- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784785315214
作品紹介・あらすじ
この本では、微積分の基本的定理の理解のために、証明を丁寧に書いている。定義、定理を説明するため、具体例や図も多く付けた。ε‐δを使う議論は、最初のうちは特に丁寧に説明している。
感想・レビュー・書評
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大学教養部程度の数学を学びたいと思い、この本を手に取った。
読本と銘打つだけあってあまり細かいところに拘らず一変数の微分積分の最初歩を概観させてくれるので勉強になった。
正直に白状すると、なんだかうまく丸め込まれたような気がしていて、自分の理解が大いに進んだとはとても言えないけれど、それは自分の方の理解力の問題だと思っている。
とにかく最後まで目を通せた、というのが今回の収穫である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2015年6月新着
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微積分の入門書。とてもよく書けている素晴らしい本だ。細かな証明のステップを丁寧に書こうとしており、そうしたところで躓きがちな人にはとても助かる。証明を細かく書くと分量が大きくなり、また記述の焦点がぼやけてしまいがち。この本はトピックを絞りつつも、中心的なものはしっかり扱っている。連続の概念や、指数関数・対数関数・三角関数・双曲線関数などよく使われる関数を紹介した後、微分に入る。合成関数の微分など微分の計算法を述べた後、テイラー展開を解説。ここのテイラー展開は特によく書けていると感じた。積分では積分が微分の逆操作になるという微積分の基本原理を述べた後、積分の計算方法。そしてテイラー展開の余剰項を積分で表す。最後にやや発展した話題として、複素数や関数の微積分を述べている。
気に入ったのは自然対数の底eの導入のところ。著者も書くようにeはlim_{n\to\omega}(1+1/n)^nとして普通は導入される(p.128f)が、本書はy=a^xのグラフのx=0での接線の勾配、すなわちx=0でのy=a^xの微分が1になるようなaとして導入している(p.124)。つまり、lim_{h\to0}(e^h-1)/h=1を満たすようなeとして定義している。そうすればde^x/dx=e^xとなるから、結局e^xは微分作用素の不動点となる。 -
証明が丁寧
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授業では扱えない厳密な説明や、授業内容に関連した歴史的な事項についての記述がある。
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すっきりとやさしく説明していますが、この程度の本の中ではかなり証明のレベルが高いです。
図や重要な例ものっていて参考になります。
ただ行間あるところはあるし、コンパクトや実数の記述はほぼないし、薄くて手軽さはいいが、時間があるならもっといい本があるでしょう。理論なら黒田氏の微分積分がやさしくておすすめ! -
こういう本を良書というのだろう。
高校から大学1年前期までの微積分を解説した読み物だが、
わからないまま丸暗記していた箇所や、ごく当たり前に思っていた箇所を
丁寧な証明をつけながら説明する。
とくに平均値の定理からロピタルの定理を導出する過程や、自然対数の底「e」の定義や意味、一様連続と一様収束の有用性など、目から鱗が落ちる記述が多かった。
ときおり微積分発展の歴史をおりまぜ、飽きさせない。
この本と通常の演習書があれば、微積分の基礎は十分習得できるはずだ。おすすめです。 -
少々厳密さにかけるが入門書としてはわかりやすい。
お世話になりました。