戦国時代は何を残したか 民衆の平和・神仏への思い・自然開発

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  • 信濃毎日新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784784073665

作品紹介・あらすじ

戦乱の続く過酷な社会のなかでも、民衆は生きていた―。
人権のかけらもない人身売買や乱取り、人智を超える神仏との共存、繰り返す飢饉と疫病。著者は、そんな戦国時代こそが日本の大きな転換点だと主張する。
戦国時代を経て、社会はどのように変わったのか。現代の常識と戦国時代の常識の違いを明らかにしながら、戦国時代が今を生きる我々に残したものを探り、歴史学者が問いかける現代の課題を考える。

感想・レビュー・書評

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  • <目次>
    序にかえて
    第1章   モノとしての民衆
    第2章   戦乱からどう身を守るのか
    第3章   神仏との深い結びつき
    第4章   自然への畏怖の変化
    終章    現代に続く戦国時代の課題

    <内容>
    著者が一番伝えたかったのは終章。戦国時代の小説やドラマが、大名にシフトし、やたらと「美化」されていること。しかし、実際の戦国時代の我々「一般人」はどうだったのか?誰も知っていないし、書いても来なかったではないか?むろん、データが少なく、オミットされてきた部分はあるが、知るべきなのではないか?
    データを次々と並べたため、ちょっと読みにくいというか、面白みに欠ける。しかし、「人身売買」「飢饉」「神仏への願い」などがよくわかるし、「河原者」が忌避されていない実態や理由も理解できた。それにしても、自分への無実の「起請文」を書いても、7日間の参籠とその間に、身体から出血しないこと(蚊に食われたら?)、鼻血を出さないこと、飲食にむせないこと、病気にならないこと…厳しすぎない?
    古墳時代にあった「盟神探湯」が、中世に復活していること(「湯起請」や「火神判」など)も面白かった。なぜ?

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著者プロフィール

笹本正治(ささもと しょうじ)
1951年山梨県生まれ。博士(歴史学)。信州大学名誉教授。
1977年名古屋大学大学院文学研究科博士課程前期修了。1977年より名古屋大学文学部助手。1984年より信州大学人文学部助教授。1994年より信州大学教授。2009年より2015年まで信州大学副学長。2016年より長野県立歴史館館長。2021年より特別館長。

主な著書
『山岳信仰伝承と景観-虚空蔵山を中心に-』(岩田書店、2022年)、『歴史のなかの音-音がつなぐ日本人の感性-』(三弥井書店、2021年)、『戦国時代は何を残したか-民衆の平和・神仏への思い・自然開発-』(信濃毎日新聞社、2020年)、『鳴動する中世-怪音と地鳴りの中世史-』(吉川弘文館、2020年)など、著書多数。

「2022年 『土石流と水害 伝承・地名・防災』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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