刺し身とジンギスカン 捏造と熱望の日本食

著者 :
  • 青弓社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787220813

作品紹介・あらすじ

「ニホン人は昔から刺し身を食べていた」だって? ジョーダンじゃあない、食べていたのは海沿いの高貴な身分の人たちだけ。冷蔵・冷凍流通網が整った戦後になってから、新鮮な魚が日常的に食卓にのぼったのだ!

「ジンギスカンって、モンゴルから入ってきたんだよね」って? とんでもない。1938年の月刊誌に東京・高円寺のマトン料理店の広告が。それ以前から、ジンギスカン鍋の写真も紹介しているのは東京の料理店。

さらに、チャプスイという名のアメリカ式中華料理、とろみ料理は、戦前に流行したにもかかわらず戦後には消えてしまい、幻の一品になってしまった。

「食の鑑識家」が、刺し身とジンギスカン、とろみ中華風料理の起源と移り変わりを雑誌を渉猟して追跡調査し、流通している俗説を覆してホントの歴史を教える痛快食エッセー。

感想・レビュー・書評

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  • 第67回アワヒニビブリオバトル「和食」で紹介された本です。オンライン開催。チャンプ本。
    2020.08.02

  • 副題に「捏造と熱望の日本食」とあります。
    熱望は刺し身の方です。

    流通が豊かではない時代に新鮮な魚を食べる
    ことができたのは、海沿いに住むほんの一部
    の人だけだったはず。

    それが日本食として誰もがその存在を疑わな
    い刺し身は、日本人がその料理を「熱望」し
    たからです。

    何とかして海沿いの人たちと同じ料理を食べ
    ることができないか。それを求め続けた故の
    食べ物が刺し身です。

    一方でジンギスカンは作られた料理と言われ
    ます。

    日露戦争で防寒に必要な羊毛=ウールは何と
    しても日本で自前で作る必要に迫られました。
    そこで牧羊が国主導で奨励され、ついでに
    羊肉も食されるようになりました。

    あの「チンギスハ-ンが遠征中にヘルメットを
    使って焼いたから、鉄板はこんな形をしてい
    る」という伝説と共に・・・・。

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著者プロフィール

1956年、福岡県生まれ。食文化研究家。著書に『国民食の履歴書――カレー、マヨネーズ、ソース、餃子、肉じゃが』『刺し身とジンギスカン――捏造と熱望の日本食』『台所に敗戦はなかった――戦前・戦後をつなぐ日本食』『昭和珍道具図鑑――便利生活への欲望』(いずれも青弓社)、『食育のウソとホント――捏造される「和食の伝統」』『食のリテラシー』(ともにこぶし書房)、『食べかた上手だった日本人――よみがえる昭和モダン時代の知恵』『食ベ物の声を聴け!』(ともに岩波書店)、『冷蔵庫で食品を腐らす日本人――日本の食文化激変の50年史』(朝日新聞社)など。

「2023年 『幻の麺料理 再現100品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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