作者さん的にバッドエンドが多いので、どうかなって思いましたけど、ソーニャ文庫っぽく、二人のためなら他はどうなってもいいって感じの歪んだ愛を楽しめました。
戦後すぐの岡山のど田舎で、最初主人公が村に向かうまでにおばさんたちがしゃべる「ぼっけぇ」とか「恐てぇ」で、角川ホラーの岩井志麻子さんの「ぼっけえ、きょうてえ」を思い出しました。方言のきつい田舎って、何かありそうって感じで期待が持てました。
着いた田舎の地主の当主の宗一は、最初から萌を厭っていましたけど、それは鬼の花嫁の最後を知っていたから。目や夢を通してストーカー並に萌を守り、村に来てしまった萌を村から出そうと、ひどい言葉を投げつけるけど、ほんとは自分が楽になるためにも萌を離したくない。そんな宗一の葛藤がなんともいえません。
萌も最初は宗一の言葉に傷つき、村を出ようとしますけど、村人に捕まって、宗一と閉じ込められてからは、一気にはじけてます。お話序盤は村の様子がただならない感じでエロシーンはほとんどないに等しいですけど、無意識に萌を求める宗一の姿は、イラストもあっていて、ドキドキしました。
また、後半閉じ込められてからのエロシーンは、変な道具などは使わず、普通にしてるんですけど、場所や二人の気持ちなどが入って、結構激しいです。
最後は村全体を壊していきますけど、二人さえよければ他の人はどうでもいいっていう感じで、鬼っていう設定に違和感を感じませんでした。
和ものでホラーっぽく、でもしっかりエロもあり。
楽しめました。