- Amazon.co.jp ・マンガ (211ページ)
- / ISBN・EAN: 9784785929671
感想・レビュー・書評
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とある人がさみだれの計画を知ることになる。あとは4巻から続く各キャラクターの掘り下げが引き続き行われる。全体を通してみると存在感の薄い巻かもしれない。
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朝日奈家の家庭事情が描かれたり、精霊アニマが初登場したりの第五巻。悩み苦しむ氷雨やさみだれに助言し、導こうとする主人公・夕日が格好いいことこの上ない。夕日の変化・成長が如実に感じ取れるはず。
そりゃさみだれも惚れるよな。 -
やるではないか
らしくないことくらいわかってる でも あんな顔されちゃ気持ちよく飲めないだろ
姫の悩んでる顔もいつまでも見たくないしな
しかし夕日よ 東雲殿と同時に秋谷殿のようでもあったぞ …本の中でしか知らぬが
大したことない マネだ
知ってるか?子どもはな 大人のマネをして大人になっていくのだぞ
(第32話 朝日奈家・2) -
今巻メインは表紙の通りさみだれとその一家。いえ、背後にいる人はお母さんではありません。もっとも魔王スタイルのさみだれと氷雨が普通に一緒にいる状況からしてすでにカオスだけど……。今巻ラストにかかわってくるのかしらん。
さみだれが畏るべき魔王であると同時に(というかそもそもその根幹が)「世界とうまく折り合いをつけられない子供」なのは、少しずつ変化していった夕日と違って連載初期からほとんどブレてない部分なんだけど、ここにきて急激にさみだれの心理が揺れ出した。
それをサポートするのが大人たちを通して成長していった夕日だというのはソツがない。今回実は大人たち(朝比奈家の面々と夕日の祖父)までも夕日に手助けされるという、この作品ではけっこう珍しい状況になってもいるんだけど、それだけ夕日が大人に近づいたということなんだろう。
さみだれと夕日ふたり(あと三日月も?)が大人になることがこの作品のゴールなんだろうか。大人になることで失くしてしまうものもあるし、単純に夕日とさみだれがものわかり良くなってしまうと物語のダイナミズムが失われてしまうので(たとえばアニムスと直接対決するシーンとか、ああいうの)簡単にそれで幕、ともいかないとは思うんだけど。
八つ眼の登場時、三日月がナチュラルに昴と雪待を助けていたのが印象的だった。もともと戦闘狂な以外は(そこが最大の難点なんだけど)素で気さくな奴ではあるし、あれも三日月なりの情なんだろうか? それとも単に強敵を前に戦力が減るのを嫌った冷静な判断なだけだったりして。ありうるだけに始末が悪い。七つ眼戦でこの2人の戦闘参加を(その後の行動から言って、かなり無責任に)推していたのも三日月だ。
2人のピンチに思わず「昴ッ!!」と本気で心配していた(まあほら雪待は……あんまり関わってないし……)のでまだ安心ではあるけれど。海のイメージがストレートに水着の女性だったり、わかるようなわからないような男である。最近騎士団が増えて相対的に影が薄くなった感もあるのだけど、騎士団の人数が減ったときにまた本領を発揮するんだろうか。
ところでアニムスがどんどん小物っぽくなっている件。アニマについて上から目線でいろいろ言ってるが、結局アニマにビスケットハンマーの能力を制限されてしてやられているのは事実だ。そう考えるとけっこう情けない兄貴である。さみだれには色々ビビらされてるし。
悪役は底が見えない時が一番輝ける。バックグラウンドや限界が見えた時はやられ時だ。その点、アニムスはすでにいつやられてもいい立ち位置に達しかけている。案外本当に中途退場して、魔王対騎士団の様相になったりして。死ぬ時はあっさり死ぬマンガだけにありえなくもないのが恐い。
その気になれば騎士団を強制的に分断して個別撃破できる能力の持ち主なので、あえてそうしないだけの理由がまだ底知れないのが救いだ。