歴史修正主義とサブカルチャー (青弓社ライブラリー)

著者 :
  • 青弓社
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787234322

感想・レビュー・書評

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  • 内容は,よくまとまっていてわかりやすかったが,もう少し砕けた表現で書いた方が,普通の読者には伝わるかなぁ,と.
    あと,結局,解決策についてはなんとなくボカして逃げた感じが残念.
    明確で具体的肯定的な草の根的運動の提言があっても良かったと思う.

  • 東2法経図・6F開架 361.45A/Ku51r//K

  • 要は「論壇という曖昧な環境が商業的淘汰にさらされた結果、潜在していた修正主義者と結びつき、商業的成功を志向する中で社会的ムーブメントとなった」という内容であるが、なぜそれが商業的成功に繋がったのか十分に検討されているとは言い難い。
    「読者を巻き込む手法による」と一応示されてはいるが、では修正主義ではなく左派でもそれが可能だったのかと考えると納得し難い解答だ。
    さらにこのムーブメントが複数のメディアにまたがる展開により発展してきたとしながら、検討対象がほぼ紙媒体に限局されているのもどうか。TVについて言及されているところもあるが、分析は試みられていない。また、90年代と銘打つことによってネットに言及することを回避しているが、右派的現状の紹介においては2000年以降が主であり、問題意識と分析対象に乖離が見られる。
    また、論考という体裁を取っているものの、各事象は一般化されておらず、出来事の羅列にコメントを付しているという状態であり、どちらかと言えば報道に近いものではないか。

  • 90年代のサブカルチャーにおける言説を通して、右翼サブカルチャーのメディアがほんとにユーザーフレンドリーだったんだなーと感心した。大衆の目線で、偉ぶらず賢ぶらず、地道に支持を獲得してきたんだなーと。
    翻って左翼は何をしていたかというと、インテリたちは小難しい議論を展開し、高齢化した市民運動家たちはお経のように戦争反対戦争反対と唱え、少しずつ大衆の支持を失ってきたんだなーと思う。
    左翼はこの本を読むことによって過去を反省し、現在を分析し、未来に活かさなければいけないと思う。しかし私の周りの左翼インテリは相変わらず大月書店のお花畑本ばかり読み、市民運動家は戦争反対戦争反対と唱えており、絶望は深まるばかり。

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著者プロフィール

倉橋 耕平(くらはし・こうへい)/1982年生まれ。関西大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。創価大学文学部准教授。『歴史修正主義とサブカルチャー 90年代保守言説のメディア文化』(青弓社)、『教養としての歴史問題』(共著、東洋経済新報社)など。

「2021年 『反日 東アジアにおける感情の政治』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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