳥肌たった。
短編集と中編1編+漫画。小説も萩尾望都の漫画のような世界観でとても良かった。「美しの神の伝え」は人類創世?のSFで前半の独特の雰囲気はかなり面白かったのに、後半最後になるにつれ私には物足りない感がある。
「音楽の在りて」萩尾望都
叙情SF中短編集。灰白色、ワインレッド、クリアブルー、などなど。
@電子書籍 46 冊目。
実はこの方の漫画は読んだことなくて、『11人いる!』をずっと読みたいと思ってるんですが、先に小説集を読んでしまいました。順序が逆なのではないかと(笑)
非常に文学的な世界観で、さすが少女漫画?と思わせるような儚さを感じます。
でも、ファンタジーじゃないんだよなあ、やっぱりSFベースなんだよなあ、不思議ですが。
梨木香歩さんとかとは明確に違いますよね。
次こそは『11人いる!』を読もう!(3))
思えば、この人の場合、見えるのは常に後ろ姿だったよう気がする。 ラブコメ全盛の少女漫画界にあって、その王道ラブコメも描けば、一方でSFやファンタジーや吸血鬼や心理系も描く。2歩も3歩も先を行くこの人の背中を追いかけついて行くのがやっとで、それが誇らしく楽しかったのだ、読者は。 1977年〜91年の、短篇小説が12本と、漫画が1本。 最初の短篇「ヘルマロッド殺し」と、最後の漫画「左きき... 続きを読む »
萩尾望都センセイの漫画ではなくて、短編小説集。
しかし中身はマンガのシナリオを読んでいるかのよう、正にモト様的小宇宙が綺羅星の如くちりばめられた、至極の作品集。コトバで読む萩尾望都、いいですよ~♪ でも巻末にはしっかり漫画が1編入っているのでご安心あれ。
(おすすめスタッフ:中村公)
初めて著者の小説を読みました、
長編・短編・マンガも収録されていて
飽きずにどんどん読めました。
長編はちょっと読みずらい感じもあり
これはマンガで読みたかったなと思いました。
萩尾望都のSF小説短編集。1970年代後半に書かれたものが中心。
異星の古代遺跡で出土する楽器の音色に音楽家が思いを馳せる「音楽の在りて」とか、叙情的な想像力の豊かさに唸らされます。
そして、情景がマンガとして頭に浮かんできてしまう、マンガに映像的な文章表現力もさすがだと思いました。
著者の哲学観がモロに溢れ出る中編「美しの神の伝え」の読み応えもすごい。これはしかしマンガで読みたい。
「守り人たち」が一番好き。
SF短編集久しぶりに読みました。楽しかった。モー様は小説もお上手だったのね。
掌編、短編、中編と漫画が1本収録された作品集でした。
萩尾氏の作品は「トーマの心臓」しか読んだことはありませんでしたが、この作品集に収録されている作品はどれも「トーマの心臓」で感じた詩的で透明な空気感に包まれていて、画から文章になったその空気感は森博嗣の文章のようだと思い、本当に森博嗣は萩尾作品が大好きでその影響を少なからず受けていたのだなぁとこの作品を読んで思いました(森博嗣の詩的な作風が好きな人ならばこの作品も好きになるのではないかと思います)。
物語は基本はSFでしたが、ユーモアを織り交ぜた作品もあり中でも「守人たち」の展開は予想外で面白かったです(笑)。
文章も読みやすく、どの物語も美しい物語でした。
若い頃に書かれた小説なんですね。
漫画家さんは画力は勿論のこと、物語を生む能力や構成力その他諸々兼ね備えていなければならないので、尊敬してもし尽せない。
萩尾先生の作品を読めることは至福です。

【心に残ったフレーズ】





