コンクール文化論: 競技としての芸術・表現活動を問う

制作 : 宮入 恭平  増野 亜子  神保 夏子  小塩 さとみ 
  • 青弓社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787274618

作品紹介・あらすじ

私たちは音楽を演奏し、ダンスを踊り、それら表現を見ることで日々の彩りを豊かにし、ときに癒やされ、励まされもしている。本来、優劣をつける必要がないにもかかわらず、人はなぜコンクールの場を設けて、芸術やパフォーマンスで競い合うのか。

ショパンコンクールからK-POPのオーディション番組、ダンススポーツ、民謡、伝統音楽、古典芸能、そして学校のコンクール、バレエ教室の発表まで、多種多様なコンクールの事例を紹介して、パフォーミングアーツを競い合うことの多様性と共通点、魅力やダイナミズム、問題点を浮き彫りにする。

演者や表現者が認められるべく努力し、審査員が真剣な眼差しを向け、観客が歓声を上げ、称賛を送る――コンクールという場で創造される表現の可能性、そこに生じる演者のキャリアや挫折、そして社会的な意義に多面的に迫るユニークな論考集。

目次
序 章 なぜパフォーミングアーツを競い合うのか 宮入恭平/増野亜子/神保夏子/小塩さとみ
第1章 エンターテインメントとしての国際音楽コンクール――第十八回ショパン国際ピアノ・コンクールのウェブ配信をめぐって 神保夏子
第2章 オーディション番組の生存と越境 吉光正絵
コラム 近代的な「コンクール」の幕開け――十九世紀のパリ国立音楽院ピアノ科の場合 上田泰史
第3章 対戦競技化するダンススポーツ――スポーツ化と芸術化のあわい 垣沼絢子
第4章 ポール・スポーツ大会による規格化とポールダンスの実践――ポールダンスの行方を決めるのは大会なのか、ダンサーなのか? ケイトリン・コーカー
コラム 闘えない人々の闘い――競技空間の外にいるインドネシア武術愛好者について 今村宏之
第5章 秋田県の地元一曲民謡大会にあつまる人たち――趣味になった民謡が生み出し支える場 梶丸 岳
第6章 発熱するコンクール――バリの伝統音楽グンデル・ワヤンの事例から 増野亜子
コラム 伝統音楽へ人々を巻き込む仕組みとしてのコンペティション 水上えり子
第7章 海を渡って琉球古典芸能コンクールに参加すること――ハワイの沖縄系人を事例に 澤田聖也
第8章 学校とコンクール――競い合いのなかで何を学ぶのか 小塩さとみ
第9章 「バレエ大国」ニッポン――発表会文化の連続性として 宮入恭平
あとがき 宮入恭平

著者プロフィール

立教大学ほか非常勤講師。専攻は社会学、ポピュラー文化研究、カルチュラル・スタディーズ。著書に『音楽と政治』(人文書院)、『ライブカルチャーの教科書』『ライブハウス文化論』(ともに青弓社)、『J-POP文化論』(彩流社)、編著に『発表会文化論』(青弓社)、共編著に『「趣味に生きる」の文化論』(ナカニシヤ出版)、翻訳書にスージー・J・タネンバウム『地下鉄のミュージシャン』(朝日新聞出版)など。

「2024年 『コンクール文化論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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