国富論 (まんがで読破 97)

  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781606903

感想・レビュー・書評

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  • アダム・スミスは「近代経済学の父」と呼ばれているが、哲学者だけあって哲学的思想が根底にあるのだろう。
    重商主義を批判し、生産性を高める分業も「モノの値段」も
    利己心で成立する。
    利己心によって個人が利益を追求していった結果、社会的分業体制となり「見えざる手」によって価格が均衡していく。
    また、担うべき3つの国の役割が、(1)国防(2)司法(3)公共施設の整備(公共事業)という点には深く共感する。

  • 2020.35
    ・分業が進み、単純労働ばかりしてると、思考力、問題解決力、工夫して取り組む力が衰える。
    ・教育については市場原理から外し、公共事業で行うべきである。
    ・長期的に、建設的な努力が必要。

  • 19世紀ヨーロッパを筆頭に各地でおこった産業革命より、さまざまな商品があふれ飛躍的に人々の生活が豊かになった。しかし時代が進むにつれ、富は集約され、貧富の差は拡大するばかり。その根本原理とはなんなのか?また、我々がとるべき対応策とは…?現代経済学の基礎を築いたとされる世界的名著を漫画化。

    国富論の肝となる部分は、国の富についてと、神の見えざる手についての二つ。

    「国の富とはなんぞや?」という現代の経済学でも比較的ポピュラーな問題に対する、スミスの答えは、お金や交易力ではなく、生産力とその裏に隠れている労働力でした。つまり、国富とは生産力であり、生産力は労働人口によって支えられているという考え方であり、これが現在のGDPやマクロ経済学などの下地となります。

    もう一つの神の見えざる手とは、現代の経済学でいうところの、市場の自動調節機能のことです。これは倫理学者であるスミス(経済学の父は、後の世の人がつけた二つ名で、当時は倫理学の研究者)の、「利己心とは悪いものなのか?」という疑問についての、市場経済における、彼なりの解答の形です。
    すなわち、貨幣が神のように振る舞う市場経済の中においては、人々が自らの利己心に従って行動すれば、(高くて粗悪なものを大量に売りつけたい生産者と、安くて丈夫なものを必要な分だけ買いたい消費者の思惑がせめぎあった)結果として、最適の場所に、最適な商品が、最適な価格で、最適な数だけ配分されるという、(自然界で有効かどうか分からないという意味で)限定的な利己心の肯定を意味します。

    これは現代のミクロ経済学における、需要と供給のバランスによる、価格調節機能のオリジナルともいえる考え方

  • 工業化が進むと出てくる問題点は、この本の時点ですでにわかっていることばかり。しかし、現代に至るまで、解決したものはないような気がする。

  • アダムスミス作。
    教養が高まれば秩序が保てる。これも国家の役割である。

著者プロフィール

1723~1790年。英スコットランドの社会哲学者、政治経済学者。主著に『国富論』『道徳感情論』などがある。

「2023年 『国富論(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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