科学哲学 (哲学教科書シリーズ)

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  • 産業図書
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784782802045

作品紹介・あらすじ

本書は、科学哲学の諸問題を全般的に扱おうというのではなく、科学としてはとくに物理学を対象として、近代の物理学の形成と発展が喚起する様々な哲学的諸問題を紹介し、論じようというものである。

感想・レビュー・書評

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  • 140222 中央図書館
    物理学に特化した科学哲学の歴史的俯瞰。アリストテレスやマッハからクーン、ウィトゲンシュタインまで幅広い。

  • 科学の対象は、日常の生活世界の中で私たちのに知覚に与えられる現象そのものではなく、数学的・記号的に表現されるような自然現象の抽象的な属性だと著者は主張する。こうした立場から、マッハのような現象論的還元主義の立場や、観察言語と理論言語をはっきり区別することができないという洞察に依拠したクワインのホーリズムの立場、さらにはハンソンの観察の理論負荷性やクーンの科学理論の共約不可能性の主張に基づく相対主義に対して批判が展開される。

    本書は一貫して、著者自身の科学哲学上の立場である実在論の観点から、他の立場に対する批判が展開されており、その意味では必ずしもバランスの取れた科学哲学の入門書とは言い難いかもしれない。その一方で、デカルト自然学以降の西洋近代科学史に精通している著者だけあって、科学哲学的な理論的考察が一人歩きすることはなく、たえず西洋近代科学史のじっさいの歩みを参照しながら議論が進められている。こうした意味で、本書をきわめてバランスの取れた科学と哲学の解説書と評することも可能だと思う。

  • 疑似科学をやっつけるための基礎知識てんこ盛り。よくある批判とそれに対する反批判が盛り込まれているのがありがたい。物理学が産んだ知識の妥当性について重点的に説かれています。

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著者プロフィール

神奈川大学附属中・高等学校教諭。情報教育担当。NHK高校講座「社会と情報」番組講師。共著書に『情報教育と国際理解』(日本文教出版)などがある。

「2020年 『完全対策 NTTコミュニケーションズ インターネット検定 .com Master BASIC 問題+総まとめ 公式テキスト第4版対応』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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