- Amazon.co.jp ・マンガ (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784785955014
感想・レビュー・書評
-
ソ連に占領された戦後日本を放浪する瞽女(盲目の三味線弾き)夜梅とそのお供、鶯。背景の至るところに配されているキリル文字。そして登場人物は「猫」
これだけで設定を詰め込みすぎている感じがしますが、決してうるさくなく魅力的な世界に引き込まれていきます。
この作品は、登場人物の心情、バックグラウンドが丁寧に書かれており、キャラクター同士のつながりが自然にかつ密接に書かれています。読み進めるにつれキャラクターの魅力が深まり、2週目を読むとなおキャラクターの心情が一層深く読み取れます。
一方でギャグめいた表現も多く、読んでいる中シリアス一辺倒になったりと偏ることもありません。
好みは分かれると思いますが、1話が楽しめる方は、間違いなく最後まで楽しめる作品だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
"「物取りや畑荒らし これらは悪いこと咎めを受けることではあるけれど
生きて成すべきことが残っているのなら
身を焼かれ凍土に這っても汚泥を啜り
生き抜くためのあらゆる事に手をつけるべきですよ
目的を果たす意思の無い命に 生をながらえる価値は無い」"[p.61]
絵のタッチが好み。
登場人物の関係性に首を捻っていたので最後のスパイ手帳は助かった。
"「承知の上です
きゃつらの菩提はうちの寺で立派に弔ってやります」
「…そこまで言うなら是非もねえ おれは鶯の剣だからな
大将が斬りてえと鞘払えば 百人でも千人でも思うままだ」"[p.120] -
盲目の三味線弾き「瞽女」の存在を最近知ったところでタイミングよくこのような漫画が。これは格好いいなー。媚び媚びじゃない猫耳がよい。