この地獄を生きるのだ うつ病、生活保護。死ねなかった私が「再生」するまで。

著者 :
  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781616087

作品紹介・あらすじ

普通に働いて、普通に生きたかった。その「普通」が、いかに手に入れるのが困難なものかを知った。ブラック企業で働き、心を病んで自殺未遂。失職、精神障害、親との軋轢、貧困、希死念慮。女一人、絶望と希望の記録。

感想・レビュー・書評

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  • 2019/06/13

  • 916
    闘病記文庫

  • 2冊目の小林エリコさんの本。

    うつ病から、生活保護を経て社会に復帰するまでの話。
    社会の一員として働けないことがどれだけ辛いのか痛いほど伝わる本だった。  

    そして、社会から隔絶された生活保護受給者に漬け込む人がいることに悲しくなった。

    誰でも、病気だったりやむを得ない事情で働けなくなることはありえる。生活保護は、本来人間が最低限度の生活を送るための保障なはずなのに、そのセイフティーネットが機能していないことは大きな問題だと思った。健康に働くためには、いざとゆうときのためのセイフティネットが心の安全になるのに、これではどんどん「弱者」にならないようにと、社会に我慢を強いられると、いつか爆発してしまうと思う。

  • 生活保護って人間の尊厳を奪っていくんだなと思いました。
    人間は一定の尊厳を持って、社会に必要とされることで生き延びられるのだなと思いました

  • 著者は俺と同い年。
    うつ病、自殺未遂、生活保護から立ち直るまでの物語。

    クリニックや役所の対応がにわかには信じられないほどひどくて呆れた。製薬会社との癒着や文書偽造。犯罪じゃないのか?

    著者は生活保護は権利なのだから困窮する人は受けてほしいと実体験から語る一方で、そこから抜け出し自活できるようになった自分を誇るという矛盾した記述に当事者のリアルな心境を見る思いがした。

    生活保護を現物支給したとしても受給者の抱える孤独の問題は解決されないとの指摘は説得力がある。労働は金を稼ぐためだけのものじゃなく人と関わる機会でもあり自尊心を得られる場でもある。

  • 理屈はわかってるんだけど、やはり当事者のお話って圧倒的な現実感だなあ、と。”何が必要とされているのか”が凄く明確に伝わる書き方なので、今後の支援に役立ててほしいとすごく思った。

  • 重い!
    メンタルヘルスで休職中の人は、まだ読まない方がいいかも。
    引っ張られる。

  • (2021-08-08 2h)

    この本を手に取るのは、生活保護に対してそこまで否定的じゃない層だと思う。知りたいのは著者の経験談。
    だからこそ、著者の「生活保護受給者は悪くないんだぞ!」という主張の繰り返しはしつこく感じてしまう。別に悪いとは言ってないし、体験したことを淡々と書いてほしい…。どういった読み手を想定して書くかという、執筆にあたって不可欠な面が欠けている。

    そういった主張強めな箇所を除けば、受給者の逼迫した状況や経験、そこからの脱却などメインの描写は良かった。

    人は働くことで社会から受容されていると感じ、そこから生きがいを見出す。他書でも多く語られていることだが、一度生活保護を受けた著者だからこそ見えた世界から語られるとより身に沁みて響く。

  • 生活保護を抜け出す、そのための方法が明確に提示されていないことなど、生活保護行政について垣間見えた。
    また、精神的な疾患で苦しむ人々にとって、生きづらい世の中は、やっぱり良くないと思った。どうすればよいかの具体策はすぐには思い浮かびませんが、、、。

  • 終始、語感が強い。というかセンセーショナルに文章を書く方なんだなと感じました。独白のように書かれているので、ずっと愚痴を聞いている気がします。
    読み終わって個人的に思ったのが、この方自身がその場の流れに身を任せるところがあるんじゃないかと。「だからダメなんだよ」とまでは言いませんが、この先もちょっと心配です。
    まぁ、なんだかんだ言っても「いろいろあったけど、よかったね」という感じの読後感でした。

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著者プロフィール

1977年茨城県生まれ。短大卒業後、エロ漫画雑誌の編集に携わるも自殺を図り退職、のちに精神障害者手帳を取得。デビュー作『この地獄を生きるのだ』(2017年、イースト・プレス)が話題を呼ぶ。『家族、捨ててもいいですか?』(2020年、大和書房)、『私がフェミニズムを知らなかった頃』(2021年、晶文社) など著書多数。

「2022年 『マイノリティだと思っていたらマジョリティだった件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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