この地獄を生きるのだ うつ病、生活保護。死ねなかった私が「再生」するまで。
- イースト・プレス (2017年12月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781616087
作品紹介・あらすじ
普通に働いて、普通に生きたかった。その「普通」が、いかに手に入れるのが困難なものかを知った。ブラック企業で働き、心を病んで自殺未遂。失職、精神障害、親との軋轢、貧困、希死念慮。女一人、絶望と希望の記録。
感想・レビュー・書評
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2019/06/13
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916
闘病記文庫 -
2冊目の小林エリコさんの本。
うつ病から、生活保護を経て社会に復帰するまでの話。
社会の一員として働けないことがどれだけ辛いのか痛いほど伝わる本だった。
そして、社会から隔絶された生活保護受給者に漬け込む人がいることに悲しくなった。
誰でも、病気だったりやむを得ない事情で働けなくなることはありえる。生活保護は、本来人間が最低限度の生活を送るための保障なはずなのに、そのセイフティーネットが機能していないことは大きな問題だと思った。健康に働くためには、いざとゆうときのためのセイフティネットが心の安全になるのに、これではどんどん「弱者」にならないようにと、社会に我慢を強いられると、いつか爆発してしまうと思う。
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生活保護って人間の尊厳を奪っていくんだなと思いました。
人間は一定の尊厳を持って、社会に必要とされることで生き延びられるのだなと思いました -
著者は俺と同い年。
うつ病、自殺未遂、生活保護から立ち直るまでの物語。
クリニックや役所の対応がにわかには信じられないほどひどくて呆れた。製薬会社との癒着や文書偽造。犯罪じゃないのか?
著者は生活保護は権利なのだから困窮する人は受けてほしいと実体験から語る一方で、そこから抜け出し自活できるようになった自分を誇るという矛盾した記述に当事者のリアルな心境を見る思いがした。
生活保護を現物支給したとしても受給者の抱える孤独の問題は解決されないとの指摘は説得力がある。労働は金を稼ぐためだけのものじゃなく人と関わる機会でもあり自尊心を得られる場でもある。 -
理屈はわかってるんだけど、やはり当事者のお話って圧倒的な現実感だなあ、と。”何が必要とされているのか”が凄く明確に伝わる書き方なので、今後の支援に役立ててほしいとすごく思った。
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重い!
メンタルヘルスで休職中の人は、まだ読まない方がいいかも。
引っ張られる。 -
生活保護を抜け出す、そのための方法が明確に提示されていないことなど、生活保護行政について垣間見えた。
また、精神的な疾患で苦しむ人々にとって、生きづらい世の中は、やっぱり良くないと思った。どうすればよいかの具体策はすぐには思い浮かびませんが、、、。 -
終始、語感が強い。というかセンセーショナルに文章を書く方なんだなと感じました。独白のように書かれているので、ずっと愚痴を聞いている気がします。
読み終わって個人的に思ったのが、この方自身がその場の流れに身を任せるところがあるんじゃないかと。「だからダメなんだよ」とまでは言いませんが、この先もちょっと心配です。
まぁ、なんだかんだ言っても「いろいろあったけど、よかったね」という感じの読後感でした。