脱法ドラッグの罠 (イースト新書) (イースト新書 40)

著者 :
  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781650401

作品紹介・あらすじ

二〇一四年七月、厚生労働省と警察庁により「危険ドラッグ」と名称を改められた脱法ドラッグ。街で容易に入手でき、事件・事故が相次いでいるが、法規制をくぐりぬけ、十数回モデルチェンジを繰り返し進化した脱法ハーブは、覚せい剤よりも危険だとされている。このドラッグが若者中心に中高年まで関心を惹きつけている主な理由の一つは、セックスでの快楽。問題を理解する鍵は、「脱法」という言葉にある。本書では、関連業者に取材を重ね、製造工場にまで潜入。初めて脱法ドラッグ問題の全貌を明らかにした、緊急書き下ろし出版。

感想・レビュー・書評

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  • 森鷹久『脱法ドラッグの罠』(イースト新書、2014年)は社会問題になっている脱法ドラッグ(脱法ハーブ)の問題に迫る書籍である。脱法ドラッグは幻覚や興奮作用がある化学物質を添加した薬物の総称である。脱法ドラッグは麻薬や覚せい剤以上に危険である。脱法ドラッグの反社会性が理解できる。
    脱法ドラッグは危険性を強調するために危険ドラッグと称されるようになったが、あえて脱法ドラッグという表現を使用した。違法でなければ何をやってもいいかという問題意識からである。脱法ドラッグは合法ドラッグ(合法ハーブ)と称して販売されているが、これも合法ならば何をやってもいいかという問題意識になる。
    著者の問題意識は正当である。住まいの分野では貧困ビジネスとして脱法ハウスが社会問題になっているが、これも「違法でなければ何をやってもいい」という貧しい心根がある。これはブラック企業を指南するブラック士業とも共通する(林田力『ブラック企業・ブラック士業』枕石堂)。危険ドラッグ業者も貧困ビジネスもブラック士業も強い非難に値する。「フェア(公正)であること」「卑怯なことはしない」という健全な倫理観が求められる。
    本書は危険ドラッグ吸引者の主要目的をセックスと分析する。性的欲求を解消するために危険ドラッグを利用する。まさに危険ドラッグは性獣を生み出す。危険ドラッグに頼らなければ楽しめない安っぽい人生に価値はない。正直なところ、誰にも迷惑をかけずに消えてほしい。
    危険ドラッグが著しく反社会的である理由は、危険ドラッグ吸引者の交通事故や犯罪など危険ドラッグと無関係な人を巻き込むことにある。それは危険ドラッグ性獣も変わらない。現実に危険ドラッグ犯罪者には全裸で暴れるという露出狂がいる。本書には出張型の性風俗の女の子が無理やり危険ドラッグを飲まされそうになり、泣きながら帰ってきたという記述もある。危険ドラッグは社会秩序を破壊する。
    薬物依存からは、価値あるものは何も生まれないし、価値ある行動は何も始まらない。はっきりしていることは、近寄りたくないという直感である。薬物に依存すると不協和音が鳴り響く。世界が歪んで見えてしまう。酷い嘔吐感が突き上げる。泥のように真っ黒な液体がぶちまけられる。血と肉が混ざった臭いがする。体が内部から腐っていく。

  • 怖いなー。
    普通の人が金儲けでやってるから
    ますます殺伐とした感じ。

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